【2AW】リッキー・フジ、還暦を語る「ただの通過点。時代と融合しながら、俺のスタイルは変えない」

■謎の「地下プロレス」王座戦線と、腐れ縁のパートナー
――その還暦記念試合、パートナーは富豪2夢路選手、対戦相手は越中詩郎選手と吉田考志選手という顔ぶれになりました。
リッキー:富豪2夢路とは、もう、なんやかんやで腐れ縁というか。今、アイツと二人で、「地下プロレス」のタッグベルトを持ってるんですよ。
――地下プロレス、ですか?
リッキー:ええ。だから、ひょっとしたら、この試合も急遽、タイトルマッチになるかもしれない。この地下プロレスっていうのが、本部がフランスにあって、突然、無理難題な指令を出してくるんですよ。「この試合を、タイトルマッチにしろ」とかね。だから、当日になってみないと、どうなるか分からない。結構、怖いベルトを持っちゃってるんです。
――そのベルトは、いつ戴冠されたのですか?
リッキー:今年の4月に、地下プロレスの本部から「フィリピンに行け」って言われて。行ってみたら、タイトルマッチが組まれていて、そこでベルトを獲ったんです。そしたら、今度はすぐに「5月にオーストリアに行け」と。オーストリアで防衛戦をやって、今、日本にベルトがある状態ですね。

「写真:本人提供」
――まさに、ファンタジーの世界のような話ですが、実在するのですね。
リッキー:そう、実在するのが、怖いですよね(笑)。
――そのベルトを、富豪2夢路選手と共に保持している、と。
リッキー:ええ。まあ、そういう看板も背負っているので、変な試合はできないですね。
――対戦相手の越中詩郎選手は、大先輩になりますね。
リッキー:もう、先輩も大先輩ですよ。僕がまだ、ただのファンだった頃から、テレビで見ていた人ですからね。以前、「マスターズ(武藤敬司プロデュース)」に出させていただいた時、僕が一番の若手だったんですよ。キャリア30年超えてる人間が、一番下っ端で、各控え室に「第1試合お先に失礼します!」って、頭を下げて回る。藤波さんや長州さんが、まだ現役バリバリの頃でしたから。すごかったですよ。でも、大先輩ですが、負けられないですね。

■2AWダブルタイトルマッチへの“リッキー節”全開解説
――今大会では、2AWの無差別級とタッグ、二つの王座戦も行われます。まず、若松大樹選手と吉野コータロー選手の無差別級選手権試合、こちらの見解はいかがですか?
リッキー:これはね、色々と、思うところがありますよ。まず、挑戦者の吉野。アイツは、僕を相手にデビューした人間なんでね。そういう縁もあります。そして、王者の若松大樹。アイツは、2AWにいながら、大日本プロレスさんにお世話になって、デスマッチをやったりもしている。だから、僕に言わせれば、アイツは“2AWの邪道”なんですよ。
――(笑)。なるほど、言い得て妙です。
リッキー:最近じゃ、結婚して子供ができて、「俺はパパだ!」なんて、変なアピールしてますけどね。「知らねえよ!」って話で(笑)。でもまあ、守るべきものができて、勢いは確かにある。対する吉野も、限定的な出場ですけど、出るたびに思うのは、アイツはものすごいコンディションを維持している、ということ。デビューした頃は、本当にどうしようもない身体でしたけど、いつの間にか、誰もが認める肉体を作り上げてきた。その努力は、すごいですよ。だから、この試合は、本当にどうなるか分からない。楽しみな一戦です。

©2AW
――そして、タッグ選手権試合。王者組の真霜拳號&最上九組に、笹村あやめ&佐藤光留組が挑むという、異色のカードです。
リッキー:面白いですよね。まず、挑戦者の笹村あやめ。彼女は、僕の弟子ではないですけど、すごく慕ってくれていて。僕も、彼女が他の女子団体に行く時なんかは、僕が知っている限りの、昭和のレジェンドたち…例えば、井上京子とか、下田美馬とか、あの辺の飲み仲間に、「うちの笹村が行くから、よろしくね」って、前もって連絡を入れたりしてるんです。
――まさに、父親のような心境ですね。
リッキー:彼女には、今の時代にはそぐわないかもしれないけど、「昭和のレスラーの生き様」というものを、教えているつもりです。「スポンサーさんに食事に誘われたら、出されたものは全部食え。腹いっぱいになっても食え。酒も飲め」と。以前に熊本チャリティ大会の打ち上げに、井上京子のお店に誘われて、翌日がTKPのビッグマッチだからって、悩んで相談してきたんですよ。だから、言ってやったんです。「TKPは13時開始だろ? 12時までに会場に入ればいいんだから、行ってこい!」って。そしたら、「分かりました! 行ってきます!」って、行きましたけどね(笑)。

©2AW
――(笑)。その笹村選手が、パートナーとして佐藤光留選手を選んだ。この采配については、いかがですか?
リッキー:いや、アイツは、すごいセンスだと思いますよ。面白いのは、多分、王者の真霜は、佐藤光留みたいなタイプ、苦手なんじゃないかな、と。
――と言いますと?
リッキー:真霜って、良くも悪くも、一本気なところがあるじゃないですか。正面からガツンと来る相手を、真正面から受け止めて叩き潰す、っていうスタイル。だから、佐藤光留みたいな、変幻自在で、つかみどころのない選手は、やりにくいんじゃないかな。そこを突いた、笹村のセンスは、大したものだと思いますよ。
――笹村選手は、女子選手として史上初の2AW無差別級王座戴冠も目標に掲げています。
リッキー:うちの団体に所属しているからには、そのくらいの目標を持つのは、当然だと思います。彼女なら、その可能性は、十分にあるんじゃないですかね。期待していますよ。
【後編】へ続く!

インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)















