【近藤“ド根性”洋史選手・兼平大介選手インタビュー】新木場・後楽園初進出!HEAT-UPが、「アツくてワクワクする」戦いを持ち込む!

7月8日、新木場1stRING。そして、8月12日、聖地・後楽園ホール。プロレスリングHEAT-UPは、昨年のビッグマッチ・とどろきアリーナ大会を超えて、さらに進んでゆく。
新木場大会で大谷晋二郎選手と戦う近藤“ド根性”洋史選手と、後楽園ホール大会で団体創設者・田村和宏選手のHEAT-UPユニバーサル王座に挑む兼平大介選手に、両大会へ向けての決意を伺った。

<HEAT-UP一熱い男が、プロレスの教科書を書き換える>

――今月の新木場と初の後楽園大会について、実際の見どころ、見せどころのカードを伺いたいと思います。まずは新木場大会ですが、今回のポイントは?

近藤:メインは、後楽園で田村さんと兼平がシングルでやるんですが、その前哨戦の6人タッグがお客様の注目が高いのかなと思います。まさに「Road to 後楽園」ですね。

――新木場は過去に何回か?

近藤:はじめてです。

――意外です。これまでは、八王子とか新百合ヶ丘といった会場で試合をなさっていますね。

近藤:田村さんが「HEAT-UPは挑戦する団体だから、新規開拓をしたい」という方針で。とどろきアリーナで21年ぶりにプロレス大会をやったり、プロレスを文化にしたいと宣言しているので、なじみのない街に営業して、会場をとって、街おこしまでやる。新百合ヶ丘が街おこしの成功例で、僕も柿生で所属の井土(徹也選手)と子供にスポーツ指導をしたり、冬は「マッチ一本火事のもと」と防災呼びかけをやったり、田村さんが地域で清掃ボランティアをやったり、おかげさまで地元のお祭りにも呼ばれるようになりました。

――チラシ配りもファンの方と一緒にやられていますね。

近藤:ファンの方にボランティアをお願いしています。毎回3-4人は必ず参加してくださいますね。

――新木場に向けては?

近藤:新木場は間に合わないけど、後楽園に向けてポスター隊として、ドロップキックさんなど、なじみのあるプロレス関係の行きつけの店に、ファンの有志の方に貼りに行ってもらっています。23日には水道橋で、居酒屋さんなどにアポなしでポスター貼りをやろうかと思っています。

――ほかに注目の試合はありますか?

近藤:一番の注目と思っているのは、近藤“ド根性”洋史 VS 大谷晋二郎のシングルマッチです。詳しく話は聞いていないですけど、田村さんがカードを組まれたときに、「以前に俺は大谷さんと戦っているんだ」と言っていた。STYLE-E時代に一対一をやって、そこで「今日の思いを忘れなければ、STYLE-Eは必ず近い将来、後楽園ホールに進出する!」(プロレスの教科書388ページ) という予言をもらっていて、「その時は大谷晋二郎にオファーを忘れずに!」とプロレスの教科書の一ページに刻んでいただいた、という流れがあったんです。

今回は、田村さんではなくHEAT-UPが大谷さんと戦うこととなり、その光栄な役目が僕に回ってきました。この試合を組んでいただいた田村さんと大谷さんには感謝です。後楽園に向けてHEAT-UPの大きな歴史の一ページに、ド根性の一ページにも歴史を刻み、大谷選手(のプロレスの教科書)にも……落書き程度でも、ド根性という奴がいるんだという印象をつけるためにも、「チャレンジマッチ」ではなく本当に勝ちに行きたいんです。このシングルマッチは、その先の後楽園まで、HEAT-UPという団体の成長のためにも注目のカードです。それくらい意気込まないと、大ベテランに飲まれてしまうので。

――60分の長丁場。ガッチガチですね。

近藤:今まで30分一本勝負までの試合はあったけど、60分一本勝負も意図を感じるというか、プロレスの60分一本勝負はハードです。

――タイトルマッチクラス。

近藤:そんな試合をノンタイトルで60分、この時間にも意味があると思います。

――大谷さんは多彩な技を持っています。特に気をつけたい技は?

