【新日本】上村優也が4年8ヶ月の時を経て、Yuto-Iceとの“因縁”に非情なる終止符!タッグ王座獲りへ王手「俺が何回でもオマエの人生狂わせてやる!」
新日本プロレス10月6日の東京・後楽園ホール大会で行われたIWGPタッグ選手権試合の前哨戦シングル2番勝負の二戦目は、挑戦者組の上村優也が、王者組の一角Yuto-Iceを撃破。
パートナーである海野翔太の勝利に続く連勝。挑戦者組が王者組をシングル戦で2タテするという、これ以上ない形で、10.13両国国技館での決戦へ弾みをつけた。
しかし、その試合は、Iceのデビュー戦で起きたアクシデントに端を発する、4年8ヶ月越しの憎悪が爆発する、あまりにも危険な“喧嘩”であった。
その因縁は、2021年2月14日の後楽園ホールに遡る。当時、“中島佑斗”としてデビューしたIceの最初の相手は、上村であった。
しかし、その試合は開始わずか52秒、Iceが左肘を負傷し、レフェリーストップという無念の結末を迎えた。
その悪夢の記憶は、Iceの中で、上村への消えることのない憎悪として燃え盛っていた。

ゴングと同時に、プロレスの試合は始まったが、それはレスリングではなかった。
Iceが場外戦に引きずり込むと、テーブルを持ち出し、上村の頭部を叩きつけて穴を開けるという非情な攻撃。
その一撃一撃には、4年8ヶ月分の憎しみが込められていた。

しかし、その憎悪を、上村は全身で受け止めた。
Iceの猛攻を耐え抜くと、自らもヘッドバットやエルボーといった、感情むき出しの打撃で応戦。

終盤、Iceが「折ってみろ!」と挑発するように腕を差し出すと、上村はその腕をアームロックで捕獲。
最後は、因縁の左腕を破壊するかの如く締め上げ、完璧なギブアップ勝ちを奪い取った。

試合後、上村はバックステージで、その覚悟を叫んだ。
「僕の中で、やっと今日、“中島佑斗”が“Yuto-Ice”っていうレスラー、それが僕の中でやっと今日、刻まれました。アイツはもう中島じゃない。ただ、まだまだ。わかっただろう、あ?差があんだ。アイツがデビュー戦で『俺の人生が狂わされた』と言ってますけど、当時のお前が、今のオマエを見てもそう言えんのかい?本当に狂わされたと思ってるんだったら、俺が何回でもオマエの人生狂わせてやる!いつでもかかってこい!」

一方、敗れたIceもまた、その憎悪の炎をさらに燃え上がらせた。
「HEAT STORM、負けたヤツが何言ってもクソだな。これからもよぉ、テメーと俺だけができるプロレス、粋なケンカをしていこうか。サシではよぉ、負けたけどよぉ、(※IWGPタッグベルトを掲げて)チャンピオンシップ、俺とOSKARがテメーらの首、獲ってやるからよ」
前哨戦シングル2番勝負は、挑戦者組が2勝した。しかし、その結果以上に、両者の間には、もはや修復不可能な、深い溝が刻まれた。
10.13両国国技館で行われるIWGPタッグ選手権試合は、単なる王座戦ではない。
4年8ヶ月越しの憎悪が清算される、あまりにも個人的で、そして危険な“戦争”となる。
<写真提供:新日本プロレス>














