【新日本】ウルフ アロン、衝撃のデビュー戦戴冠! 覚悟の丸坊主でEVILを失神KO“ビギナーズラック”と謙虚に語るも視線は世界へ「精進してもっともっと高みを目指していきます」

新日本プロレスは1月4日(日)、東京ドームにて年間最大のビッグイベント『サンセイアールアンドディ presents WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退』を開催した。

超満員4万6913人の観衆が詰めかけた聖地で、東京五輪柔道男子100kg級金メダリスト・ウルフアロンが衝撃のプロレスデビューを果たした。

この日、第5試合で行われたNEVER無差別級選手権試合。

絶対的なヒールユニット“HOUSE OF TORTURE(H.O.T)”の頂点に立つ王者EVILに、デビュー戦のウルフが挑むという異例のマッチメイクが実現した。

■覚悟の丸坊主と黒のショートタイツ

入場からウルフは観衆の度肝を抜いた。柔道男子代表監督・鈴木桂治氏による力強い陣太鼓の音がドームに響き渡る中、姿を現したウルフの頭はきれいに剃り上げられた丸坊主であった。

前日の調印式でEVILから突きつけられた「負けたら丸坊主」という理不尽な要求に対し、試合前から自ら髪を剃り落とすことで回答を示した形だ。  

さらにリングイン直前、着用していた柔道着を脱ぎ捨てると、その下から現れたのは装飾の一切ない黒のショートタイツと黒のリングシューズ。

新日本プロレスの伝統的な“ヤングライオンスタイル”で、プロレスラーとしての第一歩を踏み出した。

この覚悟について、ウルフは試合後にこう語っている。

「正直、元々、新日本プロレスに入団したタイミングというか、僕自身、プロレスラーになるって決めた段階でもうデビュー戦の日には坊主にしようと考えていたので、その時から決まっていたというふうなことですね。やっぱり新日本プロレスでゼロから、一からプロレスをするのであれば、正直、入門の段階で坊主でも良かったかなっていうふうに思ったんですけど、試合当日に坊主にしていこうというふうにはずっと考えていました」

「やっぱり柔道っていう競技を今までやってきて、新日本プロレスに入るにあたって、今日の入場だけは最初柔道着を着ようと思っていたんですよ。で、本当に柔道っていう競技からプロレスに転向するっていう意味で、これから先、柔道着を着て闘うことはないっていうふうなアピールを皆さんにしたかったということですね」

■H.O.Tの介入地獄を柔道殺法で突破

試合はゴングを待たずにEVILが奇襲を仕掛ける荒れた幕開けとなった。

場外戦では成田蓮らH.O.Tのメンバーが総出でウルフを袋叩きにし、イス攻撃や金具むき出しのコーナーへのハンマースルーなど、悪の限りを尽くした。  

しかし、ウルフは屈しなかった。

強烈なショルダータックルでEVILを吹き飛ばすと、乱入してくる東郷、成田、裕二郎、SANADAを次々と柔道技で投げ捨てる。

視界を奪うパウダー攻撃やテーブルへの叩きつけといった猛攻にも耐え抜き、この日が引退試合となる棚橋弘至の得意技、ハイフライフロー(ダイビングボディプレス)まで繰り出して見せた。  

最後はEVILの必殺技を切り返し、腕ひしぎ逆十字固めの体勢から変型の逆三角絞めへ移行。

両腕と首を同時に極める複合関節技で王者を失神させ、レフェリーストップによるTKO勝利を収めた。

デビュー戦での王座戴冠という、史上稀に見る快挙を成し遂げた。

■「ビギナーズラック」と謙虚、視線はすでに世界へ

リング上でベルトを掲げたウルフだが、そのコメントは驚くほど冷静かつ謙虚であった。

「今日からやっとプロレスラーになりました。正直、今日の勝利はビギナーズラックみたいな部分が大きいというふうに感じています。EVILからすると僕の技がわからない中での闘いだったので、ここからが本当の闘いだと思っています。どんだけ研究されても対策されてもその上を行けるプロレスラーを目指して、精進して、もっともっと高みを目指していきます。これからも、今日からプロレスラー・ウルフアロンをよろしくお願い致します」

フィニッシュとなった技については、「一応逆三角(絞め)を狙っていったんですけど、逆三角だけだと極めが甘かったので、右手と左手両方関節を獲りながら絞めも狙ってっていう、その3点を獲りにいきました」と解説。

柔道の技術をプロレスに応用したオリジナルホールドであることを明かした。  

また、棚橋の技を使用したことについては、「やっぱり今日棚橋さんが引退する日で、僕がデビューする日で、この日に合わせて僕がデビューってわけではなく、本当に偶然が重なってこの日になって、やっぱりそうなると僕も運命的なものを感じてましたし、棚橋さんのハイフライフローを自分のものにしたいというふうに感じていました」と、エースへの敬意を表した。

今後の目標について問われると、ウルフは力強く宣言した。

「身近な目標はプロレスラーとして日々成長していくこと。このベルトに見合うプロレスラーになること。そして、大きな夢っていうのは変わらずIWGPの世界ヘビー級のベルトを獲ることです」  

さらに、対戦したい相手として、同級生であるKONOSUKE TAKESHITAの名を挙げ、「闘いたいっていうふうには思っていますね」と意欲を見せた。

「僕が一番最初に観た新日本プロレスの試合が石井選手と柴田選手のNEVER無差別の試合で、まさか僕自身のデビュー戦がこのNEVER無差別をかけた試合になるとは夢にも思っていなかったんですけど、それが現実になって、今日こうやってベルトを獲ることができて感無量です」  

かつて観客席から見つめていた憧れのリングで、最高の結果を残したウルフアロン。

金メダリストの看板を下ろし、一人の「プロレスラー」として歩み始めたその道は、新日本プロレスの新たな風景を切り拓いていくに違いない。

<写真提供:新日本プロレス>

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