スターライト・キッド キッズじゃないキッズからヒール転向、困惑の一年を経て海外でベルト奪取!


写真提供:スターダム

 ヒールも完全に板についた。が、昨年はキッドにとって納得のいかない一年でもあった。スターダム全体としても、数々の問題が浮き彫りになった。

「体制が変わったりしてスターダムらしくないと言えばらしくない一年だった。なにか(目標が)定まってないような感じがしたし、選手が(リングに)集中しきれない環境にあったと思う。個人的にもなかなか思い通りにいかないし、気持ち的にもあせりが出てきて、ケガにつながった。なんでケガしたんだろうとか、いろいろ考えてしまう年だったな」

 一時期は十数名の負傷欠場者が出る異常事態。あいにく、キッドもその中の1人となってしまった。この事態もきっかけとなったか、スターダムから5選手が離脱。しかしキッドは、スターダムで闘っていくことを決意。大江戸隊からは一人の退団者も出なかった。

「自分も(退団を)考えないことはなかった。残るとしても、みんな何かしら考えたと思う。だけどいろいろ考えたときに、自分にはスターダムでまだまだやり残したことがある。こないだ(2・4大阪で)ワンダーのベルトが取れなかったばっかりだし、赤と白(のベルト)をまだ取ってないというのもある。やっぱり、団体の象徴である(シングルの)ベルトを取ってからでないとね。いずれはフリーになったり、退団してほかの団体に行くことがあるかもしれない。でも、いまじゃない。いまの私には、スターダムでやるべきことがまだまだあるから。具体的には白を今年中には巻かないとね。前回が(安納)サオリで4度目の挑戦だった。さすがにハイスピードの8度目より前には取らないと!」


写真:新井宏

 そして、現在のキッドには新たなる欲も沸いてきた。それは、海外での試合だ。このインタビュー後、すぐにキッドは渡米し、初めての海外マットを経験した。スターダムが4月4日にアメリカで試合をおこない、キッドも出場。そのうえ、7日にはスパーク女子のリングでビリー・スタークスを破ってタイトルを移動させたばかりの坂井澄江に挑戦、坂井を破り第4代スパーク女子世界王者になってみせたのである。

 渡米前には「いままで海外のベルトは視野になかったんだけど、これを機に視野に入れていければ」と話していたキッド。それが突然ベルトを手にし、4・12後楽園は王者としての凱旋試合。団体とともに、キッドの新章も始まりそうだ。


写真提供:スターダム

インタビュアー:新井宏

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