【編集長コラム】「復活GET WILDに期待」

全日本プロレス「2018世界最強タッグ決定リーグ戦」(11月13日、東京・後楽園ホール大会で開幕)が迫ってきた。

プロレスファンにとっては「一年の締めくくり」を告げる名物シリーズであり、今年も豪華なチームが揃っている。

中でも注目されるのは、2016年の大会で全勝優勝を遂げながら、昨年は出場しなかった「GET WILD」大森隆男、征矢学組だ。

V2を狙うかと思いきや、昨年はチームを解体。大森は秋山潤、征矢はブラック・タイガーⅦとコンビを結成し、波紋を呼んだ。

2年ぶりにGET WILDで参加するとあって、期待が高まっている。息の合ったコンビプレーはもちろんだが、「旦那」大森隆男と「アニキ」征矢学の掛け合いがたまらない。

タッグコンビで「旦那、アニキ」と呼び合うのは珍しい。公の場で年上かつ大先輩の大森から「アニキ」と呼びかけられ、一瞬、言葉に詰まった征矢だったが、さすがワイルド。「旦那」と返した。

旦那・大森は「爽やかワイルド」の風貌とは裏腹に苦労人だ。全日本プロレス、ノア、WJ、ゼロワン…いくつもの団体を渡り歩き、全日本プロレスに復帰し、取締役レスラーとなった。

この間、高山善廣とのノーフィア、中西学とのワイルドチャイルドでブレークしたが、征矢とのGET WILDで、再び脚光を浴びた。

見るからに野性味あふれる征矢とは違って、読書家であり、常識を踏まえている大森が、吹っ切れたきっかけが、一時期、プロレスから離れていたことだろう。

旅館の「旦那」修行で苦労する中「やはり俺にはプロレスしかないと痛感した」と振り返る。プロレスに打ち込める喜びを、大森は今、全身で感じているのだ。

征矢も「すべて旦那がいるから」と大森を立てている。大森のプロレスに対する姿勢から、多くのことを学んでいるようだ。

レスラーデビュー25年を迎え、輝きをいよいよ増した大森と、素の自分を前面に押し出し爆発した征矢。1プラス1が5にも10にもなっている。

「旦那とアニキ」のワイルド節も、ますます冴えわたるはず。世代の違う大森と征矢のチグハグでありながらも、どこか通じ合うトークが絶妙の味をかもし出す。

「旦那は最近、疲れているように見える。WILD不足じゃないのか!? これはもうWILD注入だ!」と開幕前から、ハイテンションの征矢。再結成が待ち遠しくてたまらないようだ。

GET WILDとして、1年空いてのV2を目指す大森と征矢。リング上の大暴れとともに、インタビューでの軽妙な掛け合いも楽しみにしたい。

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