【新日本】棚橋弘至、涙の地方巡業ラストマッチ! 宇都宮でデスペラード撃破、エアギター3連発で別れを惜しむ「東京ドームまで、あと一つ。ちょっくら、全力で盛り上げてきます」
新日本プロレスは12月21日、栃木・ライトキューブ宇都宮にて『Road to TOKYO DOME』第2戦を開催した。
2026年1月4日の東京ドーム大会での引退を目前に控えた棚橋弘至にとって、この日は首都圏を除く地方興行でのラストマッチ。
メインイベントでは「棚橋弘至ファイナルロード〜継(つなぐ)」と銘打たれ、エル・デスペラードとの初シングルマッチが実現した。

かつてタッグを結成した際、棚橋はデスペラードを「もっともいま、ジュニアを象徴する選手」と評し、デスペラードも敬意を表していた。
階級を超えた“象徴”同士の対峙は、技術と意地、そしてリスペクトが交錯する熱戦となった。

鈴木軍、STRONG STYLE、本隊と自身の歴史を象徴するTシャツを腰に巻き入場したデスペラードは、ゴングと同時に冷徹な一点集中攻撃を展開した。
棚橋の古傷である左膝に狙いを定め、場外でのイス攻撃やインディアンデスロック、ヌメロ・ドスで徹底的に痛めつける。

棚橋が苦悶の表情を浮かべる中、デスペラードはロコ・モノ(ナックルパート)を打ち込み、ピンチェ・ロコを狙うなど、引退を控える“逸材”に対し容赦ない攻めを見せた。
しかし、棚橋は満身創痍ながらもエースの底力を発揮した。ドラゴンスクリューで流れを引き戻すと、テキサスクローバーホールドで反撃。

デスペラードの猛攻をツイスト&シャウト3連発で切り返し、スリングブレイドを炸裂させる。
最後はコーナー最上段からのハイフライアタック、そして渾身のハイフライフローを投下し、18分に及ぶ激闘を制した。

試合後、棚橋はリング上で座礼を行い、「デスペー! ありがとう!」と感謝を伝えた。
これに対し、一度は場外へ出たデスペラードもリングに戻り座礼で呼応。

立ち上がると棚橋の腕を掲げ、勝者を称えた。

マイクを握った棚橋は、宇都宮のファンに対し「本日もたくさんの応援、本当にありがとうございました!」と感謝。ファンからの「寂しい」という声に、「ありがとう、ありがとう、ありがとう!ダメダメ、それ以上、それ以上は それ……」と言葉を詰まらせ、両膝に手を置く場面も見られた。「泣いたことないからな、生まれてから」と気丈に振る舞いながらも、地方ラストマッチの感傷を隠しきれない様子であった。

その後、棚橋は「宇都宮~!盛り上がっていこうぜ~~!!!!」とエアギターを解禁。アンコールが止まず、計3回にわたり熱演を披露した。
さらに、「来年の1月4日、東京ドーム、超満員になりました!」と報告すると、ドーム大会に向けた予行演習として観客との「ウェーブ」を敢行。
会場一体となって作り上げた景色に、「もうね、本当にここまで強力していただいたら、全員昇給したい!」と笑顔を見せ、「東京ドームまで、あと一つ。ちょっくら、全力で盛り上げてきます」と締めくくった。

バックステージで棚橋は、かつて営業担当と二人三脚でプロモーションに奔走した北関東での思い出を振り返り、感極まる場面があった。
棚橋「宇都宮、この北関東っていうのはいろんな思い出があって、特にプロモーションで本当にいっぱい入って、営業の人間とタッグ組んで、一からプロモーションやってっていう、そういったね、その時にお会いしたお客様が今日も何人もいらっしゃって、『タナ、来たよ!タナ、来たよ!』っていうね、本当に……。(※涙をこらえるように)フゥー!ね、やっぱりしっかり自分が歩んできた道が日本全国に残ってるっていうね、そういったものを感じました」
また、対戦したデスペラードについては「なんとか手数ではね、デスペラードの方が上だから、体重差かな?単純に今、俺、超重たいし、ねぇ。本当にデスペラードからもエールをもらったね。そんな気持ちです」と語り、この勝利をエネルギーに変えてドームへ向かう決意を示した。引退については「どう終わるかは、誰も予想できないと思う。なぜなら、100年に一人の逸材だから。とんでもない終わり方しますよ」と予告した。
一方、敗れたデスペラードは、棚橋の存在の大きさを改めて噛み締めていた。
デスペラード「棚橋弘至という人間の広さ、深さ、重さ、たかだか10何分経った?10何分もった、俺は?18分ぐれぇか?なんとなくしか憶えてねぇけどよ、たかだか18分しかねぇシングルマッチだったが感じたよ。あと、まぁスペシャルな状況であるというのは1個あるとしてもだ、棚橋弘至という人間の求心力だよな。これだけの会場を埋めるだけのお客さんが来て、全員が……まぁ私は違うという人も中にはそういう天邪鬼もいるだろう。そいつは知らん。全員が棚橋弘至を応援してるわけだ。愛した結果だよね、あの人がプロレスを、お客さんを、選手を。あの人の愛の結果がああいう形になってると思う」
デスペラードは、自身のすべてを出し切ったと語りつつも、「棚橋弘至……ズルいわ!あんだけこっちだってよ、鈴木軍の時の俺を一生懸命記憶の奥底から引っ張り出して、今の俺がやらないことをずーっとこの試合通してやってきたはずだったのに、アンタに頭下げられちゃったら、そりゃそうだろう」と、試合後の座礼に心を動かされたことを吐露。「悔いが残ってるけど、楽しかったっす。でも、次は俺が勝ちますからね」と再戦を誓った。
<写真提供:新日本プロレス>
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