【新日本】TAKESHITAがTV王座の価値向上を宣言!ファンタズモとの延長戦を制し王座奪取「このベルトの動向、見逃すなよ」

新日本プロレスの米国ビッグマッチ『THE NEW BEGINNING USA』が現地時間2月27日、ニュージャージー州トレントンのCURE Insurance Arenaにて開催された。

第5試合に組まれたNJPW WORLD認定TV選手権試合は、王者の意地と挑戦者の矜持が交錯する前代未聞の結末を迎えた。

KONOSUKE TAKESHITAが、王者エル・ファンタズモからの延長戦要求を受けて立ち、死闘の末に新王者に輝いたのである。

過去の対戦成績が1勝1敗1分けと完全に拮抗している両者の決着戦。

ロッキー・ロメロをセコンドに従えたTAKESHITAに対し、ファンタズモは7度目の防衛を目指してリングに上がった。

試合は序盤からスピーディーかつ危険な技が交錯する総力戦となった。

ファンタズモがフェンス越えのムーンサルトアタックで場内を熱狂させれば、TAKESHITAも強烈なエルボーや打撃で徹底抗戦。

終盤、TAKESHITAが必殺のレイジングファイヤーの体勢に入ったところを、ファンタズモがファルコンアローで切り返してカバーに入った。

しかし、まさにその瞬間に試合終了のゴングが鳴り響き、規定時間到達による引き分けという不完全燃焼の結末となった。

痛み分けという結果に場内からブーイングが巻き起こる中、このドロー決着を誰よりも拒絶したのは、ベルトの防衛を果たしたはずの王者自身であった。

怒りに任せてベルトを放り投げたファンタズモは、足早に退場しようとする挑戦者へ向けてマイクで吠えた。

■ファンタズモのマイクアピール

「ヘイ、タケチャン!俺たちはもう時間切れの引き分けはやったな。あれは最悪だった。オマエがモクスリーとやった試合も、時間切れの引き分けだった。あれも最悪だった。なあ、トレントン。時間切れの引き分けなんか見たいか?トレントン、ニュージャージー。東海岸のマニアックなオマエたち、あと5分ほしいか?なあ、聞けよ。ボスはここにいる。タケシタ!みんなの歓声が聞こえたか?」

この魂の叫びと大観衆の熱気に押され、TAKESHITAは意を決してリングへ帰還。急遽、5分間の延長戦を告げるゴングが鳴らされた。

満身創痍の両者は、開始早々から足を止めての打撃戦を展開する。

ファンタズモのカナディアンデストロイヤーを耐え抜いたTAKESHITAは、掟破りのCRIIからワガママを叩き込む。

最後は満を持してレイジングファイヤーを完璧に決結め、自ら延長戦を志願した王者を沈め、見事に新王者の座を奪い取った。

バックステージに戻った新王者は、タイトルそのものではなく、最高の好敵手との闘いこそが原動力であったと力強く語った。

TAKESHITA「お前らよく聞けよ。オイ、前IWGP世界ヘビー級王者が、次はNJPW WORLDのTV王座? オイ、NEVER、IWGP世界ヘビーの価値をトコトン上げたその次は、このベルトの価値を上げてくださいってか? オイ、俺は便利屋ちゃうぞ。ナメんなよ。
でもなあ、俺のモチベーションは今日どこにあったか。このベルトじゃない。対戦相手のエル・ファンタズモや。俺が、この広い世界見てもよぉ、最高のレスラーの一人、エル・ファンタズモと何回もシングルマッチやってきた。それでもなお、アイツのこと凄いと思うから、このアメリカのお客さんの前でこのベルト懸けて、エル・ファンタズモとTAKESHITAで全身全霊で闘ってあげたんや。お前ら感謝しろよ。
最高のチャンピオンからこのベルト獲ったからには、俺がメチャクチャ盛り上げたるから。(※ベルトを肩から下ろし、指差して)このTV王座のベルトの、これからの動向、お前ら、見逃すなよ。From THE ALPHA!」

一方、自らのプライドを懸けて延長戦を要求した結果、王座から転落するという残酷な現実を突きつけられたファンタズモ。その言葉には、深い絶望と己の資質に対する葛藤が滲んでいた。

ファンタズモ「ハァ……、チクショー、ハァ……。前回新日本プロレスで姿を見せてから2ヵ月、……2ヵ月も離れていた。その2ヵ月の間にいろいろなことがあった。俺はリングで上手くやれるし、ファンからも人気があるし、グッズも売れてるってことを改めて感じたんだ。
それでも、もしかしたら、もしかしたらだが、俺はこの団体でトップに立つだけの資質がないのかもしれない。……正直なところ、どうなんだろうな……。明日の3時の便で帰るよ。ニュージャージーから日本まで、クソ長い15時間のフライトだ。その間にいろいろ考えることになるだろう。
日本に戻ったら『NEW JAPAN CUP』があるからな。俺は心の底では、“やるかやられるか“だと思ってる。ありがとう、ブラザー。これで終わりだ。みんな、ありがとう」

引き分け防衛という「結果」を捨ててまで「決着」にこだわった前王者の散り様と、その覚悟を真っ向から粉砕した新王者の矜持。

トレントンの夜に刻まれた激闘は、両者の今後のレスラー人生を大きく左右する分水嶺となるに違いない。

<写真提供:新日本プロレス>

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