【WRESTLE-1】<征矢学インタビュー>「命をかけてプロレスをやらせてもらいます」止まっていた時計の針を動かせ! ワイルド、ついに覚醒!!

「命をかけてプロレスをやらせてもらいます」止まっていた時計の針を動かせ!

ワイルド、ついに覚醒!!

征矢学インタビュー

「命をかけてプロレスをやらせてもらいます」止まっていた時計の針を動かせ!ワイルド、ついに覚醒!!征矢学インタビュー

ついにこの男が目を覚ました。昨年後半は『W-1 TAG LEAGUE』全敗という屈辱的な結果を残しながらも、「気楽にやろうぜ」などと言っていた征矢学が、かつての同志であるAKIRAやタナカ岩石の叱咤激励を受け、本来の闘争心を取り戻し、芦野祥太郎の持つW-1チャンピオンシップに挑戦することを自ら表明した。苦悩の中から立ち上がったその心境、そして3月14日の後楽園大会に向けての意気込みを語ってくれた。

 

 

──去年の5月の後楽園大会以来、久々のW-1チャンピオンシップへの挑戦が決まりました。昨年の芦野選手とのタイトルマッチ後はどのようなモチベーションでプロレスをやっていたんですか?

 

征矢 去年の5月というか、芦野とのタイトルマッチが決まる前から……一昨年の横浜文体からの話になるんですよ。

 

──本来ならそこでKAI選手のベルトに挑戦するはずが、ケガで出られなかった大会ですよね。

 

征矢 はい。僕の中では『W-1 GP』に優勝して文体でのタイトルマッチが決まったのに、ケガをして出られなかったことで会社に迷惑をかけてしまったんですけど、そこから時計の針を進められてないのかなと。その後も河野さんがベルトを持っている時に挑戦したり、芦野に挑戦したりしたんですけど、結局時計の針のボタンを押すところまではいっているんですけど、実際は押せてない。要するに結果が出てないということですよね。

 

──昨年の『W-1 GP』の前にもそういうことを言ってましたよね。優勝して、文体で挑戦して、時計の針を動かしたいと。結局、動かせないまま現在に至ってしまったということですね。

 

征矢 そう簡単にベルトに挑戦ってできないんですよ。タイミングだったり、それなりの資格があって、初めて挑戦ができる。今回は挑戦するための結果みたいなものは別に出してないんですけど、王者も挑戦者不在ということで、向こうは向こうで燻っていた部分もあると思うんですよね。そういう中でこっちは周りの環境に刺激を受けたり、AKIRAさんや岩石からの熱意もあって、それに応える意味でも挑戦しようという気持ちになったんですよ。だから準備は整っているし、あとは時計の針のスイッチを押すだけですね。

 

──結果を出すだけだ、と。去年の後半は岩石選手とタッグを組んで、タッグリーグにも出て全敗に終わって、それでも「楽しくやろうぜ〜」みたいなノリでやっていたじゃないですか? あれはどういう心境だったんですか?

 

征矢 プロレスって奥が深いもので、数学みたいに答えが1+1=2だけではない。何が正解なのかわからないし、人生と似たようなところがあると思うんですよ。その人の生きてきた人生が必ずしも正解とは限らないじゃないですか? あの時期は「これでよかった」と思えるような最終的な答えを探していたというか、プロレスを楽しむことも必要なのかなと思っていたんですよね。

 

──ただ、周りからは迷走しているとか、迷いがあるとか言われていたじゃないですか? 岩石選手からも、「昔の強い征矢学に戻ってくれ」という訴えが再三ありました。自分の中でも何かに迷っている感覚はあったんですか?

 

征矢 迷っているというよりは自信がなかったんでしょうね。プロレスラー・征矢学として100%出せていたかというと、その自信はなかったです。正直なところ、将来に向かって突き進むための道というのがあるんですけど、その道自体が俺には見えてなかった。遠くにその目標がかすかに見えるんですけど、そこにたどり着くための道が見えてませんでしたね。

 

──デビューして10年という節目の年に、道筋が見えなくなってしまったんですね。

 

征矢 去年は大量離脱されて、急に先輩扱いになっちゃったというのもあるんですよ。今まではどちらかというといち若手という立場だったし、10年プロレスやってるって言っても、まだ10歳ですよ、レスラーとしては。武藤さんやAKIRAさんみたいに30年以上もやっていれば立派な大人ですけど、10年なんて子どもですよ。それなのに立ち位置的には上から数えたほうが早くなってしまったし、方向性などの部分でどうしたらいいのかっていうのがありましたね。

 

──自分では若手だと思っていたら、急にベテランと呼ばれる立場になってしまったということですよね。

 

征矢 ベテランでもなんでもないんですよ。勝手にベテランチームになっていますけど、プロレスラーとしては少年なんで。10歳ですよ。小学生ですよ。

 

──でも、征矢選手が10歳の少年だとすると、今のW-1は3〜4歳の幼稚園に入る前ぐらいの年齢の子どもたちが中心になっていたりするわけじゃないですか? そういうW-1の現状をどう思っているんですか?

