【新日本H.G.メイ社長特別インタビュー】<第2弾>経営哲学、プロレスビジネスの面白さ、2020年1.4+1.5Wドーム大会について!

今年1.4東京ドーム大会後に新日本プロレスリングの代表取締役社長兼最高経営責任者であるハロルド・ジョージ・メイ社長に初インタビューを実施!

今回は経営哲学、プロレスビジネスの面白さ、そして2020年1.4+1.5Wドーム大会についてお答え頂いた。(独占インタビュー第2弾)

 

【経営哲学】

 

山口:今度はメイ社長個人の経営者としてのお話をお伺いできればと思うのですが、経営哲学というか大切にしてることはありますでしょうか?

 

メイ社長:経営哲学なんですけど、僕がビジネスの観点で大事にしていることはいろいろありますよ、もちろん。だけど一つ目にあげるとしたら、お客様が求めているものをきちんと把握してタイムリーに出せることだと思います。

勘とか経験でやるだけではなく、データなどもきちんと活用することが大事だと思います。お客様の不満とか要望をきちんと受け止めて出来るだけ改善することが大事だと思います。

現に僕も就任して9か月ほどになりますが、お客様の要望を聞いて改善したことがいくつもあります。チケットの転売問題だとか、あるいは会場での場所取りの問題だとか。また商品の改善点だったりとか。

こういったお客様の要望を受け取ってフィードバックすることが、商売の基本だと思います。これは有名なパブロ・ピカソの言葉ですが、「できると思えばできる、できないと思えばできない。これは、ゆるぎない絶対的な法則である。」という言葉があります。

だからわたしは改善している中で、これは出来ませんとか昔からそれはやってませんよ、昔からこの方法でやってるんですよ、で終わらせるのではなくて、今のお客様にそれは合っているのかとか、データを見てみようとか、客観的に見ようよという姿勢を大事にしてます。

不可能を可能にして道を切り拓くのが優れた経営者だと僕は思います。そして、僕もそうありたいと思います。

 

 

【経営者としてプロレスビジネスの面白さ】

 

山口:お客様の要望を大事にするというのは、本当に原点ですよね。では、経営者としてこのプロレスビジネスの面白さというのは一体なんでしょうか?

 

メイ社長:まず、この業界は本当に独特だと思います。前職が玩具メーカーだったんですけど、例えばおもちゃ会社だったらリカちゃんのドレスの色やロゴを変更したところで社長が変わったからこうなったんだとか、外国人社長になったからなどと言われません。ですがプロレスは言われます(笑)。プロレスという商品はお客様の思い入れが強いんですよ。心の距離が非常に近い。

わたしはこの選手を応援しているという思い入れが強いです。それにプロレスというものの性質上、いろいろな経緯などを公に説明できない部分もあって、顔を出して経営するのは大変なこともあります。

それからプロレス界は癖の強い(個性のある)ひとばかりです。

 

山口:(笑)。やっぱりそうですか。

 

メイ社長:ちなみに菅林会長は癖の強い人ではないですよ。会長とは非常にいい関係で、一緒に車の両輪のように働いています。僕は別の観点から物を見るかと思いますが、とてもうまくいっていると思います。

話がちょっと戻るんですけど、会社経営は経営者の顔が見えたほうがいい場合と、よくない場合があると思います。

例えば化粧品など美しく都会的なイメージが大切な企業、かつ商品や組織がしっかりしている場合は顔が見えない方がいいと思います。ですが、商品にアップダウンがあったり、組織としてまだまだ弱い場合は責任者の顔が見えたほうがいいと思います。

僕が表に立ってやってきたのは、先ほどのこういう人が経営してるから大丈夫ですよ、という安心感につながるのでは、という思いがあらからです。

取材依頼も従来の業界誌だけではなくて、「ジャパンタイムズ」とか「東洋経済」とか、経済誌や新聞の経済面、そして例えば政治関連のメディアにも登場してます。ついこの間も内閣府が発行している「Highlighting JAPAN」に掲載していただきました。

総理が自分の政策はこうですよというのと、日本の良さはこういうところがありますよというのを毎月取り上げているものなんですけど、日本酒とか漆とか。12月号で新日本プロレスを取り上げてくれたんです。

 

山口:それは嬉しいですね。

 

メイ社長:出てますから、ぜひ見てください。後は海外のメディアで「CNN」もこの間特番をやってくれました。あのCNNで、新日本プロレスが紹介されたんですよ。

とにかくそういうメディアを通じていい印象に繋がるように依頼もどんどん受けています。自分が持っているものを全てプロレスのために役立てたいなというのが僕自身の思いです。

それでもプロレスはファンの方それぞれに応援する選手がいるので、対戦カードに対する不満とかは常に起こりますし、自由に色々言う部分まで含めてこれがプロレスだと思っています。

 

山口:たしかに(笑)。

メイ社長:プロレスの一つの楽しみ方でもあると僕は思うんですが、言われる方はやっぱり大変なんです。心無い言葉に嫌な気持ちになったりすることもありますが、そういう心無い言葉の破壊力が1だとしたら、応援していますよとか理解してくださる温かい言葉もファンの方からいただくこともあるんですが、その言葉の力は10くらいだと思います。優しいファンの方が本当に多いので、元気をいただいていつも前向きな気持ちで仕事をしています。

