【新日本】「俺が新日本の“顔”になる!」ケニーがIWGP王座奪取を宣言! 王者・オカダは「いまが一番強い」と自信マンマン!<6.9大阪城調印式>

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いよいよ開催される“上半期の天王山決戦”、『保険見直し本舗Presents DOMINION 6.9 in OSAKA-JO HALL』6月9日(土)大阪城ホール大会。

この大会を前に、時間無制限3本勝負の特別ルールで行われるIWGPヘビー級選手権、(王者)オカダ・カズチカvs(挑戦者)ケニー・オメガの調印式が新日本プロレス事務所にて行われた。

 

■IWGPヘビー級選手権調印式

●(挑戦者)ケニー・オメガのコメント
ケニー 何度も何度も、時を越えて、俺は闘い続けて来た。そして、俺たちが闘うことで、このプロレスという競技が、進化し続けてきた。俺たちが闘うことで、この最高峰をさらに上回ろうという努力をする者、もしくは俺たちの闘いを真似しようとする者、そういう人たちさえ出て来た。それこそ、オカダ・カズチカvsケニー・オメガという特別な闘いなんだ。

こうして高いスタンダードを作り上げたということは、俺にとっても非常にうれしいことだ。そして、これは1人では成し遂げることはできない。俺と同等に強い人間がいるからこそできることだ。そういう人間に出会えたことをうれしく思っている。オカダとのシングルマッチを経て、俺は誰よりも強く、誰よりもスピードがあり、誰よりも良いプロレスラーであるということを証明して来た。だが、今回の闘いは、いままでのモノとは少し違う。今回の闘いは、紳士として闘うべきじゃないかと思っている。

そして、いま世界最高峰にいる最強の男、オカダ・カズチカ。これは、いろいろな批評家や、記者たちが俺に伝えて来たことだけど、「オカダが最強である」ということを認めるのは、俺にとって本当に苦渋を強いられるようなツラいことなんだ。だから今回、俺は本当に真剣に闘いを挑みたいと思っている。ここまで来るまで、俺はかなりツラい道のりを歩んで来た。近道を回って来たことなどは1度もないよ。苦しんで苦しんで、より強くなるために努力を惜しまずにここまで来た。だが、新日本プロレスにやってきてから、このリングには自分を上回る人物がいた。それがAJスタイルズ。しかし、彼のこともついには上回り、そして彼を追い出すことができた。

自然と俺はこのリングで1番になれると思っていたけど、また新たな人物が俺の前に現れた。それがオカダ・カズチカだった。ここ何年か「自分自身が最強であるのかどうか?」「自分がより最高のプロレスラーであるかどうか?」を考えて、「いや、違う」という意見でさえ、糧としてここまでがんばって来た。すべてを自分の力にして来たんだ。

ここから俺がやらなければならないことは、そういう批評家、ファンや記者たちがどのような意見を述べるかなんてことじゃない。俺は一人の男として、アスリートとして、プロレスラーとして、“2番手であること”はもうこれ以上、絶対受け入れられない。その固い意思を貫き通すこと、それが一番大事なポイントだと思っている。最終的に今回、タイトルマッチのチャンスを得たということは、自分がプロレス界の歴史に名を刻む、本当の意味で名前を刻むための大事な一戦になるだろう。オカダ・カズチカ、彼を超えなければ、それは成し得ないことだ。だからこそ、今回の闘いがとても大切だと痛感しているよ。

 

●(王者)オカダ・カズチカのコメント
オカダ え~。まあ、ここまで長かったです。去年の(大阪城ホールで)60分時間切れ引き分け。そのあとに『G1』の公式戦で負けて。1年かかって、やっとこの大阪城の60分の続きを見せられるのは、凄く、自分の中では楽しみでしかありません。まあ、(IWGPヘビー)V12を達成して、ボクとしてはここから新たなチャンピオンというのを、皆さんに見せていかないといけないと思うので。シッカリ防衛して、時間無制限なので、時間を気にすることなく、3本勝負。そのルールも楽しんで、勝って、素晴らしいチャンピオンというのを、世界に見せてやりたいなと思います。

 

■報道陣からの質疑応答

――今回、時間無制限で3本勝負ということで、「どのぐらいのロングマッチになるのか?」と議論になっています。ちなみに新日本プロレスの過去最長マッチは、1987年(10月4日)に行われた巌流島でのアントニオ猪木vsマサ斎藤戦の2時間5分14秒だと思います。お二人はどのぐらいの試合時間を想定されているんでしょうか?

