GLEATを完全制圧した中嶋勝彦 「XXスタイル」への熱い想いは変わらず

【柴田惣一のプロレス現在過去未来】

GLEATのG―REX、LIDET UWF2冠王に君臨する中嶋勝彦が「XXスタイル」への熱い想いを改めて訴えた。

中嶋は上陸一年にしてGLEATを完全制覇したことで「俺がルールだ」と断言。その眼差しはまっすぐ前を見据える。2大王座を独占した上に7・13大阪大会ではGLEATの象徴・CIMAをノーザンライトボムで撃破した。そして「いくぞ、1、2、3…」の中嶋のマイクに観客席が「ダー!」で呼応。エンディングを飾った。

決戦前の「過去のGLEATと新たなGLEAT の闘い。俺が勝ったら、中嶋勝彦のGLEATが始まる」との予告通りの勝利を飾った。「これまでは面白おかしく、楽しくやっていたらよかったんだろう。でも、これからは自分の力で勝ち取って生き残る時代。目を覚ませ」とGLEAT勢に檄を飛ばした。

ファンにも「これからのGLEATに注目してほしい。見逃したら後悔する」という。GLEAT改革に乗り出す決意表明である。

その核になるのがXXスタイルの推進となる。XXの下にはもちろん「闘魂」の二文字が浮かび上がる。偉大な後援者だった新間寿氏は亡くなったが、天国から変わらぬサポートをしてくれるはず。葬儀に参列し、ご霊前にお礼を述べ、そしてさらなる飛躍を誓った。

ただし新間氏の死去によって、風当りはますます強くなるだろう。中嶋も様々な批判の声があるのは百も承知だ。「色々と言われているようだ。直接アドバイスをしてくれる人もいる。だけど黒幕なんていないし、俺は俺を貫くしかない」。寄り道している時間なんてない。一直線に突き進むのみ。

「猪木さんへのリスペクトに微塵も揺らぎはない。僕の血と肉には猪木さんの教えがしみ込んでいる」とキッパリ。

小学5年生のときに四角いジャングルに足を踏み入れる事を選んだ。前田日明への弟子入りはリングスの崩壊で流れてしまったが、長州力のWJでデビューを果たした。

その後も藤波辰爾、藤原喜明、獣神サンダーライガー、蝶野正洋、武藤敬司、佐々木健介…猪木の教えを受けた闘魂戦士たちと闘い、組み、考えを学んできた。その中で猪木の凄さ、偉大さを心と体で感じて来た。

団体に所属している時期は、なかなか他団体の創設者である猪木をリスペクトしていると言い出しにくかった。だが、今はフリー。誰に遠慮なく、猪木リスペクトを表明できる。

「猪木さんの歴史、考え方を広げていく」と闘魂伝承を使命と捉えている。猪木を知る先輩たちと絡んできたことで、体に刻み込まれた闘魂を後世に伝えていくのだ。

プロレスは闘い。痛みを伝える。現在のプロレスを否定するつもりはないが「闘いを知らない人たちがプロレスラーを名乗るにはいかがなものか」と指摘する。殺気みなぎる闘いを追求していく。

GLEATを主戦場としているが「フリー」である。「裸一貫。バカになって、すべてを受け止め、さらけ出すしか生き残れない」と自分への戒めも忘れない。

先日、力道山夫人の田中敬子さんと会う機会に恵まれた。猪木の師である力道山の話を伺い貴重な時間を過ごし「闘魂」の奥深さに触れた。

猪木は力道山が色紙に書いていた「闘魂」を受け継ぐことを敬子夫人に申し出た。了承した敬子夫人は「力道山の想いを大切にしてください」と猪木にお願いしたという。

力道山、猪木と日本プロレス界に受け継がれていく「闘魂」への思い入れが、ますます強くなった。中嶋の全身に「闘魂」が注入され燃え盛る。

「批判も覚悟の上。だが、誰が何と言おうと俺は俺を貫く」と鋭い眼差しでキッパリ。

7月25日(金)のトークイベント「中嶋勝彦を公開処刑?!~懺悔から再起動への軌跡~」(東京・秋葉原ハンドレッド2)には、敬子夫人も参加してくれる。「どんな教えを授けてくださるか、俺自身が楽しみにしている」と目を輝かせる。

37歳にしてキャリア22年目のベテラン。丸くなるどころか、さらにギラギラしている。今こそ中嶋勝彦を刮目する時かもしれない。(敬称略)

Pages 1 2

◆プロレスTODAY(LINEで友達追加)
友だち追加