【スターダム】『5★STAR GP 2025』で下剋上! 聖地・後楽園で王者が堕ち、新世代が牙を剥いた日
灼熱の太陽がアスファルトを焦がす8月20日、聖地・後楽園ホール。
そこで繰り広げられたのは、女子プロレス団体スターダム『5★STAR GP 2025』決勝トーナメントという名の、あまりにも過酷で、そして刺激的なサバイバルレースであった。
夏の女王を決めるこの闘いは、我々の安易な予想をことごとく裏切り、番狂わせと下剋上の嵐が吹き荒れる、壮絶なまでの戦場と化したのだ。
ワールド王者とIWGP女子王者。二人の絶対的なチャンピオンが、トーナメントの準々決勝で、その歩みを止められた。
その屍を乗り越え、ベスト4へと駒を進めたのは、いずれも虎視眈々と頂点を狙う、飢えた狼たちであった。これは、もはや単なるリーグ戦ではない。
スターダムの勢力図を根底から塗り替えようとする、新世代の革命の狼煙であった。
聖地のリングで我々が目撃したのは、プロレスというジャンルが持つ、非情なるまでの現実と、そこから生まれる新たなる時代の胎動だったのである。
【レッドスターズ、王者の落日。AZMと吏南、二つの反骨魂が燃え盛る】

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レッドスターズ、Aブロックを首位で駆け抜けたのは、現ワールド・オブ・スターダム王者、“Phenex Queen”上谷沙弥。
誰もが、その勢いのままに夏の頂点へと駆け上がる姿を信じて疑わなかっただろう。
しかし、その翼は、思わぬ伏兵によって無残にもへし折られることになる。

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準々決勝、相手はかつて同じユニットに属したAZM。
元盟友との対決は、互いの意地とプライドが激しくスパークする、魂の削り合いとなった。
最後は、上谷の必殺技を切り返したAZMが、電光石火のあずみ寿司で3カウントを奪取。
絶対王者が、トーナメントから姿を消した瞬間であった。

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試合後、上谷はこう語った。
「沙弥様は5★STAR GPには苦い思い出ばかり。今年こそ優勝してすべての思いを払拭したかったけど、負けてしまった。でも、沙弥様にはこの赤いベルトがあるし、まだまだこれからもスターダムに、プロレス界に史上最大の悪夢を見せてやる」
その強がりは、王者としての最後の矜持であった。
しかし、その傷心に追い打ちをかけるように、リーグ戦で唯一黒星を喫したビー・プレストリーが姿を現し、赤いベルトへの挑戦を要求。
王者の夏は、悪夢のまま終わることを許されなかった。

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その王者を破り、準決勝へと進んだAZMは、静かに、しかし熱くこう語った。
「上谷とはQQでいろいろあってから初のシングルマッチ。ずっとオマエと戦いたかったよ。上谷の気持ちは分からなかったけど、私が今年の5★STAR GP優勝して、オマエのベルトに挑戦して、じっくり話し合おうじゃねぇか」
その視線の先には、夏の栄光と、その先にある赤いベルトが、はっきりと捉えられていた。

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そして、もう一人。レッドスターズの準決勝に名を連ねたのは、18歳のピンク・デビル、吏南であった。
Bブロック1位のなつぽいを、必殺のハイドレンジアで締め落とし、ベスト4進出。
そのマイクは、スターダムの現状に対する、若き反骨魂の叫びであった。

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「ずっと気に食わなかったんだよ。5★STAR出れずに見てるだけで。タイトルも獲ってねぇ奴が簡単に出れる5★STARになってて、私は気に食わねぇんだよ。私は会社の犬になるつもりはない。イヤなことはイヤって言っていくし、やりたいことはやりたいって言ってく。それが18歳、私の生き様だ。私が優勝するから、オマエら見に来い!」
その言葉は、誰にも媚びず、己の生き様だけで頂点を掴み取ろうとする、恐るべき18歳の宣戦布告であった。
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