【上野勇希インタビュー】「身体が勝ち方を覚えた」KO-D無差別級王者・遠藤哲哉からタイトル奪取でさらなる進化を目指す

7.23(木祝)DDT後楽園ホール大会で団体の頂点、KO-D無差別級のベルトに挑戦する上野勇希。対戦する王者・遠藤哲哉やKO-Dへの思い、勝利した後の展望。そして、どの様にコンディションを整え、メンタルを鍛えているのか?その神髄に迫る為、大好きな「サウナ」、主役級の働きをした「ひらがなまっする」について語ってもらった。

ーー今日はDDTプロレスリング上野勇希選手にご登場いただきました、よろしくお願いします。

上野 よろしくお願いします。

■KO-D無差別級王者 遠藤哲哉に対する思い

ーーそれでは早速、7月23日KO-D無差別級選手権試合で、王者・遠藤哲哉選手に挑戦する事になりましたが現在、遠藤選手に対しての思いみたいなものはいかがですか。

上野 遠藤さんは自粛期間のDDTで一番踏ん張ってた男だと思います。あの中(無観客試合)で田中将斗選手からタイトルをもぎ取って。本人も言ってる通り本当に強いチャンピオンだし、田中さんに勝ったという自信というのがすごい見えて。遠藤さんが持ってる自信を超えたいというのが今一番思ってることですね。

ーー今回はハイフライヤー同士の対決でもあると思うので、互いの肉体美も含めて楽しみな対決です。食生活とかも結構気にかけてらっしゃるんですか。

上野 僕はそんなに気にしないです。

ーー僕なんかだったらやっぱり疲れたときにチョコレートが食べたくなっちゃうんですけど、甘いものとかはいかがですか?

上野 全然食べます!

ーーそうなんですね、ケーキとかも?

上野 ケーキも全然食べますけど、それを7日間全部というのはしないように。例えば普通のお酒もそうですけど飲みすぎないようにする。1週間に1回ガガッと飲んだら内臓的なダメージを考えて、残り6日間は飲まないようにするとか。

ーーやっぱりバランスをうまく整えてますね。

上野 過度な節制とかはしないです。

ーーなるほど。それでもこの身体になってるっていうのは凄いなと思いますけどね。

上野 トレーニングが好きすぎて、消費カロリーが大きいですね。僕は代謝も高くて。

ーーそれは昔、運動されてたっていう素地があるからですかね。

上野 そうですね。運動を止めてる期間が本当になくて、このコロナ自粛の時期が人生で一番身体を動かす事が少なかったんじゃないかなという感じです。家で運動はしてたんですけど、この僕の身体の素質というか体質的にも脂肪がつきづらいので。

ーー羨ましい(笑)

上野 筋肉はつきやすい方かなと思いますけど。極端に脂肪がつかないんで、無理なく筋肉量を増やせているかなと思います。

■DDTプロレスリングの頂点の証であるKO-D無差別級挑戦

ーー今回のタイトルマッチの前にタッグのタイトルマッチで遠藤選手から勝利を奪っていますがこの勢いを維持したまま、KO-D無差別級選手権に臨めるっていう、非常にいい流れになってるんじゃないかなと思うんですけど、実際タッグで当たったときと、シングルで挑むときってちょっと違うかなっていう印象ですか?

上野 いつでもどこでも挑戦権を使って遠藤さんのKO-D無差別級に初めて挑戦したんですけど強いなと思いました。KO-Dタッグで対戦した時も遠藤さんの強さは変わらなかったんですけど、直接勝てたことで身体が勝ち方を覚えたという喜びもあったし、本当に大きな自信になりました。

ーー王者である遠藤哲哉の強さっていうのは、どういう所でしょうか。

上野 自信ですね。

ーー自信ですか。

上野 それはいつでもどこでも挑戦権を使って挑戦した時に気づいて。それを自信というのか、風格というのか、人によって使う言葉は違うと思いますけど、自分にもその自信が必要だと思いました。

