【編集長コラム】「坊主ナイト」


※お酒ではありません。般若湯です

1月のある日、大日本プロレスの大会終了後に、お坊さんが大集合した。

BASARA所属で、大日本にも参戦している阿部史典は、浄土宗の僧籍を持つ「闘うお坊さん」だ。「闘う議員」は現役では西村修、土方隆司はじめ何人かいるが「闘うお坊さん」は珍しい。

1月4日生まれの阿部の誕生会に、プロレスファンのお坊さんたちが集結。カール・ゴッチ氏のお墓がある東京・南千住の回向院・水野佳昭住職を筆頭に、納骨式でもお世話になった東京・竹ノ塚の正安寺・田丸英春住職、他にも、大人の事情により顔出しNGの高僧が大挙来襲した。

ヅラッと会場に居並ぶお坊さんたち。何ともありがたい夜になった。普段は経験できない荘厳な雰囲気にテンションが上がり「飲み過ぎても大丈夫! 即身成仏!」などと、勝手な理屈をふりかざし、いつもよりピッチが上がる参加者が続出した。

見ようによっては「少林寺の日本ツアー」だったが、主役の阿部が登場すると、拍手で歓迎するのが一般人、合掌で迎えるのが僧侶だった。

先輩僧侶に囲まれ、いささか緊張の面持ちの阿部も、どこのお寺、どの流派など、ひとしきり仏教話の後はプロレス談義に花を咲かせた。

阿部のこの日のファイトは、普段「アストロノーツ」としてタッグを組んでいる野村卓矢とのシングルマッチだった。ピリピリした空気感のバチバチした試合だったが、惜しくも負けてしまった。

「いや、野村さん、すごく蹴って来るので、まだ痛いです。でも明日の方がもっと痛いかな。翌日の方がダメージ大きいってことも、あるんです」と、ぼやいた阿部だが、満足げな表情を浮かべ、ハイボールで体をクールダウンさせていた。

過酷な移動、ハードスケジュール、体の痛みなど、実際に体験した人でなければわからない赤裸々な話の数々。みな、身を乗り出して聞き入り、興味は尽きない。

バースデーサービスのデザートが登場し、盛り上がりは最高潮に達したが、花火が線香の煙に見えるのは「坊主ナイト」だからだろうか。

「お誕生日おめでとう」と、プレゼントをもらう度に、阿部は合掌。試合後、リングを下りる時も、合掌している。自然と出てしまうのだろう。

話の中で「僕が成仏させます」という言葉が何度か出て来たが、是非とも決めゼリフに使用してもらいたい。「ぶっ殺してやる!」や「つぶしてやる」より上品で、しかも何だかありがたい感じがする。グッズ展開もありだろう。

今までにないキャラは、何より阿部の強味だ。何といっても、本物のお坊さんである。

僧籍を生かすも殺すも、阿部次第。「回転浄土宗」という必殺技にも磨きをかけてほしい。仏様のご加護を受けた阿部の進撃に注目だ。

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