ロッシー小川社長が語る『マリーゴールド』の進化!王者たちが築く強力布陣「トップになる人間っていうのは私利私欲に溢れているんですよ」

女子プロレス団体「マリーゴールド」の旗揚げから約5ヶ月が経過し、団体を率いるロッシー小川社長が今後の展望について語った。5月に後楽園ホールで旗揚げした同団体は、7月に両国大会「Summer Destiny 2024」でWWEからイヨ・スカイの参戦を実現させ話題を呼び、また旗揚げメンバーだったジュリアの離脱も大きな波紋を呼んだ。

小川社長は、林下詩美が制したシングルリーグ戦『Dream✴STAR GP2024』や、Sareeeがワールド王者として君臨する現状に対する手応えを語るとともに、強力な外国人選手・ボジラの発掘や、来年1月の大田区大会に向けた新たな仕掛けについても意欲を示した。

そして現在話題となっているNetflixシリーズ『極悪女王』1980年代の女子プロレスシーンで圧倒的な存在感を示したダンプ松本のレスラー人生を描いたこの作品、当時の全日本女子プロレスに在籍した小川氏本人が視聴した率直な感想を聞いた。※全4回のロングインタビュー(インタビュアー:山口義徳/プロレスTODAY総監督)

第2弾ではマリーゴールドの各王者について語ってもらった。

第1弾:ロッシー小川社長が語る『マリーゴールド』結成から5ヶ月の軌跡!WWEからイヨ・スカイ参戦、ジュリア離脱の裏側、成長する若手の活躍と新たな挑戦

▼今回はロングインタビュー【第2弾】を公開

▼現在のマリーゴールド各王者について
・ワールド王者:Sareee
・ユナイテッド・ナショナル王者:青野未来
・ツインスター王者:MIRAI&桜井麻衣
・スーパーフライ級王者:翔月なつみ

――現在のマリーゴールド各王者についてのお話を伺いたいと思います。

▼ワールド王者:Sareee


©マリーゴールド

――まずはワールド王者 Sareee選手について。旗揚げからジュリア選手欠場の穴を埋めていったと言っても過言ではないSareee選手についてロッシーさんは今どんなふうに感じてますか?

Sareeeが最近ボジラとか高橋奈七永とやった試合ってSareeeが追い込まれてる試合なんですよ。でも普通にやってるときのSareeeは逆なんですよね。でも本来の姿は、あの体のちっちゃさで追い込まれながらも逆転しているところが彼女の本来の姿じゃないかなと思うんですよ。それは、この前のボジラ戦で見られたかなと。だから、なんか強がっているSareeeは本当のSareeeじゃないと思うんですよ。だって体がちっちゃいから。それでも負けないでやられてやられてっていうプロレス本来のそういうのはSareeeの中にあるんじゃないかなって思う。


©マリーゴールド

――前回のボジラとのタイトルマッチでは 猪木vsアンドレ戦を思い出した人も非常に多いと思うんですけど。

猪木、アンドレっていうか猪木、ハンセンとかじゃないですか?猪木、ベイダーとか。そういう強い相手とやるとSareeeの売りがもっと出るんじゃないかなと。それがSareeeの本来の姿だと思うんですよ。

―― マリーゴールドに参戦してもらって良かったんじゃないかなと非常に思うんですけど、その辺いかがですか?

そうですよね。だってチャンピオンなんですからね。

―― ロッシーさんからの信頼度も非常に高い?

信頼度っていうか、やっぱり彼女は並みのレスラーではないですよ。いろんなこと考えてるんですよ。

―― セルフプロデュースの能力も非常に高いと思います。

今はアントニオ猪木というのを描きながらやってるじゃないですか。アントニオ猪木とは全く違うんですけど、多分一つのキャッチコピーとしてそういうものがあるんじゃないですか。

―― WWEから帰ってきてからの自分のあり方みたいなものを考えていましたよね。

WWEは多分自分の思うことができなかったと思うんですよ。それはしょうがないですよ。組織の中で自分がこうしたいっていうのをやれるわけじゃないので、向こうがこうしてくれってことをやるわけなので、珍しいですよねそういう意味では、向こうに染まらなかったっていうか。

―― そうですね。

普通は向こうでどうやって生きていくかを考えながらやっていくので、それに向き合うように我慢してやるじゃないですか。それに向き合うように彼女はそれを捨てて日本にまた帰ってきたと。