ーー確かに今回でいうとあの田中将斗に勝ってベルトを巻いたっていう、そこの重さというか、ベルトの重みはやっぱり感じてらっしゃるんじゃないかなと思うんですよ。

上野 遠藤さんは「田中将斗に勝った俺は強い」と言ってるじゃないですか。メチャクチャ強い田中選手に勝てたということが、自分のキャリアの一つになるというか、あの一戦で自信を持てて、進化したんだと思います。KO-Dタッグ戦で僕が勝って挑戦表明した時に、遠藤さんから『また恥かくぞ』って言われたんですけど、僕は一回目の挑戦で負けたことを全く恥だと思ってないんです。勝っても負けても常にポジティブなので。


©DDTプロレスリング

ーー特に秋山選手が参戦してきてから前回のインタビューでもお話伺ってますけど、やはり当たっていきたいというそういう思いがあると。

上野 前回の取材をしていただいた時よりその気持ちは強いです。僕はプロレスを見始めたのが2012年ぐらいなので、秋山さんのことを知るのは少し遅かったんですけど。試合を見てすごいなと感じました。みんな本当にいい影響を受けていると思います。自分も体感したいです。

ーーやっぱりそういう波及効果ってありますか。

上野 あります。プロレスラー同士、当たることで進化すると思うんです。今は遠藤さんと当たることで、進化できるものはあるんじゃないかなって思います。

■次代のエースとしての覚悟

ーーまた本題に戻りますが、遠藤選手に勝ったらDDTのいわば頂点ですよね。エースと呼ばれるような存在に近づくと思いますが、DDTを背負うっていう覚悟みたいなものは結構プレッシャーになるんじゃないかなと思うんですけど、その辺りはいかがですか。

上野 きっと僕がタイトルを持つことで『上野なんてチャンピオンの器じゃねえよ』と思う人は絶対いると思います。そういう人たちを見返すことが楽しみの一つというか、期待されることは素直に嬉しいし、『上野クソ』って思われても『もっと頑張ったるわ』と思えるんで。今の時点でエースになれるかどうかはわからないですけども、プレッシャーは悪い意味では全くないですね。

ーーそういうところがポジティブですごくいいですね。

上野 ひねくれてるんで(笑)。期待されると嬉しいし、お前は駄目だとか言われても、もっと頑張ろうと思うようにしてます。


©DDTプロレスリング

■ノーチラスのパートナー吉村直巳選手はどんな人?

ーーノーチラスで吉村さんと組んでいらっしゃいますが、基本的に毛色がやっぱり全然違うようなタッグだと思うんですね。毛色が違う人同士がくっついたタッグ、これ最初はどう思いました?

上野 吉村くんとはDDTの入門試験が同じ日で、2,3日違いで入団したところからスタートして。若干僕の方が先にデビューして、吉村くんのデビュー戦の相手もして、そこでボコボコにやられるわけなんですけど(笑)。でもやっぱりプロレスを、DDTを盛り上げよう、プロレスラーとして強くなろうという気持ちでスタートから横にいた人間なんで。DNAの時はナオミキングダムで吉村くんはブイブイ言わせてましたけど、根底はやっぱり近い部分もあるし、考え方とかもたぶん似ててやりやすいです。

ーー若手の頃から色々とお話とかされてたんですか?

上野 練習生の頃は僕も吉村くんも寮に住んでいたので、常に一緒でした。

ーー性格的にというか、吉村さんってどんな人なんですか?

上野 優しいですね。

ーー 優しいんですか。

上野 もうひたすら優しくて。

ーーパッと見た目怖いじゃないですか。でもすごい

上野 優しいですね。顔にも優しさが出てるというか、その優しさっていうのは親切とかだけではなくて、寛容で。

ーー寛容なんですか?

上野 はい。僕なんかは好き勝手にやってしまうんですけど、それも吉村くんが土台としてしっかり踏ん張ってくれているから、遊ぶことができるというか。

ーーそうなんですか。逆に自己分析で上野さんは自分の事どういうふうに思います?

上野 僕は…自分勝手だなと思います(笑)

ーー自分勝手なんですか(笑)

上野 そう思いますよ。伸び伸びとやってしまう。周りを見れないわけではないと思うんですけど、あえて周りを見ないというか、特に吉村くんといる時は『よろしく頼む』ぐらいの感じで(笑)

ーーでもそれはやっぱりいい形にはまっているという事ですよね。

上野 そうですね。

⇒次ページ(DDTサウナ部、ひらがなまっするでの活躍)

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