アクトレスからプロレス継続の櫻井裕子waveリーグ戦で優勝し、上谷沙弥へのリベンジを狙う!

COLOR’S(カラーズ)の櫻井裕子は、プロレスをほとんど知らない状態でプロレスラーになるチャレンジを選択した。もともとアニメやゲームが好きで声優になりたいとの夢があり、大学に通いながらレッスンを受けていた。一度就職するもあきらめきれずに退職すると、専門学校で学ぶため愛媛から上京、声優の事務所が集まるオーディションに参加した。
「事務所の練習生みたいな感じでレッスンを受けられるようになりまして、(レッスンの一環として)同期の子たちと舞台に出るようになったんですね」
人前に立つことで、声優としての演技に活かしていく。その舞台活動によって、彼女はあるきっかけをつかむこととなる。それが、まさかのプロレスだった。
「事務所の社長とアクトレスガールズの代表が知り合いで、アクトレスの方から声優出身でひとりかふたりほしいという話になったみたいなんです。モデルや舞台女優はいるけど、声優はまだいないらしくて、いろんなジャンルから集めたかったようです」
それはすなわち、芸能活動とプロレスを兼業できる人材の発掘。そこで最初にアクトレス側の目についたのが、櫻井と同期の入江彩乃だった。
「応援されそうなタイプだからということで、彼女が先に決まったんですよ。そこからもうひとりいないかなという話になり、彩乃が代表から『オマエが選んで連れてきていいよ』みたいなことを言われたらしいんですね。そのとき、彼女と一番仲がよかったのが私で、『私は裕子がいれば頑張れると思うからお願い、一緒に来てほしい』と言われたんです。私って昔からわりとイエスマンというか、どうしても無理っていうこと以外、だいたいいいよって言っちゃうんです(笑)。それで、2人でアクトレスに参加することにしました」
意外にも軽いノリで決めてしまったようだが、やることはプロレスだ。そう簡単に、気軽にできるものではないだろう。
「そうですよね。でも私って、よくも悪くも平凡で目立ったところがないんですよ。なので、とにかくこれってチャンスかもしれないと思ったんです。ある程度ファンがつけば仕事ももらいやすくなるので、彩乃は事務所からもファン獲得のために行ってほしいと言われていて。言い方はよくないけど、『オマエらもスターになれるかもしれないぞ』って、口車に乗せられた感じもあるんですよね(苦笑)」
「写真:本人提供」
練習参加にあたり、彼女たちは初めてプロレスを観戦した。それが、初期メンバーが中心のアクトレスガールズだった。
「(安納)サオリさん、なつぽいさん、(本間)多恵さんたちがちょうどメインを張っているところで、ものすごくキラキラ輝いて素敵だなって思いました。たとえやられていても、その姿さえカッコいい。できるかどうかわからないし、成功できるかは自分しだいだと言われてもいたけど、私にだってチャンスがあるかもしれない。だったらやらないよりやった方がいいんじゃないかなと思い、プロレスをやることに決めたんです。実際に練習に参加してからも、頑張ろうと思えました。べつにそれほど運動神経もいい方じゃなく、他人より進みが遅かったとは思います。それでも練習を繰り返してできないことができるようになっていくのが楽しかったんですよね」
そして迎えた2018年11月5日の後楽園ホール。この大会はアクトレスガールズにとって初の聖地進出で、その記念すべき日に新人が一挙デビューを果たした。そのなかのひとりが櫻井で、同期の林亜佑美、松井珠紗と同じリングに立った。試合は堀田祐美子を加えた4WAYマッチだったが、これは事実上の1対3ハンディキャップマッチである。
「あのときは堀田さんのすごさをいまいちわかっていない状態で、デカいし何もきかない。まったく歯が立ちませんでした(苦笑)」