【スターダム】「日本プロレス界の1位狙う」 岡田社長が2026年ビジョン宣言!上谷沙弥の“MVPイヤー”とフワちゃん“再デビュー”、両国大会を総括
2025年12月29日、東京・両国国技館。女子プロレス団体・スターダムの年内最終興行となるビッグマッチ『JR東海 推し旅 presents STARDOM DREAM QUEENDOM 2025』が開催された。
師走のプロレス界を締めくくるにふさわしい熱気の中、団体はこの日、6,563人の観客を動員し「満員札止め」を記録したと発表。
メインイベントではワールド・オブ・スターダム王者・上谷沙弥が挑戦者・安納サオリを下して防衛に成功したほか、フワちゃんの再デビュー戦など話題性に富んだ全9試合が行われた。
大会終了後、スターダムの岡田太郎社長が総括会見を行い、激動の2025年を振り返るとともに、さらなる飛躍を誓う2026年に向けた壮大なビジョンを語った。本稿では、岡田社長の言葉を中心に、スターダムの現在地と未来を紐解いていく。

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■「上谷沙弥の年」を象徴する激闘と代償
今大会のメインイベントは、2025年のスターダムを牽引し、東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞で女子プロレス大賞(MVP)を受賞した“絶対王者”上谷沙弥に、安納サオリが挑むワールド・オブ・スターダム選手権試合だった。
試合は壮絶を極めた。結果として上谷が王座防衛を果たしたものの、試合後のバックステージには王者の姿はなかった。
総括会見の冒頭、岡田社長は沈痛な面持ちで切り出した。
「本来であれば、勝者である上谷沙弥選手に会見をしていただく予定でしたが、この戦いの中で受けたダメージが想像以上のものであり、これから会見に出席することは不可能と判断しました」
MVPを受賞し「2025年は上谷の年だった」と誰もが認める活躍を見せた王者だが、その代償はあまりにも大きかった。一夜明け会見も見送られることが決定し、岡田社長は「今日は会見をする段階ではない。まずはしっかりと休息を取らせる」と、王者の体調を最優先する方針を示した。
この勝利により、ワンダー王座を防衛した小波を含め、極悪ヒールユニット「H.A.T.E.」が主要タイトルを独占する形で2025年は幕を閉じた。岡田社長は「いわゆるベビーフェイスと呼ばれる選手たちが全滅してしまった。
これが2025年のスターダムの現実」と分析する一方で、「悔しさをバネにした他の選手たちの奮起を願う2026年にしたい」と、新年の巻き返しに期待を寄せた。
なお、激闘を制した両王者の前には、早くも新たな挑戦者が現れた。ワールド王者・上谷にはスターライト・キッドが、ワンダー王者・小波には吏南が挑戦を表明。団体側もこれを受理し、年明け以降の日程でタイトルマッチが組まれる見通しだ。

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■フワちゃん再デビュー戦に見る「プロレスラーとしての覚悟」
今大会のもう一つのハイライトは、タレント・フワちゃんの再デビュー戦だった。葉月を相手に行われたこの一戦は、単なる芸能人のゲスト参戦という枠を超え、会場を大いに沸かせた。
岡田社長はフワちゃんのパフォーマンスについて、「普段のプロレスラーのデビュー戦とは違う形になった」と前置きしつつ、最大級の賛辞を送った。
「彼女は既にプロレスラーとしてのスタートラインに立っているという自覚、そして『覚悟』を持っていました。葉月との信頼関係があったからこそ、彼女は持てる全てを出し切れたのだと思います」
一方で、対戦相手を務めた葉月に対しても「通常のデビュー戦のように相手の良さを引き出すだけでなく、『プロレスの厳しさ』を教える貫禄を見せた」と高く評価した。
質疑応答では、フワちゃんの今後のベルト挑戦、特に若手竜門の「フューチャー・オブ・スターダム王座」への挑戦資格についての質問が飛んだ。同王座はキャリア3年未満などの規定があるが、2022年に一度デビューしているフワちゃんの扱いはどうなるのか。
これに対し岡田社長は、「2022年のデビューを起点とすれば資格はないかもしれないが、今日を『再デビュー』として新たなスタートと捉えれば可能性はある」と柔軟な姿勢を示唆。
「彼女の可能性を広げるためにも検討し、本人とも相談したい」と、フワちゃんの継続参戦とタイトル戦線への浮上に含みを持たせた。

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■「満員札止め」の真実と2025年の成長
興行面においては、6563人という動員数が発表された。昨年の同大会と同様、マス席を1人仕様で販売したため、物理的な最大収容人数ではないものの、用意された座席は全て完売。「満員札止め」のアナウンスがなされた。
岡田社長はこの数字について、「昨年の横浜アリーナ大会に次ぐ規模であり、この数字こそが2025年のスターダムの成長を表している」と胸を張った。当日券の販売もなく迎えた両国決戦は、現在のスターダムが持つ集客力の高さを証明する形となった。

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■「女子プロレス界1位」から「日本のプロレス界1位」へ
2026年に向けたビジョンとして、岡田社長の口からは力強い言葉が飛び出した。
「今年、上谷選手がプロレス大賞MVPを受賞したことで、『女子プロレス界』という枠組みはもう取り払われたと思っています」
これまでスターダムは「世界一の女子プロレス団体」を目標に掲げてきたが、そのステージは既にクリアしたとの認識を示した上で、新たな目標を宣言した。 「これからは、日本プロレス界の1位を狙っていきます。
1位には無理矢理にでも動かないといけない巨大な存在(新日本プロレスなど)がいますが、我々は2位の団体として、そこを追い越すつもりでやっていく。それが親会社超えなのか、兄超えなのかは分かりませんが、選手一同その目標に向かって動いていきます」
男女の枠を超え、日本におけるプロレス団体の頂点を目指す。そのための戦略として、地方ビッグマッチの強化も掲げられた。
2025年は会場の改修や閉鎖などの事情により、名古屋・大阪などでのビッグマッチ開催数が減少した反省を踏まえ、2026年は月1回のペースでビッグマッチ(PPV配信興行)を開催する方針だという。

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■海外戦略と世界との連携
質疑応答では海外団体との連携についても言及された。AEW(アメリカ)とのコラボレーションについては、「今年は向こうから選手が来日するケースが多かったが、世界経済や状況を見ながら、来年も引き続き会話をしていく」とした。
また、岡田社長自身が10月にメキシコへ渡り、CMLLとの関係強化を図ったことにも触れ、「女子ルチャリブレとの繋がりを強め、スターダムの選手がメキシコのリングに上がることや、逆にCMLLの選手が来日することも増えるだろう」と展望を語った。
さらに中国大会の開催実績や、アメリカ、イギリス、カナダなど世界各国の団体との交渉も進めており、「スターダムの素晴らしさを世界中に広めていく」というグローバル戦略に揺るぎはない。

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■2026年への助走
激闘の余韻も冷めやらぬ中、スターダムは休むことなく走り続ける。
新年は1月3日から開幕し、1月10日には後楽園ホール大会も控えている。上谷沙弥、安納サオリ、フワちゃん、そしてH.A.T.E.の猛威と新世代の挑戦。
数多くのトピックを残した両国大会は、2025年のゴールであると同時に、さらに激化する2026年の戦いへの号砲でもあった。 「日本のプロレス界1位」という野望を掲げ、スターダムは新時代へと突き進む。
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