ケニー この時間無制限3本勝負は、無制限という名前は付いてるけど、“長さ”が問題じゃないんだ。大切なのは、フォールコントロールをすること。いま、質問にあったような2時間を超える試合は、俺たちがするようなペースの試合じゃなかったと思う。一番大切なのは、「最初のフォールをいつ、どちらが獲れるか?」ということだ。俺たちの試合を記憶していればわかると思うけど、俺たちが過去の試合のようなペースで1時間も動いていれば、もう動くこともままならないくらい疲労困憊してしまうはずだ。

ここまで、オカダがどれほどのトレーニングをやってきたかわからないが、この1時間という時間がブレーキングポイントになるとは思う。だから、それまでにどれだけフォールを奪えるか。まず、最初にフォールを獲るのが大事だと思うが、なるべく早いペースで、早い段階でフォールを獲ることが重要になってくるだろう。

――オカダ選手は、時間の想定という部分はあるでしょうか?

オカダ ボクはまったくないですね。今回、時間無制限にしたというのは、ただ引き分けがイヤなだけなので。それで時間無制限にした、してもらっただけですね。だから、ホントにボクも1本目を獲ることが凄い大事なことだと思いますし。そこで1本を獲るまでに60分かかってしまったら、去年の試合を観てもらえたらわかるようにどちらもフラフラの状態で。その状態で2本目、3本目と闘わないといけないと考えると、凄く不利なので。やっぱ1本目、2本目を早いうちで獲りたいな、と。そういうことはシッカリ考えてやっていきたいなとは思います。

――ケニー選手はインタビューなどで、今回の試合に向けて「肉体改造した」ということを匂わせていますが、そのへんはいかがでしょう?

ケニー 去年の60分1本勝負のドローという結果について、俺は誇りを持っている。あの試合に関しては、「自分自身が一歩、飛躍できたな」という気持ちはあった。だけど、去年の試合に向けた準備段階で、食事面をシッカリ気を付けていたのか? ウェイトトレーニングは十分な回数をやっていたのか? 心肺機能を高め、スタミナを保つための有酸素運動をやっていたのか? そういうことを一つ一つ検証してみると、けして十分ではなかったと思う。それはなぜか? 俺は、先ほども言った批評家たちの「オカダが最強だ」という言説が間違っているために何をするべきか、ということにとらわれすぎてかなり頭でっかちになっていた。だから、身体を作るということにフォーカスできていなかったと思う。

今回、40分を超えるような試合、もしくは60分を超えるような試合……、べつにロングマッチをやりたいわけじゃないが、俺が「この試合にトライしたい」と思ったのは、自分自身の限界を超えるためなんだ。自分自身がいままで思っていた極限の状況、それをさらに超えるためにやりたいと思ったんだ。だからこそ、今回は自分の肉体を変える、ということに重きを置いた。いまの俺は、よりスピードもあり、スタミナもある。いままでのケニー・オメガとは違うんだ。それは『DOMINION』での入場シーンを見てもらえれば、一目瞭然だと思う。こうして身体をシッカリ作れた理由は、ひさびさにトレーニングパートナーを得られたことが非常に大きかった。それは、イブシ・コウタと日本でトレーニングを積めたということ。これが凄く大きかった。

自分1人でトレーニングをしていると、ある種の限界が見えてくる、その限界を超えるのが凄く難しい。でも、パートナーがいるとその限界を越えることができる、新しい力が生まれてくるんだ。今回、イブシがいてくれたおかげで、一人でトレーニングをしていた時以上のトレーニングを積むことができた。言ってみれば、ケニー・オメガ+“ウルトラパワー”が備わったという感じかな。本当に十分だったかどうかはわからないけども、個人的にはこれ以上ない身体に仕上がったと自負しているよ。

――オカダ選手は、このビッグマッチに向けてのコンディションの仕上がりぶりは?

オカダ ま、コンディションはいいですね。『SUPER Jr.』のシリーズ中、ほとんど練習に……ひさしぶりですね。あんなに集中してトレーニングすることができたのは。ここまで“V12”の防衛戦をやってきましたけど、「いまが一番強いんじゃないかな」と。「最強なんじゃないかな」と。ホントにケニーには申し訳ないんですけど、そう思いますね。ホントになかなか勝てないオカダ・カズチカになったんじゃないかなと思います。

ただ、トレーニングという面では、どういうトレーニングが正しいのか? 正直わからなくてですね。ウェイトトレーニングもやりましたし、有酸素運動もやりましたし、ケニーがほかの選手とやってる試合もたくさん観ました。ただ、いったい何が正しいトレーニングなのかはわからない部分もありました。でも、自分ができる範囲ではシッカリできたんじゃないかなとは思います。

――オカダ選手。2年前の大阪城ホールで内藤選手からIWGPベルトを奪ってから、今回のケニー選手の挑戦を退けると、“丸2年間”ベルトを保持し続けることになります。そのへんの感慨はありますか?

