【編集長インタビュー】「千のイラストを描いた男」坂井永年氏が作品への思いを語った
――描きやすい選手、描きにくい選手とか、ありますか?
坂井 調子の良い選手が描きやすいのも確かですが、今はどの選手もキャラクターが確立し、それぞれ皆さん、色があるので描きやすいですね。ただ、最近はコスチュームが豪華になったので大変です。少しはデフォルメするのですが、できるだけ忠実に描きたいので苦労しています。
――お好きな選手は?
坂井 現在の新日本では飯塚選手です。今の新日本のすごさを周りの方に説明するのに、飯塚選手の名前を出して「決してトップではないのに、完璧に仕上げている。あのパンプアップさせた飯塚選手の体が、今の新日本のすごさなんだ」と。飯塚選手が登場すると嬉しくなってしまいます。早くケガから復活してほしいですね。
――新日本プロレスへの愛が伝わってきます
坂井 各選手が私に「描いてください」光線を送ってきてくださる。若い頃の棚橋選手もそうでした。「メインイベンターになって私に描いてもらう」のが一つのステータスになっているみたいなんです。おこがましいですが、本当に嬉しいし、描きがいがあります。親しくなると、より描きやすくなりますね。
――各選手との親交も深いですね
坂井 KUSHIDA選手はファンのころ「闘魂ショップ」で私の絵のTシャツを買いまくってくれていたそうで、新日本に入団してから「私に描いてほしい」とあちこちでアピールしてくれたらしい。田口選手も「プロレスラーになる前から、私に憧れていた」と言ってくれた。SANADA選手はお兄さんがプロレスゲームをやっていて、そのパッケージが私のイラストだったんです。それを見て「プロレスラーになってしまいました」と話してくれました。最近、そういうお話を聞くことが増えて嬉しい限りです。
――レスラー、野球選手、スポーツ選手、芸能人…様々な方々をイラストに描いてらっしゃいますが、何人、何枚ほど?
坂井 う~ん、数えてないですが、かなりの数になります。これからも、プロレスラーの皆さんをレジェンド、現役のバリバリ、チャンピオン、若手選手…どんどん描いていきたいですね。
「千のイラストを描いた男」坂井永年氏。作品はもちろん、言葉の端々からプロレス愛があふれ出てくる。「坂井さんに描いてもらったら、一人前の証」。選手の思いは正しい。
(撮影:二瓶隆弘)
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