『闘魂よ、永遠なれ!』 アントニオ猪木が遺した燃える遺伝子と無限の格闘ロマン

リングの肖像〜時代を変えたレスラーたち〜『レジェンド日本人レスラー列伝

太陽は、決して沈むことはなかった。

“燃える闘魂”アントニオ猪木。その魂は、今もなおプロレス界、いや、この日本のど真ん中で、赤々と燃え続けている。

その生涯をかけて我々に問い続けたもの。それは、単なるプロレスの勝敗を超えた、人間の生き様そのものであった。

「この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 踏み出せばその一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ」 

このあまりにも有名な言葉こそ、アントニオ猪木の人生そのものを表している。逆境を恐れず、常に前へ、前へと歩み続けた挑戦者の詩である。

その足跡は、我々が生きるこの現代において、一つの巨大な道標として、燦然と輝き続けている。

【闘魂、その光と熱】

そもそも、猪木が叫び続けた「闘魂」とは一体何だったのか。

それは、単なる精神論や根性論などという安っぽい言葉で語れるものではない。

それは、「いつ何時、誰の挑戦でも受ける」という、トップレスラーとしての揺るぎない覚悟。

それは、“大巨人”アンドレ・ザ・ジャイアントを投げ飛ばした「風車の理論」に象徴される、常識を覆すための逆転の発想力。

そして何よりも、理不尽に対する「怒り」を、凄まじいまでのエネルギーに転化させる、純度100パーセントの闘争本能の結晶であった。

その原点は、ブラジルのコーヒー農園での過酷な労働にまで遡る。

力道山に見出され、日本プロレスでジャイアント馬場の存在の影に甘んじた日々。

そして、全てのレスラーの理想郷を求め、茨の道と知りながらも「新日本プロレス」の旗を揚げたあの日。

その逆境の連続こそが、猪木の魂を鍛え上げ、ダイヤモンドのように硬く、マグマのように熱い「闘魂」を創り上げたのだ。

リングの上で見せた鬼気迫る表情、ナックルパートで額を叩き割り、延髄斬りで相手の意識を刈り取るあの姿。

それは、相手レスラーだけでなく、観る者すべての心を鷲掴みにし、理屈抜きの興奮と熱狂の渦へと巻き込む、最高の芸術であった。

猪木の試合は、ゴングが鳴る前から既に始まっていた。その入場シーンだけで、会場のボルテージは沸点に達していたのだから。

これぞ「ストロングスタイル」。強さこそが最大の魅力であり、猪木が身をもって証明し続けた無限の格闘ロマンなのである。

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