【全日本】『最強タッグ2025開幕』ジュニアの逆襲か、巨人の蹂躙か!?序盤戦で見えた「混沌」の勢力図
師走の足音が近づくこの季節、プロレスファンの血が騒ぐ。そう、全日本プロレスの暮れの祭典「世界最強タッグ決定リーグ戦」が、今年もやってきた。
11月22日、聖地・後楽園ホール。その開幕戦から、いきなりリング上は混沌と熱狂の坩堝(るつぼ)と化した。
波乱、規格外、そして謎。今年の最強タッグは、ただ強いだけじゃない。一筋縄ではいかない個性と個性がぶつかり合い、予想不能な化学反応を起こしている。
全日本の冬は、極彩色に彩られた激闘の季節なのだ。まず、我々の度肝を抜いたのが、ジュニアヘビー級の至宝、青柳亮生&ライジングHAYATOの「アツハヤ」コンビだ。
開幕戦のメインイベント。相手は、共に三冠ヘビー級王座を戴冠した経験を持つ、青柳優馬&安斉勇馬という、まさしくヘビー級のトップチーム。
誰もがヘビー級のパワーが勝ると予想しただろう。しかし、アツハヤはその常識を、あまりにも美しく、そして破滅的な新合体技で打ち砕いた。

©全日本プロレス
その名も「シド&ナンシー」。伝説のパンクロッカー、シド・ヴィシャスと、その恋人ナンシー・スパンゲンから名付けられたとされるこの技は、まさに愛と狂気が交錯する芸術品だ。
コーナートップで背中合わせになった二人が、同時に宙を舞い、1回転して相手に降り注ぐ。亮生は腹部から、HAYATOは背中から。その衝撃は、ヘビー級の強者をも沈黙させた。
シド&ナンシーやってる時
俺とアツキの視界は上下逆なんだよね
それでも同じ場所に落ちるってなんか良いよね#ajpw #世界最強タッグ2025 #epw pic.twitter.com/vgBleJ8ud5— ライジングHAYATO (@0224RISING8810) November 22, 2025
「シド&ナンシーやってる時 俺とアツキの視界は上下逆なんだよね それでも同じ場所に落ちるってなんか良いよね」
HAYATOのこの言葉には、単なる技の解説を超えた、二人だけの絆と美学が詰まっている。
ジュニアの枠を超え、ヘビー級を喰らうその姿は、今年のリーグ戦の台風の目となることを予感させた。
しかし、翌23日の沼津大会では、ザイオン&オデッセイという規格外の外国人チームに敗北。
天国と地獄を味わうこのジェットコースターのような展開こそ、最強タッグの醍醐味である。
▼規格外の巨人たち、絶望の渦を巻き起こす

アツハヤが「華」ならば、こちらは「壁」だ。Aブロックに登場した綾部蓮&タロースの“タイタンズ・オブ・カラミティー”。
二人の身長を合わせるとなんと413cm。開幕戦では、鈴木秀樹&真霜拳號という、テクニックとキャリアを兼ね備えた実力者チームを、その圧倒的な高さとパワーで粉砕した。
鈴木のテクニックも、綾部の長い手足の前には通用しなかった。
最後は、綾部が抱えた相手にタロースがフライングラリアートを叩き込む合体技から、綾部のデスルーレットでフィニッシュ。その光景は、まさに「絶望」そのものだ。
「当然の結果だな。これからも対戦相手と観客を絶望の渦に飲み込んでやる」
綾部の不敵な宣言と、タロースの高笑い。この413cmの巨壁を乗り越えるチームは現れるのか。
翌日の沼津でも大森北斗&羆嵐をダブルチョークスラムで一蹴し、開幕2連勝。
その勢いは、とどまるところを知らない。今年の最強タッグは、この巨人たちが作り出す「絶望」との闘いでもあるのだ。
▼11年ぶりの帰還、豪腕の覚悟

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そして、この熱狂の輪に、頼もしい男が帰ってきた。11年ぶり3度目の出場となる潮崎豪だ。芦野祥太郎とのタッグ「HAVOC」で、Aブロックに殴り込みをかけた。
開幕戦の相手は、北斗軍の大森北斗&羆嵐。試合前には北斗から勧誘を受ける一幕もあったが、潮崎はこれを豪快なラリアットで拒絶。
その後は、芦野との息の合った連携を見せ、最後は伝家の宝刀、豪腕ラリアットで大森をマットに沈めた。

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「ザイオンとオデッセイにぶつかるまでは絶対に負けられないんだよ、俺たちは。豪さん優勝するのは俺たち」
芦野の言葉には、強い覚悟が滲む。潮崎もまた、他団体のリーグ戦に参戦する意味を、誰よりも理解しているはずだ。
その豪腕一発で、戦況を一変させる力。11年という時を経て、さらに円熟味を増した潮崎の存在が、Aブロックの戦いをより一層激しく、熱いものにしている。
沼津大会でも田村男児&佐藤光留を退け、こちらも開幕2連勝。HAVOCの快進撃は、どこまで続くのか。















