【新日本】『G1』AブロックはEVIL、フィンレー、辻がトーナメント進出!非情なる世代闘争、 灼熱の夏に見た光と影

灼熱の太陽が、レスラーたちの汗と野心を容赦なくリングに照りつける。日本の夏、プロレスの夏。その代名詞である“真夏の最強戦士決定戦”『G1 CLIMAX 35』は、今年もまた、我々の想像を遥かに超えるドラマと、非情なる現実を突きつけてきた。

8月10日、Gメッセ群馬。札止めの観衆が固唾を飲んで見守ったAブロック最終公式戦は、まさに新日本プロレスの「今」を凝縮した、壮絶なサバイバルレースの最終章であった。

そこにあったのは、ベテランの意地と、それを無慈悲に打ち砕く若き力の台頭。信じていた光が闇に飲み込まれる絶望と、混沌の中から生まれ出る新たな秩序。決勝トーナメントに進出する為の、わずか三つの椅子を巡り、男たちが繰り広げた、血で血を洗うような潰し合い。

これは単なるリーグ戦ではない。新時代の扉をこじ開けようとする者と、それを阻まんとする者たちが織りなす、魂の削り合いそのものであった。真夏に我々が目撃したのは、あまりにも残酷で、そして美しい、世代闘争の縮図だったのである。

【闇の支配者、EVIL。太陽の光を飲み込んだ、完全なる策略】

この日のセミファイナル。そのゴングが鳴る前から、会場には異様な空気が流れていた。Aブロック突破に王手をかけた“キング・オブ・ダークネス”EVIL。

その対角に立ったのは、100年に一人の逸材、棚橋弘至。新日本の太陽と、全てを闇に染めようとする男。その対決は、まさに光と影の最終戦争であった。

驚くべきことに、EVILはディック東郷とドン・ファレを帯同せず、たった一人で花道に現れた。その姿に、観客は一瞬の期待を抱いたかもしれない。「まさか、正々堂々と戦うのか?」と。

序盤、その期待に応えるかのように、二人はストロングスタイルを感じさせる、クリーンで重厚な攻防を繰り広げた。しかし、我々は知っているはずだ。

EVILという男が、そんな甘い幻想を抱かせるだけの、底の知れない悪であることを。

勝負の終盤、棚橋のハイフライフローが空を切った、その瞬間だった。まるで地獄の底から湧いて出たかのように、東郷とファレがリングサイドに姿を現したのだ。

その全てが、EVILの描いたシナリオ通りであったことを、我々は悟る。パウダー攻撃、3人がかりの蹂躙、そしてファレのグラネード。

もはや虫の息となった棚橋を、EVILは非情なる必殺技EVILで、奈落の底へと突き落とした。

この勝利により、EVILは勝ち点12の単独首位で、Aブロック突破を確定させた。しかし、その勝ち名乗りは、決して祝福されるべきものではない。

それは、光を完全に飲み込み、闇が支配を宣言した、戦慄の瞬間であった。棚橋の夏は、あまりにも無残に終わった。

だが、これもまたG1。非情なる現実こそが、このリーグ戦の真髄なのである。

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