 

征矢 やっぱり限界があるのかなって思いますね。自分がキャリア3年の時に何ができたのかって考えても、結局周りの先輩のほうが話題になったりするし、いくらがんばってもそこには勝てないですよね。未だに武藤さんの存在は大きいじゃないですか?

 

──大きいですけど、現実としてそういう若者たちがチャンピオンになったり、中心に立っているわけですよ。

 

征矢 彼らは彼らなりにがんばっているとは思うんですけど、やっぱりその年齢に応じた感じですよね。発言にしても重みがない。そうなってくると社長や副社長、河野さんにしろ俺にしろ、プロレスと違う仕事をしつつも、発言の重さ、行動力、自己アピールには差があるなと思いますね。

 

──ということは、W-1を今よりも大きくして、さらに盛り上げていくには、やはり自分たちが先頭に立っていかなきゃいけないということですか?

 

征矢 自分たちというよりは一人ひとりですよ。若手やベテラン関係なく、個々が力を持てば団体も大きくなっていきますよ。だから、NEW ERAがやっていることはあながち間違いだとは思わないんですよ。

 

──チームとしてまとまるというより、個々がそれぞれの目標に向かって進んでいるのがNEW ERAですよね。

 

征矢 ただ、稲葉以外のメンバーに「俺がリーダーだ」っていう気持ちがないんじゃないですかね? そういう主張を個々が持てれば、さらに大きくなると思うんですよね。まあ、自分もいっぱいいっぱいで人のことを言える状況ではなかったし、それは感じつつもあえて触れるということはなかったんですけど。

 

──今回挑戦しようと立ち上がったのはそういうNEW ERAたち若手に対して、お手本になろうという気持ちもあったりするんですか?

 

征矢 それもないことはないんですけど、やっぱりタイミングですよね。それこそAKIRAさんや岩石の叱咤激励もあったし、あとは2月に全日本プロレスでKAIが三冠に挑戦して、新日本プロレスでSANADAがIWGPに挑戦して、この間、中之上が大日本のBJWに挑戦した。中之上の試合は凄く評判いいですよ。彼らとは道は分かれましたけど、俺は今でもライバルであり仲間だと思っているし、そういう奴らがプロレス界を盛り上げている。しかも、みんな2月でタイミングも重なったし、それも自分の背中を押してくれた原動力の一つですよね。

 

──あいつらががんばっているんだから、俺もがんばらないと、という気持ちになったということですね。

 

征矢 何やってるんだろうという気持ちにはなりましたね。

 

──だからこそ、それまで突っぱねていたAKIRAさんや岩石選手の言葉を素直に受けいられるようになったと。

 

征矢 だから、AKIRAさんと岩石が閉まっていた扉の鍵を開けてくれたんですよね。あとは自分で扉を押す。それだけですね。

 

──でも、そこまでいくには髭を切られたり、Enfants Terriblesからの強烈な攻撃がありましたよね。

 

征矢 彼らに対しては腹立たしい部分もあるんですけど、善い悪いは別にして何かしら自分たちの主張をしていますよね。ちゃんとプロレスをしているなと思います。

 

──それを率いている芦野選手に関しては、現在どのような評価をされているんですか?

 

征矢 キャリア3年であれだけ確立されたプロレスラーはなかなかいないと思います。言っていることは腹が立つし、生意気なクソガキですけど、あいつなりの表現の仕方で、自分のいい部分を見せているのはたいしたものだと思っていますね。

 

──5月に挑戦してから約10カ月経ちますけど、あれからチャンピオンの力は増しているなと感じることはありますか?

 

征矢 力は増していると思いますけど、芦野自体もプレッシャーに負けてきているのかなと思いますね。

 

──毎回のように後楽園でメインを務めていて、常にプレッシャーにさらされる状況にはいるわけですけど、ちょっとそれに押されてるという感じが見受けられるということですか?

 

征矢 それでもたいしたもんですよね。あれだけ挑戦者が名乗り出てくる状況の中で勝ち続けているわけですからね。あいつは最近負けたことないでしょう?

