なつぽいが中野たむ引退でかわした言葉&盟友・安納サオリとの10周年へ!

【WEEKEND女子プロレス♯64】

 非情でいて、なんとも潔い幕切れだった。スターダム4・27横浜アリーナで、ワールド・オブ・スターダム王者・上谷沙弥に敗れた中野たむがルール通りに即引退。近年の女子プロレスでこれほど想像力を刺激したカードもないだろう。なんらかの形で両者ともラストマッチを免れるのではないかという予想(&期待?)もあるなかで、中野はある種の清々しささえも残してリングから去ってみせたのだ。「最初で最後だな」という上谷の言葉とともに、エンディングでは長い花道を一緒に退場し、姿を消した。「あらためての引退試合なし」「引退ロードなし」「引退セレモニーなし」「負けたら即引退。その瞬間、この世界から完全に消える」という中野自身が発した公約に加え、試合後のコメントを残すことさえしなかったのである。

 しかしながら、ステージ裏で待機していたコズミックエンジェルズのメンバーには最後の言葉を送る光景があった。なつぽい、安納サオリ、水森由菜、さくらあや、玖麗さやか。中野は動揺を隠せないメンバー、一人ひとりに感謝を伝えていく。このとき、盟友のひとりであるなつぽいとはどんな言葉をかわしていたのか。中野とともに芸能活動をおこなっていたメルティアも、この時点で解散となってしまったことになる。まずは、敗者引退マッチが決まったとき、なつぽいはどう思ったのか、聞いてみた。

「もちろん2人の関係性は知ってますし、お互いが熱くなってヒートアップしたのはわかるんです。だけど、どうして引退まで懸けるのか、私には理解できませんでしたね。たむちゃんにとってプロレスは人生だし、何をそこまでって。引退よりも前に何か(懸けるものが)あったとは思うんですよ。でも、そこがたむちゃんらしさでもあるんです。いきなり突拍子もないことするし、本当に極端。中野たむらしいと言えば、中野たむらしい。なので当日は、すべてではないけど、私も理解したつもりで迎えました。何を持ち出しても、何を言いだしても、どんなことをやり出しても、たむちゃんを見守ろうって。それがいままでの私たちでもあるんです。ひとりのときは見守るし、2人では突拍子もないこともしてきましたから。たむちゃんの決めたことに口出しすることもなかったので、(敗者引退試合を)止めることはなかったです」

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