【我闘雲舞】さくらえみ、8年ぶり後楽園で“愛弟子”駿河メイと対決へ「挫折や苦しさを与えたい」
8月31日、我闘雲舞が8年ぶりに後楽園ホール大会を開催する。
現在はアメリカに拠点を置きAEWでも活躍する我闘雲舞・代表のさくらえみが、スーパーアジア選手権に臨む意気込みや、アメリカを拠点に活動する中での挑戦、さらには海外進出を目指す若手レスラーへのアドバイスについて語った。
愛弟子・駿河メイとの一騎打ちを前に、さくらは「今しかない特別な試合」とその決意を示し、我闘雲舞の新たな時代を予感させる大会への期待を寄せた。
■インタビュー前編
①8年ぶりの後楽園ホール大会への意気込み・大会の見どころ
ーーさくら選手が立ち上げた我闘雲舞が8年ぶりの後楽園ホール大会ということで現在の心境はいかがですか?
お待たせしました!というのが1番です。なんと最前列、今までで1番高い値段でチケットを出させていただいて。最前列の南の1番前なんて45秒で完売したんですね。
――すごい。
そのときに、「待たせてごめんね」という気持ちと「一緒につくるんだな」という気持ちになって。なので見に来ていただくというよりは、みんなでこの後楽園大会をつくろうねという気持ちで今やっています。
――ファンの皆さんにとっても待望の後楽園ホールになりましたね。
そうですね。
――8年ぶりの後楽園ホール開催、今回の決め手は何だったんですか?
いよいよ見つかりに行ったという。どうしてもどこから見たらいいのか、大会数が多すぎて、アーカイブがありすぎて、ガトムをどこから見たらいいか分からないという方がすごく、同じような質問をいただくので。この後楽園大会から私たちと一緒にまた始めよう、みたいな形です。なので「きっかけとして、みんな行くぞ」と。
――これから観る人にとっても今回の後楽園から見てねという感じですね。
はい。
――今、所属選手も10名。
後楽園で11人になります!誰か1人くらいは好きな人いるでしょうっていう。
――今大会、さくら選手から見どころというのは、簡潔に言うとどんなところでしょうか?
私たちの団体って、いわゆる抗争みたいなものがそんなになくて。「この人と試合したい。よし、やろう」みたいな感じで。「お前のプロレスなんか認めない」とか「世代闘争だ」みたいなのがこの大会は一切ないので。プロレス=流血とかギスギスしてるとか、相手をぶっ潰すというようなイメージをお持ちの方がもしいたら、そうじゃないプロレスもあるよということをここで見せたいなっていうのはあります。ガトムは、エンディングで全選手がもう一度出てくるので、自分の好きな選手の試合が終わっても最後まで楽しめるものになってるんじゃないかなって思います。
――コロナ禍を乗り越えられた秘訣みたいなのってどういったところですか?
もともとやりたいなと思っていたものが、逆にコロナ禍によって「あれ、これできたんだ」っていうことに気付きました。今まで私たちの会場は60人で満員だったので「世界で1番小さいプロレス会場」と言ってたんですけども、その60人の人に今日しかないプロレスを今日だけ見てもらうという1回制みたいなものをコンセプトにしてきました。初めて日本の人だけじゃなくて、同時に世界中の人たちと一緒に楽しめるこのYouTubeライブというのを始められて。気付かなかったんですよ、そもそも新しいプラットフォームでも何でもないのに、そういうことにずっと気付かなかったんですね。コロナ禍で気付いて、本来やりたかったものに手を伸ばすことができて、。、コロナ禍を乗り越えるというよりも、コロナ禍で伸ばせたという、ちょっと珍しい団体なのかなと思います。
――今、YouTubeをプラットフォームとして使用して周りからや海外からの反響なんかもあると思いますけど。そのあたりで実感としてどんな感じですか?
海外のお客様が7割くらいなので。
――7割ですか?すごい。
私たちのライブ配信のチャットはもうほぼ英語なので、一風変わった感じなのかなとは思います。
――対戦カードなんかも必ず英語表記してますもんね。
日本の方には英語が入ってるとちょっと敬遠されることもまだまだあって、その兼ね合いを考え続けた4年間でした。
――新しいプロレスとの触れ合い方というのを自分たちも発見したという感じなんですか?