近藤:顔面ウォッシュですね。本当に削られます。

――気をつけないといけませんね。大谷さんとはこういう試合をしたいというイメージがありますか?

近藤:「プロレス界一熱い男」大谷晋二郎に対して、こちらはまだ「HEAT-UP一熱い男」。熱い男同士の戦いで、今後僕も「HEAT-UP一」から「若手一」に、HEAT-UPの枠を超えた熱い男であることを認識していただけるチャンスじゃないかと思っています。熱い男対決です。

――最近はスタイリッシュなプロレスラーが増えて、熱いプロレスラーは減ってきている気がします。

近藤:僕はもう、愚直にやります。大谷さんは基本技術がしっかりしていて、締め技や関節技も体重をかけてくるから、うまく切り返さないとそのままつぶされてしまうかなと思います。どの技も一級品で、どの技も必殺技クラスなので、そこを何とかド根性で耐えて、勝機を見出すことができれば。

――兼平さんは、後楽園に向けての前哨戦で6人タッグマッチです。

兼平:僕は、後楽園は結果がすべてだと思っているので、前哨戦で勝ちにいくだけでなく、個人的には(後楽園ホールのシングルマッチに向けて、田村さんの)ダメージを蓄積させたい。田村さんには弱点があると思っているので、そこを徹底的に。ヒザで最後に決めようと思います。

――フィニッシュの予告ですね。

兼平:そのためのダメージを蓄積させたいです。

――戦略がある様ですが、言って大丈夫ですか?

兼平:昨日もニコプロで言いましたから(笑)

――わかっていても攻め続ける、と。

兼平:前回タッグトーナメントがあって(パワフルタッグトーナメント2017・2017年2月18日)、準決勝で僕と近藤選手対、田村さんと安倍(史典)選手で戦いました。そこで僕が田村さんからヒザでピンフォール取ったんですけど、もしかしたら田村さんも打たれ弱くなったかなと感じているので、そこを徹底的に狙いたいと思っています。

――ずっと言い続けると警戒される。それでも、攻め続ける。

兼平:挑戦表明した時も挑発されたんです。「2年半のキャリアで何ができるんだ」と。先は同じにせよ、田村さんと僕の目指すプロレスのスタイルはぜんぜん違うので、お互いのプライドをかけてやっていきたいですね。違うプロレスのスタイルを見せたいです。

<プロレスの聖地・後楽園ホールで、昔を超える戦いを>

――新木場で六人タッグをやって、そこから後楽園へ。あまり期間が空きませんね。

近藤:ちょうど一ヶ月ですね。

――初の後楽園ということで、周りからの反応は?

近藤:友達から「すげえな」って言われます。(新木場で)大谷さんと試合ということで、友人から「お前大谷とやるのか」とメールが来ます。

――おふたりにとって後楽園ホールは聖地。ホールに対するその思いは。

近藤:僕個人は、逆にないんです。光栄だしすごいとは思うけど、そもそも身近にプロレスがなくて、ずっと野球をやっていて、田村さんと出会ってからプロレスを知りました。後楽園がプロレスや格闘技の聖地であることはわかっているけど、逆に僕は、いい意味で普段どおり、いつもの一生懸命さを売りにして、後楽園が特別と思わず、いつもどおりの試合をやれればいいと思います。プロレスを始めてからまだ三年で、自分の色が出てきたばかりで、まだ全然余裕がありませんから。それに、百人規模の王子でやろうが、四百人の新百合ヶ丘でも来るお客さんは一緒なので、後楽園でも一緒だと思います。まあ、こう言いながらめっちゃ緊張するでしょうが(笑)

――控え室から上がってくる、後楽園ホール特有のあの雰囲気は……

近藤:僕も何度か行った時に重みを感じているので、それを感じないように、虚勢というか、普段通りのド根性スタイルで、自分を奮い立たせて飲み込まれないようにしたいです。雰囲気に飲み込まれるといい試合ができないので、普段どおりにやります。

――後楽園ホールで、千人以上の集客数を集めたいですね。兼平さんはいかがですか?