オカダ う~ん。まあ、それがゴールではないですからね。まだまだ続いていきますし。べつに2年間チャンピオンだから、どうとかというのはないですね。まだまだ、やっとボクの中では“V12”達成して、これから魅せていくところだと思っているんで。オカダ・カズチカ、チャンピオンというのをこれから見せていきたいなと思います。

――ただ、棚橋選手を倒して“V12”を達成したことは心境的には大きかったですか?

オカダ そうですね。“V11”がいままでの記録だったので、それを越えて、いろんな記録を塗り替えて。塗り替えたからこそ、新しいチャンピオンというモノを見せていかなければいけないと思っているんで。正直、「ここでつまづくわけにはいかない」と思っています。

――オカダ選手、“V13”戦は、過去のチャンピオンもやったことがないわけですし、時間無制限3本勝負というタイトルマッチも誰もやってことがないと。そのへん“誰もやったことのないこと”をこれからも見せていきたい思いがある?

オカダ ん~……。ボクはただ、ホントに「このIWGPが最強なんだよ」ということを世界中に見せたいだけで。ボクがその新日本プロレスの先頭に立って、チャンピオンの素晴らしさ、新日本プロレスの素晴らしさというのをただ広めていきたいというだけで。何か新しいことがやりたいというより、ボクにとっては、前回の引き分け、『G1』の負けがあったので、どうしてもケニーに借りを返したいなと。胸を張って「俺がチャンピオンだよ」と言いたいな、という気持ちがあったのでケニーを選んで。引き分けがイヤだったので、「時間無制限」。ケニーは「3本勝負で」と言ってこういうかたちになったが今回の経緯なので。何か毎回、これからも新しいことをやっていこうという気持ちはないですね。

――ケニー選手は今年で来日して10周年になりますけども、あらためてこのIWGPヘビー級ベルトというのは、どういう存在ですか?

ケニー 日本に来てから、俺は自分の目標を“リスト”にしてきた。「『G1』優勝」をチェック。「ベストバウト」をチェック、「インディーベストバウト」をチェック、「タッグ王座」をチェック、「KO-D無差別級王座」をチェック、「IWGPジュニアタッグ王座」をチェック、「インターコンチネンタル王座」をチェック……。こうして考えると、すべての項目にチェックを入れてきて、「一番最後に残ったがこのIWGPヘビー級のベルトなんじゃないか? 」と思うよ。そして、ここまでたどりつく来るために、俺は自分自身をある種の“モンスター”に変貌させてきた。

ただし、ここまでのキャリアを振り返った時に、いままでやってきたことは完璧にこなせていたのか? もう完璧なのか? そういう自問自答もある。そして、プロレスのエボリューション、“進化”という部分では、新日本プロレスではプライドを持ったジュニア戦士たちも進化させようとしているし、彼ら自身が最強だと証明しようとがんばっている。この俺もIWGP USヘビー級王座を獲得して、その一端を担ってきたと思ってる。こうして、いろいろなことを達成していく中、いまIWGPヘビー級王座に向けてまい進している自分は……、少し言い方はおかしいかもしれないけど、「オカダ・カズチカという男とともにこの道を進んでいる」ような気分にもなっている。「俺たち二人が、プロレスの進化の最前線に立って闘っているんじゃないか?」みたいな気分にね。

だが、IWGPヘビーのベルトを獲るということが、俺の中で最後に残ったチェック項目だとすれば、ここでオカダ・カズチカからベルトを獲り、「おつかれ、君はもういいよ」と言って、俺が新日本プロレスという大きな船の梶をとることになる。これが自分の目標であり、やらなければいけないことだろう。しかし、これはまだ進化の過程のステップワンにもなっていない。なにはともあれ、まずはケニー・オメガがIWGPヘビーのベルトを獲ること。そこから進化はさらに進んでいく。だから、今回こそはベルトを獲って、より良いチャンピオン、より強いチャンピオンになって、この俺が新日本プロレスの“顔”になる。そういった新たなステップを進むためにも、この試合は本当に重要だと思っているよ。

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