【新日本】『G1』制覇を夢見た男達!後楽園で見た覚悟と未練、有明で最終決戦へ
真夏の熱気が、後楽園ホールをさらに沸騰させた。
8月14日、東京・後楽園ホール。G1 CLIMAX 35、決勝トーナメント進出を懸けたこの夜は、もはや単なる試合ではなかった。
それは、己のレスラー生命、未来、そして新日本プロレスそのものを背負う覚悟を問う、あまりにも過酷な真夏の天王山であった。
リングに散った者の涙、その屍を乗り越え、それでも前だけを見据える者の咆哮。
そして、頂点で待ち受ける者たちが剥き出しにした、修復不可能なほどの憎悪。
この日、後楽園のリングで我々が目撃したのは、G1 CLIMAXという名の魔物が牙を剥き、レスラーたちの魂を喰らい合う、壮絶なまでの生存競争そのものであった。
有明での最終決戦へ向け、役者は絞られた。しかし、その椅子に座るために流された汗と涙の量は、あまりにも重い。
【新世代の答え合わせ。辻陽太、ライバルに捧げた魂の叫び】

メインイベント、辻陽太と海野翔太。新日本の未来を担うと目される二人の若き獅子が、準決勝への最後の切符を懸けて激突した。
これは、単なる勝敗を決める試合ではなかった。新時代のエースとは何たるか、その答えを、互いの肉体をぶつけ合うことで探し求める、魂の問答であった。
30分に迫る死闘。海野が辻の弱点である膝を非情なまでに攻め立てれば、辻もまた、その巨体を躍動させ、パワーで応戦する。

気力と気力がぶつかり合う消耗戦の果て、最後に立っていたのは辻陽太であった。チャボ・ゲレロへの敬意を込めたゲレーロスペシャルからのジーンブラスター。
その勝利は、過去を背負い、未来を切り拓こうとする、辻の強い意志の表れであった。
しかし、この夜の真のハイライトは、ゴングが鳴った後に訪れた。マイクを握った辻は、まず、リングに倒れる最大のライバルへ、魂からの言葉を贈った。

「海野!Second Chapterだか、なんだか知らねえけど、オマエは、オマエの信じた道を歩け!そりゃさ、プロレスラーやってれば、いろんなこと言われるよ。人々は好きなレスラー、天秤にかけて、ああでもない、こうでもない。でも、覚えとけ。俺たちはな、みんな違うからおもしれえんだよ!それぞれ個性があるから、おもしれえもん、作れんだよ!海野、オマエは俺の前に立たなきゃいけない人間だ!またやろうぜ!」
そして、聖地のファンへ、自らの覚悟を叩きつけた。

「言ったとおりだ!俺は自分のやりかたで、自分の信じた道を歩く!自分を信じられないレスラーが、どこに、夢を叶えるっていうんだ!どこに、希望を見出せるっていうんだ!俺は!命を懸けて!このセルリアンブルーのリングに立ってるんだ!覚悟はいいか、覚悟はいいか、覚悟はいいかってな!そうやって、いつも自分を奮い立たせてるんだよ!この新日本プロレス、新時代になったかもしれない。でも、まだ時代は変わっちゃいない。覚悟はいいか?俺がこの新日本プロレスを、背負っていく!」
その覚悟は、リングを降りても揺るがなかった。
バックステージで辻は、この日の試合を裁いた海野の父、海野レフェリーについて、団体へ真摯な問題提起を行った。

「俺は海野レフェリーのレフェリング、大好きだ。アンタが新日本で一番のレフェリーだと思ってる。でもさ、息子の試合を裁くっていうのはどんなもんなのかな?もしこれが仮にタイトルマッチだったら、俺は少し受け入れらんねぇぜ。これはお前ら親子だけの問題じゃないかもしれないけど、新日本プロレスもしっかり検討すべき問題だ」
勝利に浮かれることなく、団体の未来を真剣に見据えるその姿。
辻陽太が、新時代のエースたる器であることを、自らの言葉と行動で証明した夜であった。














