制御不能の世代闘争 内藤哲也とOZAWAのバトルはファイトもトークも見逃せない

【柴田惣一のプロレス現在過去未来】

制御不能の世代抗争の行く末やいかに。「元祖・制御不能男」内藤哲也と「タブーなき男」OZAWAの禁断の対決がいよいよ激化。日に日に激しい火花が散っている。

ノアの4月12日、愛知・名古屋金城ふ頭アリーナ大会でGHCタッグ選手権試合に臨む「ロス・トランキーロス・デ・ハポン」内藤と「TEAM2000X」OZAWA。BUSHIとのコンビで王座を保持する内藤に、政岡純を従えたOZAWAが挑む一戦に注目が集まっている。

前哨戦での攻防も見所たっぷり。OZAWAは内藤の得意技を本家以上にやってのける。内藤はあっけにとられながらも、余裕の笑みで見返す。真っ向からやり合ったと思えば、さらりとすかしてみせる…とにかく二人の一挙手一投足から一瞬たりとも目が離せない。

リング上の激突はもちろんだが、二人のトークバトルがまたまた凄まじい。OZAWAはよりによって、リング上で内藤の懐事情にまで鋭く切り込む始末。「カネがないんだってな。詐欺師に騙されて会社を潰したんだろ」とズバリ。

内藤が新日本プロレスから離脱後、BUSHIらとともに立ち上げた新会社が上手くいかなかったことを、あえてファンの前にさらす非道ぶりだ。もっとも自身の団体のプリンスだった清宮海斗の私生活を暴露したOZAWAにしてみれば、朝飯前の指摘なのだろう。

とはいえ「カネが必要だからプロレスを続けているのか。お前、今も本当にプロレスが好きなのか」と、問いかけるクセ者ぶりを発揮。とことんコケにしながらも、プロレスラーとしての琴線に触れる一言をさりげなく織り交ぜるあたり、ただの嫌味野郎とは一線を画している。

内藤も「OZAWAと向き合って楽しくないわけがない。俺の目に狂いはなかった」と珍しく素直な一言。現在のプロレス界で絡みがいのある相手ナンバー1はOZAWAであるのは認めるしかないだろう。

内藤がOZAWAを昨年のプロレス大賞MVP(実際は上谷沙弥)と発言したのも、勘違いしていたのか、OZAWAへのおちょくりなのか、その真意は不明だが、昨2025年のOZAWAを「MVP級の大活躍」と評価していたのは間違いない。

内藤は16年、17年、20年、23年とMVPに4度輝いている。文字通り10年代後半から20年代前半のプロレス界の顔だった。

ファンの人気も支持率も、棚橋弘至と双璧をなしていた。若手の頃から「ファンの皆様」「お客様」と口にしていたが、まだまだトップでもないのに「プロレス界はこうあるべき」「こうしたら、どうだろうか」などと、自身のことだけではなくプロレス界全体を俯瞰で冷静に分析するなど、いち早くスターへの道を踏み出していた。

正論に加え、ファンの想いを代弁し、共感を得るマイクアピールでのし上がっていく内藤の勇姿に、元気と勇気をもらった人も多いだろう。ノア上陸直後はコンデションが不安視されたが、体調は上向きのようだ。

その切り口に違いはあるものの、ともに舌鋒鋭い内藤とOZAWAだが、OZAWAは暴露を得意としている。

SNS時代で誰もが世界中に発信し、ストレートに反応も受け取れる。時代の追い風に乗っているのがOZAWAであり、現在のプロレスの最先端と言えるのかも知れない。

4・5静岡・富士大会では最後の前哨戦。内藤、BUSHI、アンヘル・レイエス、RYUSEI組とOZAWA、マサ北宮、ヌル、政岡組が激突。北宮がRYUSEIを仕留め、OZAWAがマイクを握った。

「お前のプライベートに何があろうとも、リングに持ち込むな。プロレスに集中しろ」と内藤を見下したOZAWAは、静岡出身であることを強調。「名古屋で待っているからね。The Real Rebel」と、いつもの決め台詞で締めくくった。

内藤は「楽しかったがベルトを防衛したら、名古屋でその楽しかった日々も終わってしまうな」と4・12名古屋大会での勝利を確信している様子だが、何だか名残惜しそうだ。タイトルマッチが終わっても続きがあるのか、気になるところ。いずれにせよOZAWAとのリング内外でのぶつかり合いを、心から味わっているようだ。

内藤とOZAWA。今のプロレスを楽しみたいのなら、この刺激的な二人から目を離してはいけない。

<写真提供:プロレスリング・ノア>

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