【編集長コラム】「鉄檻に10カウントゴング」

FMW時代から、数々のデスマッチシーンを彩った由緒ある鉄檻が、大日本プロレス7・30後楽園ホール大会で「引退」した。

FMWから大日本プロレスが譲り受け、たくさんの選手の、まさに血と汗と涙がしみ込んだ鉄檻を「ヤンキー二丁拳銃」宮本裕向と木高イサミが破壊。華々しく散った鉄檻に、追悼の10カウントが鳴らされた。

宮本は「50試合以上、この鉄檻とともに戦った。天井をなかなか持ち上げられなくて、改めて頑丈な作りであることを思い知らされた。鉄檻をいつも組み立ててくれていた人たちにも、お礼を言いたいです」と“戦友”への思いを明かした。

新しい鉄檻を現在、製作中で宮本や木高も、色々とアイデアを出しているという。「年末には完成するらしいです。もちろん初披露の時には、我々が参戦したい」と、声をそろえた。

ヤンキー二丁拳銃が大日本プロレスBJWタッグ王座を初戴冠した時も、鉄檻がリング上にあったという。人それぞれ、選手それぞれ、鉄檻への思い、各人の名勝負が頭をよぎったことだろう。

古来、日本には「物にも魂が宿る」という考え方があり、針を豆腐やこんにゃくに刺して供養する伝統行事「針供養」や「人形供養」などが行われている。

身近なところでも、ある友人は調子の悪くなったパソコンを、きれに拭いてやさしく撫で「もうちょっと頑張って」と声をかけたら、正常に作動するようになったという。別の知人は、新しい靴をおろす時「楽しいところに連れて行ってね」と、ささやいたところ、以来その靴を履くと、何故か幸運が続き「ラッキーアイテムになった」と大事にしている。

非科学的と笑われてしまうかも知れない。ただ、世の中には科学だけでは説明のつかないことも多々ある。

道場での練習中「何かリングの調子が悪いな。ダメだな、こりゃと、ロープに飛んだ瞬間、セカンドロープが切れた」と、新日本プロレスの「鬼軍曹」こと故・山本小鉄さんから聞いたこともある。

以来、感謝の気持ちを持って「ロープもマットもさらにきれいに拭くようになった」とも山本さんは語っていた。

長年、使われて来た鉄檻は役目を終え、静かに眠るだろうが、デスマッチアイテムは日々、多様化している。蛍光灯は当たり前。ガラスボード、コンクリブロックや竹串、鉄串、注射器、釣り針、カッターナイフ、塩…中でも「キラキラしてきれい」と、女性ファンの間で人気なのが、画鋲デスマッチだ。

今年1月に、大日本プロレスでゴングが鳴った「画鋲34万個デスマッチ」には、ファンが大量に画鋲を差し入れた。その際には「世間から画鋲が消えた」と言われた。

アマゾンでも楽天でも画鋲は売り切れ。文具店、100均の店からも画鋲が消えた。「画鋲、何で売れるんですかね? 普段はそんなに出るものじゃないんですけどね。」と、店員にいぶかしがられた。

後日、「画鋲、たくさん仕入れたんですけど、もう売れないですよ~」と、コボしていた…。

新しい鉄檻はどんなモノになるのだろうか? 超合金や形状記憶合金など、新素材のものなのか、古き良きスタンダードな鉄檻なのか。

そしてどのような激しいデスマッチが繰り広げられるのだろうか。今から楽しみだ。

【大日本】ラスト鉄檻蛍光灯タッグは壮絶なデスマッチに!後楽園ホールに「黄金の雨」が降る!

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