兼平:正直、緊張しています。たまに後楽園ホールの前を通ったときに建物を見ると、「うわ」ってなるけど、逆にぎりぎりまで、プレッシャーを感じていたいです。そう簡単にメインで後楽園の試合をやる機会はないと思うので。追い込まれるのも僕の役目だと思います。そのほうが本番でパッとはじけられます。

――レスラーによってぎりぎりまで追い詰められたり、逆に全く気にしない人がいます。普段はどうですか?

兼平:普段も結局追い込まれるんですよ(笑) 入場直前までは……

近藤:話しかけるなオーラが(笑)

兼平:でも、リングに上がると大丈夫なんです。

――入場テーマがかかるとスイッチが入る人が多いですね。

兼平:不安で仕方がないけど。

近藤:僕も一緒だと思います。緊張はします。無駄にハイテンションというか、スイッチが入る前はあえて下がるんで。僕、ひどいくらい、わーって。朝から「めんどくさいなー、今日は試合だ、だるいー」みたいな感じで、周りにいろいろ話しかけて緊張をほぐしてゆくタイプですね。

――後楽園ホールは緊張しますね。どうしても身構えてしまいます。

兼平:今話していてもドキドキします。

――後楽園ホールは行くたびに、毎回団体によって雰囲気が変わるのは不思議ですよね。

近藤:それが後楽園ですもんね。

――後楽園ホールは他団体でも周年興行・特別興行引退興行など、重大なイベントの会場です。初ということで、これからもまた告知を?

近藤:若手選手達もスケジュールを組んで宣伝しようと思っています。僕らも練習時間を調整して、告知も増やそうと思います。

――ちなみに、決定済みなのは二試合ですか?

近藤:選手はポスターに全部出ています。

兼平:以前田村さんとやっていたSTYLE-Eのメンバーとか、九州から佐々木(恭介)選手も来てくださる。昔一緒に戦っていたんでしょうね。

近藤:レジェンド級は藤波さんと大谷さん、あとはいつものHEAT-UP。那須(晃太郎)選手に出ていただいたり、柴田(正人)選手に出ていただいたり、大久保(一樹)選手も同じ西調布のリングで練習をしている仲です。(田村さんの)同窓会的なものを後楽園ホールに持っていく感じですね。

――各団体の記念周年大会などは、元所属選手が結集する試合がありますよね。プロレスは、昔の仲間とか、タッグを組んでいたとか、因縁があるとか、色々な関係性を持つ人が集まってくるから面白いですね。

近藤:STYLE-Eの時代は、僕はプロレスもやっていなかった。この方々とはHEAT-UPで関わっていただいて恩義もあるんですけど、僕らは、新たな一ページを作るためにも、直接試合はしないと思うけど、昔を超えたい。さらに、ほぼ同期の兼平が後楽園でメインをやるのに対抗して、「一番ド根性がよかった」「メインよりも近藤さんの試合がよかった」と言われるような戦いがしたいです。他の選手にはいい意味で挑戦しようかなと思うけど、こいつには負けたくない(笑)

――終わった後にアンケートを取れればいいですね。

兼平:HEAT-UPはオンラインアンケートがあるんです。試合後にメールで届きます。

――誰が後楽園で輝いているか、とかがわかります。

兼平:よくなかった選手もわかる。

近藤:アンケートも、僕は戦いだと思っています。うれしいんですよ。来たときに「俺だ!」って。

 

<次ページ:「アツくてワクワクする」プロレスが、次に目指すもの>

◆プロレスTODAY(LINEで友達追加)
友だち追加

Pages 1 2