 

──ないですね。もう1年ぐらいは3カウントもギブアップもしたことがないですね。

 

征矢 だから、あいつは得たモノも少ないのかもしれないですよね。

 

──征矢選手があれぐらいのキャリアの頃は負けることが多かったと思うんですけど、そこから得たものが現在血となり肉となっているということですか。

 

征矢 もちろんです。多分俺は勝った試合より負けた試合のほうが多いと思うんですよね。でも、それが糧となっている。負けて得ることは実に多いんですよ。

 

──ただ、芦野選手の敗戦の中で、一昨年のグランプリで征矢選手に負けていますよね? ケガをした中での試合だったけど、征矢選手がきっちり叩き潰してくれた、と。それがターニングポイントにもなっていると、この前取材した時には話していました。

 

征矢 リングに上がった以上はあいつの気持ちを買って、気を使うぐらいだったら叩き潰してやろうと思ったんですよ。

 

──では、今回はどのような気持ちでその芦野祥太郎と向かい合うんですか?

 

征矢 1度挑戦して負けてますから、そこは素直に認めて、正々堂々と挑戦しますよ。ベルトを巻いて実現したかったことがいろいろあるんですよ。それがまだできてないし、そこに向かうためにベルトは不可欠ですからね。正々堂々と挑戦して、ベルトを獲ります。

 

──先程、かつての仲間ががんばっているというお話がありましたけど、当日は武藤選手の試合のために、その武藤全日本時代からの仲間たちが集まります。同じキャリアの大和選手も復帰します。その中で征矢選手がチャンピオンシップに挑戦するわけですけど、やはり彼らが当日同じリングに立つということは力になりますか?

 

征矢 それも含めて、タイトルマッチに挑戦するタイミングだったのかなと改めて思いますね。ただ、武藤さんの手術前ということもあり、ラストムーンサルトということが話題として一番強くなっているじゃないですか? それじゃいけないですよね。やっぱり個々の力が弱いのかなと思いますね。

 

──当日はそれを覆すような内容や結果を出さなきゃいけないですよね。

 

征矢 メインイベントですからね。命をかけてプロレスをやらせてもらいますよ。

 

──では、応援してくれるファンの方に何かメッセージをいただければと思います。

 

征矢 俺がどうこうというよりは、やっぱりW-1という団体がプロレスの業界の中で話題が表に出ないし、これから10年後、15年後の成長、そしてW-1の歴史を一緒に見届けてもらいたいなと強く思います。親が子どもの成長を見守るのと同じ気持ちで、見届けてほしいですね。

 

 

ー 大会詳細 ー

 

【大会名】

「WRESTLE-1 TOUR 2018 TRANS MAGIC」3.14東京・後楽園ホール大会

 

【日時】

2018年3月14日(水)19時開始/18時開場

 

【場所】

東京・後楽園ホール

 

【対戦カード】

▼第0試合 シングルマッチ 15分1本勝負

頓所隼(Pro-Wrestling ACE) vs 馬場拓海(Pro-Wrestling ACE)

 

▼第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負

立花誠吾 vs 三富政行

 

▼第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負

佐藤嗣崇&近野剣心(ダブプロレス) vs 児玉裕輔&ドランク・アンディ

 

▼第3試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負

稲葉大樹&吉岡世起&黒潮“イケメン”二郎 vs カズ・ハヤシ&近藤修司&土方隆司

 

▼第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負

木村花&安納サオリ(Actwres girl’Z) vs 万喜なつみ(Actwres girl’Z)&関口翔(Actwres girl’Z)

 

▼第5試合 UWA世界6人タッグ選手権試合 60分1本勝負

【第61代王者組】土肥孝司&熊ゴロー&伊藤貴則 vs 【挑戦者組】NOSAWA論外&MAZADA&FUJITA

※第61代王者組、土肥孝司&熊ゴロー&伊藤貴則、5度目の防衛戦。

 

ー 休憩 ー

 

▼第6試合 『WRESTLE-1 CRUISER FES 2018』トーナメント決勝 時間無制限1本勝負

アンディ・ウー vs アレハンドロ

 

▼第7試合 スペシャル8人タッグマッチ 60分1本勝負

武藤敬司&浜亮太(大日本プロレス)&SUSHI&宮本和志(和志組) vs 河野真幸&大和ヒロシ&中之上靖文(大日本プロレス)&KAI

 

▼メインイベント WRESTLE-1チャンピオンシップ 60分1本勝負

【第11代王者】芦野祥太郎 vs 【挑戦者】征矢学

※第11代王者・芦野祥太郎、8度目の防衛戦。

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