ファンの方と会場でお話しする際にいただく励ましの言葉からとても元気をもらうんですよね。

 

山口:今までにここまでファンサービスをやってらっしゃる社長を見たことないですね。

 

メイ社長:僕は出来るだけ東京以外にも足を運んでお客様に感謝の気持ちを直接伝えたいし、ファンの方の声を聞きたいと思っています。

イメージの問題もありますけど、直接ファンの方の声を聞きたいんですよ。まずは感謝の気持ちを伝えるということ、そして皆さまの思い出に貢献したいんですよ。ファンの方にとってはもちろん、試合を観て、グッズを買ってというのが思い出作りですよね。

それに選手とサイン会・撮影会で交流をして、というのも思い出の一環ですね。でもそこにはいろいろな条件がありますよね。必ずしも自身が応援している選手に会えないとか、グッズを買わないと駄目だとか。でも僕の場合はいつでも写真が撮れるし。

感謝の気持ちとして『認定書』というステッカーもお渡しして、これも思い出の一つになると思ってるんですよね。その中で、生の声を聞きたいというのが経営者として大事なのかなと思います。

 

山口:東京以外にも足を運ばれているのは素晴らしいですね。

 

メイ社長:ありがとうございます。もう一つ思うのは、例えばですけど、炊飯器のようなモノを作っている企業とは違って、商品がプロレスそのものなんですよ。だから心理的要因が非常に大きく影響する業界だと思っています。

面白いと多くの方に思われれば面白いし追い風にもなる。反対につまらない、流行ってないと思われれば売り上げは下がります。だからこそプロレスはマーケティング力が発揮できる挑戦の場所でもあり、非常に面白いと僕は思います。

 

 

【2020年1.4+1.5Wドーム大会に向けて】

 

山口:来年はイッテンヨン、イッテンゴとWドーム大会を開催するわけですが、今回は平日ではなく奇跡的に土日開催となります。なかなかない巡り合わせに勝負をかけたのかなと思いますが、現時点ではどのような展開をしようとお考えでしょうか。

 

メイ社長:おかげさまで、確かに新日本プロレスの人気は高まってきています。だからといっていきなり2倍のことはなかなかできませんよね。

でもコツコツとやっていたら、いつまでも飛躍的に大きく伸ばすことはできない。オリンピックイヤーの中で土日の東京ドームを取れて、しかも我々の勢いや試合の質も非常に高いですし、勝負をかけるならここだなと思いました。

 

山口:なるほど。でもこれは発表された瞬間、東京ドームがどよめきましたよね。

 

メイ社長:そうでしたね。まずはモニターにイッテンゴ後楽園とテロップが出て。そしたら画面がプツッと切れるんですよね。なんだなんだ、壊れたのか?って。そしたらイッテンヨン、イッテンゴのWドームのテロップが出て。

 

山口:私達も鳥肌が立ちましたね。今までの新日本プロレスの長い歴史の中でも初めてのことですもんね。

 

メイ社長:もちろん2連戦、3連戦というのはあっても東京ドームではなかったですからね。おかげさまでここまで来れました。

 

山口:でも1年後なので、まだまだ先の話ではありますが・・・

 

メイ社長:いやもう11ヶ月しかないですよ。

 

山口:なるほど(笑)。やっぱりそこはメイ社長ですね。

就任されてから9か月ほどになりますが、今までとビジネスの環境ががらっと変わったのではないかと思いますが、新日本プロレスのマーケティング力というのはやはりまだまだ足りないとお考えですか?

 

メイ社長:もちろん、伸びしろはまだまだたくさんあると思います。ひとつは、何度も言うようですが、新しいファン層を取り入れること。特に子供さんですね、子供さんにもっと観て欲しい。僕も子供の頃に観て、憧れて入った世界ですので。

若い世代の方にも魅力を感じて欲しいというのがひとつです。もうひとつ非常に大きいのが、新日本プロレスというコンテンツが海外に通用するコンテンツだということ。

プロレスは日本だけのものではありませんが、新日本プロレスは日本のコンテンツとして、海外にも通用すると思ってるんですよ、僕は。

日本が輸出できるコンテンツには、アニメなどがあるかもしれませんが、スポーツコンテンツとしてプロレスというものには大きな可能性があると感じています。例えば野球は日本ではすごく人気ですが、世界から見れば野球をやっているのは7カ国くらいなんですよね。

日本ではすごいけど、世界で言うとやっている国のほうが珍しいくらいなんです。でもプロレスは逆にやっていない国を探す方が難しいくらいです。

そのプロレスで世界から見たら第二位の団体なので、ある意味コンテンツの輸出として海外にアピールできるのではないかなと。まあこれから様々なマーケティングをしていかなくてはいけないし、ブランド力もあげなくてはいけない。

先ほどの入口の話と同様、認知度もです。

(インタビュアー:山口義徳)

<こちらも合わせてご覧下さい!>

<第1弾>1.4ドーム、2019年の新日本プロレス戦略、海外展開について!

<第3弾>企業コラボやタイアップ、海外団体との差別化、座右の銘について!

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

◆プロレスTODAY(LINEで友達追加)
友だち追加

関連記事