【編集長コラム】「大巨人」石川修司の「厄落とし」

心躍るテーマ曲「オリンピア」が流れる季節がやってきた。日本マット界「暮れの風物詩」全日本プロレスの「世界最強タッグリーグ決定リーグ戦」が、日本各地で熱戦を繰り広げている。

今年は、秋山準と関本大介の「まさかの越境タッグ」が誕生、大森隆男と征矢学の「GET WILD」も2年ぶりの出陣、宮原健斗、ヨシタツの「ヨシケン」、ジョー・ドーリングとディラン・ジェイムスの「大型外国人タッグ」、ジェイク・リーと崔領二の「Sweeper」、ド迫力ファイトで暴れまくるパロウとオディンソンの「The End」など、個性豊かなタッグチームが参戦。ワクワクする顔ぶれが過酷なサバイバルレースを展開している。

諏訪魔とともにV2を狙う「暴走大巨人」石川修司は、9月の試合で肩を脱臼し欠場。さらにチケットや現金の入ったリュックの盗難にあうなど、不運が続いていた。

これにはさすがの大巨人も意気消沈。心機一転を図るため、開幕前に東京・深川不動で厄払いの護摩法要を受けた。

高僧の真言、燃え上がる炎にホラ貝、太鼓。大迫力の異次元空間に気分も高揚し、頬を赤く染める石川。「厄除け祈願 石川修司殿」と名前を呼ばれ、持ち物も炎にかざしてもらい、これでもう厄払いはバッチリだ。

その後も、梵字の書かれた本堂、四国八十八所めぐり、七福神、ご本尊の真下にあるクリスタルの祈りの回廊、願い事を紙に書き、太鼓を鳴らして水に溶かす深川龍神や、出世稲荷、旅の無事を祈る特大サイズのわらじ等々、見どころ満載の深川不動のすべてを参拝した。

境内では、数人の僧侶に「えッ?」という顔で、二度見されていた。「大きいから」というだけではなく、プロレスファンのお坊さんも、何人かいたようだ。

石川は「心身ともに軽くなった気がする。貴重な経験」と、清々しくスッキリした表情を浮かべた。参拝後には「怪我して以来」とアルコールも解禁。好物のカルピスサワーを楽しみ「久しぶりのお酒は効く~」と笑顔も晴れやかだ。

後日、他の寺社でも厄払いに臨んだというが、浄土宗の僧侶に「2回も厄払いに行っちゃいましたけど、大丈夫ですかね?」と、ちょっと心配そうに尋ねていた。

昨夏のカールゴッチさんの納骨式で、アントニオ猪木氏に焼香を促すなど大役を務めたその僧侶は「厄払いは、何回行っても大丈夫です!」とキッパリ明言。石川はホッとしたように微笑んでいた。

果たして最強タッグ戦では、開幕後3連勝。最高の発進を果たした。どうやら、厄払いは大成功だったようだ。

もちろん、神仏に頼るだけの石川ではない。練習も積み、節制し、コンディションを整えるなど、日々の努力も惜しまない。今リーグ戦には、新コスチュームを着用するなど、万全の体制で臨んでいる。

パートナー・諏訪魔と世界タッグ王者のまま、最強タッグ戦V2という偉業に向け一直線の石川。「暴走大巨人」から目が離せない。

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