【スターダム】上谷沙弥が中野たむとの「敗者引退マッチ」制す!涙の別れに「私はお前のことが大好きだ」中野「たむの呪いを一生背負って生きるんだよ」

女子プロレス団体スターダムは4月27日、『ALL STAR GRAND QUEENDOM 2025』を横浜アリーナにて開催した。

『カードファイト!! ヴァンガード Divinez presents ALL STAR GRAND QUEENDOM 2025』
日時:2025年4月27日(日)
会場:神奈川・横浜アリーナ
観衆:7,503人

メインイベントではワールド王座戦「敗者引退特別ルール」マッチを実施し、王者・上谷沙弥が挑戦者・中野たむを下し、2度目の防衛に成功。

中野はこの試合をもって引退することとなった。


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運命を懸けた一戦は、開始直後から刺々しい空気に包まれた。

上谷は容赦なく攻め立て、場外では奈落式フランケンシュタイナーで中野を叩きつけると、チェーンを首に巻きつける危険な攻防を展開。


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中野も雪崩式バックドロップで応戦し、簡単には倒れない姿勢を見せた。


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試合が進むにつれ、2人の間に流れる感情の重みがリングを支配した。

中野は張り手を繰り返し、スタークラッシャーをも逆輸入する意地を見せたが、王者・上谷もまた譲らず、自らの手で中野の必殺技バイオレットスクリュードライバーを繰り出し反撃。

両者一歩も退かぬ攻防が続いた。


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決着は突然訪れた。カミゴェ式ビッグブーツを浴びた中野は肩を上げ、最後の力を振り絞ったが、上谷が放ったトワイライトドリームが突き刺さると、ついに3カウントが響いた。


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倒れた中野の右手は、上谷の両手をしっかりと握っていた。


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激闘を制した上谷はリング上で涙をこらえながら叫んだ。


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「中野たむのすべてを奪ったぞ! でも…なんか苦しいな。全部こうなったのお前のせいだからな。お前のせいで私はプロレスラーになった。お前のせいでケガもした。お前のせいで強くなった。お前のせいでお前を引退させることになった。全部、全部、全部お前のせいだからな!」

憎まれ口を叩きながらも、その言葉の裏に宿る深い想いは隠しきれなかった。続けて「でも今日、お前のすべてを奪って分かった。私はお前のことが大好きだ」と涙ながらに語り、「私にとってあんたは光り輝く一番星だよ」と感謝の気持ちを告げた。


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その思いを受け取った中野もまた、絞り出すように言葉を紡いだ。

「汚い顔…上谷さ、不器用すぎでしょ。でも、愛を忘れたわけじゃなかったんだね。こんな不器用で泣き虫でメイクもおかしい後輩のせいで大変な思いしたけど、たむはあなたがいたから、ここまで生きられた。全部をかけて戦えた。ごめんね。ありがとう」

そして最後に笑みを浮かべながら言った。


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「上谷、あなたはこれから中野たむの呪いを一生背負って生きるんだよ。ここにいるみんなもそう。全員たむのこと一生忘れちゃダメだからね」

レスラーとして歩んできた約8年の道のりの果てに、中野は静かにリングを去った。2016年、アクトレスガールズでデビューし、スターダムに移籍してからは団体の中心選手に成長。

ワンダー・オブ・スターダム王座、ワールド・オブ・スターダム王座の戴冠に至り、女子プロレス大賞も受賞。中野たむという存在は、確かに女子プロレス界に足跡を残した。


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試合後、肩を並べて花道を歩く2人の姿は、まさに戦友そのものだった。勝者と敗者という立場を超えた絆が、横浜アリーナの大観衆を静かに包み込み、涙と拍手が送られた。

リングに立つ理由も、夢を追い続けた意味も、互いを信じ合った日々も――すべてを賭けた一夜が、確かにそこにあった。


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