チームをつくってライブストリーム配信ができるというのはもちろんわかっていたのですが、そういったものはお金がかかるからできないと思い込んでたんです。スマホ一つでできるじゃん、っていうのはびっくりしました。今もスマホで配信してるんですよ、私たち。なので新しいものに気付いたというか、もともとあったものに気付けたという感じがあります。
――そういう意味では、やっぱり新しいデバイスの進化であったりというところを上手く活用されてますよね。
ラッキーですね。お金はもういつもないので。
②自身の試合について
――そしてご自身の今度の試合では、駿河メイ選手との一騎打ちが決定しております。現在の心境はいかがでしょうか?
さくらえみっぽいと言われている選手なんですね。ポスト誰々の誰々に憧れていたので、そういうふうに言ってもらえるのはうれしいです。駿河メイっていわゆるプロレスラーっぽくはないじゃないですか。体も小さいし、いつもニコニコしていて悩みとかなさそうだし。そんな中で、私がやりたかった我闘雲舞ってここでまた変わっていくんだなって。駿河メイが6年やってくれて、ここで変わっていくんだなって。大きなターニングポイントになるんじゃないかなって思ってます。わくわくしますね。
――駿河メイ選手への思いというのは、どんな感じですか?もちろん愛弟子というところはあると思いますけど。
世界一かわいいですね。よく食べるところが。デビューしてから、こんなにも健やかに育ってくれたのはうれしいです。もちろんレスラーとしても。
――各団体ともいろいろな形で対戦して、一皮も二皮も剥けましたよね。
皆さんに優しくしていただきました。希月あおいさん、志田(光)さん、あと里村選手との「メイコメイ」コンビなんてのもありましたし。中西百重さんに触れさせていただいたり、南月たいようさんとも試合や練習をやらせていただいたり。駿河メイはなんとなく後押ししたくなる、少しずつ関わりたいなと思ってもらえる選手なのかなと思うと、うらやましいですね。みんなを素敵なとこにめいっぱい刺激を受けて駿河メイが出来てきたという感じなのかなって。
――赤井沙希選手とも。
赤井選手に出会ってから駿河メイのメイクへのこだわりなど、とても変わったんですよ。高梨さんとの繋がりから試合もさせていただいて。
――周りの皆さんから見ていても美意識というか、何かすごく変わったなというのは感じました?
メイクは大きく変わりました。練習して試合してだけでなく、練習して、自分を磨いて、試合してみたいな。ちゃんとその間が入りましたよね。
――頼もしい後進が本当に育ってきたなという感じですね。
はい。
――今回は8年ぶりの後楽園ホール大会を目前に控えて、各選手ってどんな感じなんでしょう?
毎日ポスターを貼りに行ってます。自分たちがプロレスに出会ったように、誰かもプロレスに出会ったら楽しくなるんじゃないかなとみんな思ってくれてるんじゃないかな。そんなきっかけに自分自身がなれたらいいなというのは新人の3人からトップの帯広まで、もちろん私もみんなです。。ただ私が今回、駿河メイに与えたいのは、挫折や苦しさです。こんな整った舞台で、手に入れられなかったという経験をしてほしい。
――すごい覚悟で今回の1戦に臨むというのは、すごく感じました。
駿河メイとの試合は最初で最後のつもりで。
――これは大きな発言ですね。でも今回はそれくらいの覚悟という。
そうなんですよ。まず私がベルトを持っているというこの状況が、アメリカでほとんど試合をしているので今後の可能性として低い。メイが持っていて私が挑戦じゃなくて、私が持っているんです。さらに8年ぶりというのは置いておいても、後楽園ホールのメインイベントでシングルマッチをやる、このシチュエーションが私とメイではもうつくれないんじゃないかなと思っています。もし1年に1回後楽園をやれる団体になったとしたらすぐに勢力図って変わってくると思うので、そう。今しかないですね。
――それくらいの思いが詰まったカードになったということですね。
はい。
――それにふさわしい相手にもなったという。
しかいないですね。駿河メイしか。