【編集長コラム】「プロレスはシーズンオフなし」

プロレスにはシーズンオフがない。大晦日も元日も大会が開かれている。プロレスファンは年中、熱くなりっぱなしだ。

多くの熱闘に沸いた2017年も幕を閉じ、2018年の闘いがすでに始まった。新たな闘いの渦も巻き起こっている。

新日本プロレスでは「1・4」で「レインメーカー」オカダ・カズチカが地力の違いを見せつけた。とはいえ、MVP男・内藤哲也の巻き返しが早くも始まっている。海外勢の勢いも衰えを知らず「世界」を意識した新日本プロレスの抗争図は、地球規模で注目を集めている。

3冠王者ジョー・ドーリングのナチュラルパワーに改めて感嘆させられた全日本プロレスには、大型選手が揃っている。3冠戦線を始め、世界タッグ王座を奪取した諏訪魔、石川修司の暴走大巨人コンビの大暴れは、肉弾戦のド迫力に圧倒される。王道バトルはさらに過熱するはず。

ノアには「新星」清宮海斗が登場した。「野球もプロレスも今年は清宮」と思わせる輝きを放っている。「三沢さんを知らない」と、うそぶくGHC王者・拳王とのタイトルマッチは「聖地」後楽園ホールに怒涛の歓声を呼び込んだ。

かつて新日マットで勃発した、凱旋した天山広吉を巡る各軍団のつばぜり合いを思い出させた「清宮争奪戦」そして「世代闘争」や「拳王のマイク」は、これまでのノアマットとは一線を画すもの。ノアの反撃が始まったことを、誰も否定できまい。

他の団体も負けじと熱いバトルを展開してスタートした2018年の日本プロレス界。今年、新たにデビューする選手、飛躍する選手、凱旋する選手・・・どんな選手がマット界を彩るのか大いに楽しみだ。

注目株は多いが、そのうちの一人が、ランズエンドの崔領二。長身から繰り出す蹴りは、まさに「爆殺シューター」そのもの。

ホームリングのランズエンドはもとより、全日本マットなど他団体のリングでも、容赦のない蹴りを披露。各会場には悲鳴が上がるほどだ。

「マットに上がれば、若手であろうが、技量の差のある選手だろうが容赦しない」という姿勢からはプロフェッショナルとしての誇りとプライドが伝わってくる。

しかし、リングを下りれば、人当たりはソフトで優しく、トークバトルも得意としている。後輩の面倒見も良く、人望が厚い。ランズエンドでは海外遠征にも積極的で、精力的に動き回っている。ワールドツアーのプランも進んでいるという。今年は何かやってくれそうだ。

崔だけではない。多くのレスラー、団体運営者が野望を秘めて2018年の船出を果たした。

ネット世界が確立された今、情報を共有した海外からのファンも多数、詰めかけている。日本国内に加えて世界がマーケットのプロレス界。今年、これまで以上に盛り上がることは間違いない。

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