―― Sareee選手の覚悟を感じました。

この見方が何とも言えないと思うんですよ。だからWWEでは成功してないんですよ。だから一番はWWE行ったんだから成功するのが一番の正義じゃないですか。

―― 確かに。

そういう意味ではイヨとかカイリの方が上なんですよ。ただ、もう発想を変えてWWEを辞めて日本に戻ったってことは、彼女のものがあったっていう。

―― Sareee選手の試合はファンの人の胸をすごく打ってると思います。

だからSareeeがチャンピオンとして、高橋奈七永とかそういうちょっと打撃が強い相手とやると彼女のもっと良さが出る。

―― なるほど。

やっぱり体が小さいから敵わないわけですよ。でも、それを跳ね返す力は彼女にあるからボジラ戦が評価されてるってのは、まさにそうじゃないですか。

―― そうですね、面白かったですね。

プロレスっぽいプロレスですよね。

 

▼ユナイテッド・ナショナル王者:青野未来


©マリーゴールド

―― 次は純白の王者ユナイテッドナショナル王者、青野未来選手。青野選手が純白の王者になるっていうのは驚いた部分もありましたが、MIRAI選手との戦いがなかなか決着つかず、そして最終的にはボジラから取ったっていう。

青野未来っていう選手の名前は知っていたんですけど、試合は観たことなかったんですよ。観たことないんですけど、アクトレスガールズでも彼女は常にいい位置にいた選手なんですよ。それがプロレスのフィールドに戻ってきてようやく彼女という存在をもっと広めたっていう、形を明らかにしたっていうところじゃないですか。

――  ロッシーさんは試合を実際観てみて、この選手はいけるなって思いました?

やっぱり人気があるんですよね。でも、あとは彼女ももっと強い選手とやってやられると違う引き出しが出てきますね。

―― なるほど。

だから隠してるものがある。出し切れていない。

―― 野崎戦もスリリングな展開でした。

野崎もあれだけ追い込まれたからそれが出て、もっと彼女を追い込む選手が出ないと彼女がもっとそれ以上の魅力を出せない。


©マリーゴールド

―― 身体能力も高く、蹴りも良いものを持っていますよね。

持ってるから強いだけのチャンピオンは駄目なんですよ。やっぱりそこには感動は生まれないので。強さの中にも弱さがないと、だから本当に強い人ってやると彼女のまだ見えてない部分が出てくるんじゃないですかね。

―― 今後は、そこの辺りがちょっと見どころになってくる感じでしょうか?

そうですね。ただまだ詩美とかやってないのかな?だからいろんな強い人とやらせたい。やっていかないと彼女はもっと良くならない。

―― なるほど。青野選手は真紅の王者Sareee選手との戦いを望んでますけども、その辺はいかがですか?

それは個人的な発言だから何とも言えないですけどね。

―― なるほど。

彼女もまだ発展途上ですよ。だってプロレスラーとしてちゃんとやり始めたばっかりじゃないですか。それは素質が元々あったので、それが開花してると。

―― マリーゴールドを引っ張っていくっていう覚悟は本人も色んなところで言ってますしね。

ただ、あんまり自分が自分がっていうタイプじゃないので、人を出し抜いてもっていうタイプじゃないんですよ全然。だから性格的にリーダーっていうタイプじゃないんだよな。

―― なるほど。プレーヤーっていう感じですかね。

そうですね。リーダーではないな。私利私欲があんまり見えない。

―― そうですか。

やっぱりリーダーになる人間とか引っ張ってくトップになる人間っていうのは私利私欲に溢れているんですよ。

―― ジュリア選手はすごかったですね。

うん、私利私欲の塊じゃないですか。そういう人がトップになるんですよ。


©マリーゴールド

―― ずっとギラついてましたね。

だから多分、青野未来はようやく今までいたところと違う環境、待遇になって、もっと頑張ればもっと良い待遇になるんじゃないかなって多分分かってきてると思うんですよ。

―― その辺りが気づいたところでこれから更に開花してくれたら嬉しいですね。

だから、自分たちもやっぱりどうしてもスターダムから来たっていう、一部の人間ですけど、スターダムと比べられるじゃないですか。自分たちも比べてしまうから多分ギャランティにしちゃって、自分は選手に支払うものはスターダムに負けたくないですもん。まあ、スターダムもベースは高いですけど、ここに来た選手は全員前の団体にいた時より良くなっていると思いますよ。

―― それは素晴らしいですね。そういう気概をお持ちだっていうのは、ロッシーさんのすごさですね。

やっぱり理想があるじゃないですか。当たり前ですけど、これだけで生計を立てて、これだけ成り立っていく。これは普通のスタートだと思うんですよ。でも、このスタートに達してないところがいっぱいあるので、自分は当たり前のことをやっているだけなんですよ。そこからもっとどんどんどんどん選手が潤ってきて良くなってくっていうのが理想なので、多分そこまでいってない選手がいっぱいいたんですよ。そしてこの団体に来てようやくちゃんとした生活ができてそういう扱いになってるみたいなところじゃないですかね。

―― なかなかそこの域にやっぱり達してない選手が本当に多いので。

でも、団体の長としてここに集まってくれた人には、それをしないといけないんじゃないですか。

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