【新日本】タイガーマスクが7.7後楽園での引退を発表「デビューの地で引退します!」 笑顔の報告に滲むプロレスラーの矜持

新日本プロレスの春季シリーズ『Road to SAKURA GENESIS 2026』第5戦が4月2日、東京・後楽園ホールにて開催された。

ビッグマッチを目前に控えた熱気の中、第1試合のリング上で、長きにわたり新日本ジュニアを牽引してきた黄金の虎から、重大な決断がファンへと直接伝えられた。

タイガーマスクが自身の引退日を正式に発表したのである。

この日の第1試合は、海野翔太およびタイガーマスク組と、KUSHIDAおよび安田優虎組によるタッグマッチであった。

4月4日の両国国技館大会でKONOSUKE TAKESHITAの保持するNJPW WORLD認定TV王座への挑戦を控える海野翔太は、好調さを誇示するかのように安田優虎を圧倒。

最後は王者の必殺技であるレイジングファイヤーを掟破りで繰り出し、大一番へ向けた強烈なメッセージを発信した。

しかし、試合後の後楽園ホールを包み込んだのは、勝利の歓声とは異なる、驚きと一抹の寂しさが入り混じった大きなどよめきであった。

マイクを握ったタイガーマスクが、自らの口で幕引きの日を宣言した。

タイガー「本日はご来場、誠にありがとうございます。まだ第1試合でしゃべるの早いですけど、ちょっと聞いてください。私の引退日が決まりました。このデビューの地、後楽園ホールで7月7日、この後楽園ホールで引退します。正味あと3カ月ですね、3カ月、ケガをせず、みなさんの前ですばらしいファイトをしたいと思っています。どうか応援、よろしくお願いいたします!」

昨年4月の引退表明から約1年。ついに明確なゴール地点が設定された。

バックステージに戻ったタイガーマスクの表情は、どこか晴れやかであり、限られた日々に対する充実感に満ちていた。

タイガー「え~。いまリング上でも言った通り、7月に引退するということを言ってまして、やっと引退日が決まりまして、7月7日の後楽園ホール、デビューの地で引退します。ちょうど7月というのはね、ボクのデビューした月でもありますし、まあ、15日と言えばもう『G1』も始まってるのかな?始まってないのかな?わかんないけど。その『G1』の前にね、しっかりとね、自分のケジメをつけて終わりたいなと思っております。まあ、残りホント、正味3ヶ月間、しっかりと自分らしくタイガーマスクとしての試合をしっかりしていきたいなと思ってます。はい」

引退試合の対戦相手や形式について問われると、飾らない素直な心境を吐露した。

タイガー「いや、べつに希望はないですね。引退試合をやるかどうかもボクもわかってないですし。あの……セレモニーだけかもしれませんし。ちょっとボクもわからないですけどね(苦笑)。もしかしたら、やりたい相手が出てきたら、そういう部分で発表できるかと思いますけど、ボクのいままで本当に去年までは“引退試合”というのも頭も一つもなかったので、ただもう引退をすると、ずっと心に思ってました。まあ、ただ一つだけね、どうしても引退の7月なんですけど、その後に海外というのが決まってた部分があって。どうしてもそれが外せないかもしれないので……もしかしたら海外で試合が入るかもしれないですけど。それはちょっとわからないんですけど。それはそれで、もうしょうがないかなと思ってます。まあ、ただ、とりあえずは7月7日ということでね」

残された時間はわずか3ヶ月。しかし、感傷に浸る様子はない。

タイガー「まあ、もちろん一日一日過ぎるのが早いし、ボクとしては会社に言ってたのが、なんのシリーズだろうが全部出て、やはり全国のファンの方に挨拶をしたいということは言ってたんですけど……なかなかね、みなさんもおわかりの通り、これだけの選手がいますし、やはり大事なカード、もちろんヤングライオンもいるわけですから。なかなか全国を回ることができなかった部分があるんですけど。まあ、でもそういう部分を見ても、“残りあと3ヶ月”と言ったら、たしかに早いけど、ボクの中では全然さびしいとか、そういうのはないですね。もう毎日毎日が精一杯やってるからかな。充実してると言えばあれだけども、でも充実してます。別に傷心にひたっているわけでもないし。よろしいですか?」

去りゆく虎がいる一方で、時代は確実に前に進んでいる。

対戦相手としてリングに立ったKUSHIDAは、躍動する若い世代の姿に目を細めつつ、自らもさらに熱い戦いの中へ身を投じる覚悟を語った。

KUSHIDA「上村優也も、海野翔太も、活きがいい。じっくりシングルマッチやってみたいものですね。『BEST OF THE SUPER Jr.』、エントリー発表されました!(※それぞれにベルトを掲げながら)こっちはフィリピンのベルト、こっちはMLW世界ミドル級王座。ベルトはボクにとって“旅のお守り”みたいなもんなんでね。(※ペンダントを掲げて)このペンダント、2010年代から投げ始めて、これ地方の会場でもらった子どもたちがいまね、学生になりました、就職しましたとか、いろんな報告受けてますんで。2010年代、上村、海野もヤングライオンだった時代を感じる……。ああ、時の流れを感じますね。『BEST OF THE SUPER Jr.』、KUSHIDAがかっさらうぞ? まだあと1、2ヶ月あるから、誰よりも多くシングルマッチをして、誰よりも多く場数を踏んで、楽しみにしてます、『SUPER Jr.』」

(※海野翔太は解説席に向かったためノーコメント。安田優虎もノーコメント)

ベテランの旅立ちの時が迫り、次代を担う者たちが猛威を振るう。

新日本プロレスのマットには、残酷なまでに美しい時の流れが刻まれている。

7月7日、黄金の虎はどのような姿でリングを降りるのか。

そして残された者たちは、どのような景色を作り上げていくのか。

それぞれの時間が、静かに、しかし確実に動き出している。

<写真提供:新日本プロレス>

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