【覆面MANIA】ARASHIが「清水の舞台」で世界進出と地元貢献の誓い
覆面MANIA所属のARASHIは「清水の舞台」で知られる清水寺から活動のサポートを受けている。ARASHIは清水寺の所在地と同じ京都市東山区出身。地元ということもあり、子どものころから何度も参拝へ足を運んでいる馴染みの深い場所でもある。いつも、執事の大西英玄様からつねに良きアドバイスをいただいたいるという。この度、ARASHIが清水寺に訪問する日に合わせて筆者も同行し、そのめぐりあわせを尋ねてみた。
「彼のお父さんと、もともとご縁があったんですけど、お話させていただいてる中で、息子さんがいて、もう地元の地元でね。メキシコにプロレス留学してて、プロになってというお話を聞いて、お目にかかったのが初めてですね」(大西氏)
ARASHIは清水寺がサポートされるという話を聞いた時はどう思ったのだろうか。

※ARASHIは東北タッグ王座を持参。現在は覆面MANIAとみちのくプロレスを中心に活動。来年はメキシコ以外の国にも遠征を考えている。
「いやもう、すごくびっくりでした。だって、自分は地元がめっちゃ好きなんで。あ、もうこの東山区がすごい大好きなんですよ。出身の中学もすぐそこなんで、この辺はもう地元すぎるというか。だからもう本当に友達と清水寺さんにしょっちゅう来ていたんで、大西さんからお話いただいた時は、地元でそう言って応援してくださる方がいるっていうことができたのが、すごく嬉しかったです」
今回、ARASHIは自身が保持する東北タッグ王座を持参した。このベルトは11月2日、みちのくプロレス・岩手県営体育館大会における復帰戦にて獲得したプロレスラーになって初めてのベルトである。ベルトを持って参拝に訪れたのは、ARASHIからの活動報告であった。
12月12日、清水寺では、「2025年の漢字」として「熊」が発表された(22日まで清水寺本堂で展示)。「今年の漢字」は1995年からはじまり、今年で30年を迎える清水寺にとって冬の風物詩。大西氏は「今年の漢字」になぞって、こう語る。
「うちで言ったら『今年の漢字』ってありますね。『今年の漢字もそろそろの頃やな』みたいなところで、発表して、ご家族なり、所属なりのそれぞれのコミュニティでちょっと一年を振り返る話題のきっかけになると。『ああやったね、こうやったね。じゃあ来年以降、こんな年になったらいいよね』と。要するに、この出来事を点ではなくて、ビフォーアフターの線で捉えた時に初めて本当の味わいをなすというふうに思うんです。なので彼の場合、もちろんそのベルトを取れたというようなことはすごく喜ばしいことやと思うんですけど。当然そこに至るまで、保育園の頃からレスラーを志して、これまでの歩みがあって、もちろんケガも経たり、メキシコに留学したりとかいろいろあって。で、今このアフターの部分に入ってると思うんですけど。だから線で捕らえた時に、彼自身がその今、目の前に形があるものの方が、きっかけをくれると思うんでね。自分を振り返ったり、今後どういうレスラーでありたいかというようなことを考えることに対して。若い段階でこういう機会をわかりやすく得られたっていうことは、彼にとってすごくプラスじゃないかなと思いますね」
2022年8月、メキシコでデビューしたARASHIは、3年3カ月にして初の勲章となった。
ケガによる長期欠場など、焦る時期を経てようやくたどり着いた復帰戦で、ブランクを埋める実績をまずは残した。改めて初のベルト獲得について率直な心境を訊いてみた。
「ベルトを取るっていうのが目標やったっていうわけではなかったんですけど、プロレスラーになって、お客さんを盛り上げたいっていうのが一番だった中で、みちのくさんが声をかけていただいて出れるようになってから、結果を残したいなって強い思いが芽生えたっていうのはあります。メキシコで試合してる時はちっちゃいアリーナとかでトーナメントして優勝したとかはあったんですけど、日本で結果を残したのは本当に初めてだったので。あとはケガをしたあと、メキシコで一緒に練習してた仲間や試合してた相手とかがすごい結果を出してきたっていうのも、自分のスイッチが押されたきっかけであったというか。やっぱり、焦りもすごいあったし、復帰したらやるしかないなっていう気持ちしかなかったので、そういう意味では形に残ってよかったなって思います」
復帰からのベルト獲得。順調にも思えるようなここ最近の活動ぶりではあるが、ではこの先にARASHIが見据えるものは果たして何であろうか。
「プロレスを軸に世界を旅したいなっていう目標が、休んでる期間にできました。メキシコにはスペイン語とかも全く分からない状況で行ったんですけど、向こうの現地の人と関わる中で、プロレスを理由に言語やいろんなカルチャーを学べたりとかしたんで、次はこのベルトを持って、いろんな国に行きたいなっていう目標はあります。それと一方では、日本にいる時は、地元に貢献する活動とかもしてみたいなっていう思いはめちゃくちゃあります。自分はちっちゃい時にプロレスラーに夢を見させてもらった立場だったんで、次は地元の子たちに、自分をきっかけにプロレス知ってもらったりとか、地元にはプロレスラーがいるんだよっていうのも知ってもらったり、それをきっかけに会場に来てもらったりとかできたらいいなって思ってます」
ARASHIのその思いこそが、実は清水寺とつなぐ縁だった。大西氏はARASHIの言葉を聞いながら、サポートへ至った理由をこう明かした。

※ARASHIにとって、この清水寺は幼少期から何度も訪れた馴染みの地でもある。今後は地元への貢献を思い描く。右が清水寺・執事の大西英玄氏。
「人それぞれフィールドがありますし、スポットライトを浴びる有名な方だけが偉いということではもちろんないと思うんですけど。でも、彼がプロレスラーになる夢を実現して、日々精進を重ねてて、これから、また世界を渡り歩いて、いろんな人に喜びや、感動を届けたいというその思いの純度に我々は共感したというイメージやと思います。どっかのCMでありましたね。『信じられないことは信じることから始まる』みたいなね。今後、彼の活躍や、動向を見たり、いろんな方々が触れ合うことによって、彼から勇気もらえたりとか、影響を受けたりということもあると思うんで。僕的には、とか清水的には、彼が何をもって志を成し遂げるのか、というゴールはないかもしれませんけども、今後も引き続き、その心得のもと、自分が信じる道を淀みなく進んでくれたら、それだけで十分ちゃうかなと思います」
ARASHIの世界中を旅したい、そして地元に貢献したいという二つの思い。清水寺のサポートを受けながら、思いの通りに突き進んでいく。ARASHIにはそんな未来が待っている。
〈文・写真:泉井弘之介〉














