【スターダム】スターライト・キッド、憧れの井上京子には敗れるも、笑顔の感謝!豪華メンバーと“プロレスの祝宴”「10周年を大会として残せたことが、本当に幸せです」

女子プロレス団体スターダムの“夜空に踊るスカイ・タイガー”スターライト・キッドのデビュー10周年記念興行『SLK 10YEARS ANNIVERSARY キッちゃんファミリー危機一髪!?』が10月20日、東京・新宿FACEで超満員札止めの中で開催された。

メインイベントでは、キッドが新日本プロレスのエル・デスペラード、ドラゴンゲートのドラゴン・キッドと“キッちゃんファミリー”を結成。プロレスラーになるきっかけとなった憧れの存在であるワールド女子プロレス・ディアナの井上京子、そしてプロレスリングFREEDOMSの葛西純、新日本プロレスの鷹木信悟という、あまりにも危険なトリオと激突。

最後は、憧れの井上のパワーボムの前に沈み、記念試合を白星で飾ることはできなかったが、リング上には勝敗を超えた、幸福感と感謝の言葉が溢れた。


©STARDOM

この日のメインは、キッドの10年間の集大成であり、新たな門出を祝うにふさわしい、団体の垣根を越えた豪華な顔ぶれが集結した。

キッドにとって、井上京子はプロレスの原点。その京子と、デビュー10周年の節目に念願の対戦が実現した。


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ゴングが鳴ると、キッドは真っ先に、憧れの井上京子と対峙。ロックアップで組み合うも、京子は微動だにしない。

キッドがエルボーを連打して果敢に立ち向かっていくが、京子はそのすべてを受け止めると、強烈なモンゴリアンチョップ一発で若き王者の動きを止める。その姿は、まさに“壁”であった。


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試合は、団体の垣根も性別も超えた、この日限りの“お祭り”となった。

デスペラードと葛西がショルダータックルで意地を張り合えば、鷹木とドラゴン・キッドはハイスピードな攻防を展開。

キッちゃんファミリーも、ピラミッドポーズを決めるなど、即席チームとは思えない連携を見せる。


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しかし、戦いが進むにつれ、レジェンドたちの“手荒い祝福”がキッドを襲う。

京子の強烈なヒッププッシュがキッドとドラゴンをまとめてなぎ倒すと、場外戦では葛西が「キッちゃん、10周年おめでとう」と叫びながら、その額に噛みつくという非情な洗礼。

さらに鷹木もエルボードロップを投下し、キッドは防戦一方の展開を強いられた。


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それでも、主役は屈しない。鷹木にスイングDDTで反撃すると、リング上はさらなるカオスへと突入する。

デスペラードと葛西が「マネばっかしやがって」「マネじゃねえ」とリング上で口論を始めると、デスペラードが葛西から竹串を奪い取り、逆にその額に突き刺すという戦慄の報復合戦が勃発。


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終盤、キッドは再び憧れの京子と対峙。ラリアットで吹っ飛ばされると、京子は「ごめんね」と謝りながらも、非情なパワーボムの体勢へ。

これをこらえたキッドは、ドラゴンスクリュー、そしてその場飛びムーンサルトプレスで、京子の膝へ一点集中攻撃。活路を見出す。


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20分過ぎ、キッちゃんファミリーが最後の猛攻を仕掛ける。キッドが場外へプランチャで飛ぶと、リング上ではキッドとドラゴンのダブル619が京子に炸裂。

デスペラードのバックドロップから、最後はキッドが「終わりだ!」と叫び、ムーンサルトプレスを投下。しかし、これは京子がカウント2でキックアウト。

キッドは必殺の黒虎脚殺で京子を捕獲し、ギブアップを迫るが、これもロープへと逃れられた。


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その瞬間、レジェンドたちが牙を剥く。鷹木と葛西のラリアット、そして京子のラリアットがキッドに炸裂。

さらに、鷹木のデスバレーボム、葛西のパールハーバースプラッシュ、そしてとどめは、憧れの井上京子によるハイアングルパワーボム。

この必殺技のフルコースの前に、キッドはマットに沈んだ。


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しかし、その表情に悲壮感はなかった。試合後、マイクを握ったレジェンドたちから、次々と祝福の言葉が送られた。


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葛西「キッちゃん、10周年おめでとう。まさか、アンタとは一番対極にいるこのレスラーを呼んでくれるなんて、夢にも思わなかったよ。ただ、水と油だからまじわっておもしろいところがある。来年も、また呼んでくれよ」


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鷹木「あらためまして、スターダムのリングに鷹木信悟が来た来た来たー!おチビちゃん。本名はぁ…言っちゃダメだなあ。まあとにかく、オファーをくれてありがとう。そして、10周年おめでとう。次があればオレとのシングルマッチあるんじゃないかあ?おい、ドラゴンのおじさん、アンタも相変わらず元気だねえ」

ドラゴン「アンタに言われたくないわ、おじさんって」

鷹木「確かにオレもおじさんだ。石森とやるのもいいけど、オレとのシングルもいつか実現してくれよ」

京子「キッちゃん、プロレスラーになってくれて、ありがと。10年前じゃ考えられないね。闘えるなんて思ってなかったね。私、37年やってるけど、こんな刺激的なカード組んでもらって、ホントにありがとう。これからも元気でファンの人、喜ばせてね。おめでとう」


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最後に、マイクを握ったキッドは、満面の笑みで感謝の想いを語った。

キッド「ありがとうございます。マスクとコスチュームまで今日のために作ってきていただいて、ホントにうれしいです。妹は、大喜びです!京子さん、鷹木さん、葛西さん、本当にありがとうございました。そして、お兄ちゃんたち、グダグダだけど、これが私たちのファミリーらしさで、お姉さんもセコンドついてくださって、またキッちゃんファミリーやりたいです。ありがとうございます。最後フルコース食らってボロボロなんですけど、今日は完売、全席完売でこんなにたくさんのご来場本当にありがとうございます!うれしいです。私ってホントに物事が続かないタイプなんですけど、こうしてプロレスを10年間続けられてるって、私にとってはホントにすごいことなんですよ。前の私じゃ考えられないくらい、ホントにすごいことで。でも、こうして10年間プロレスを続けられていられるのは、どんなときでも応援してくださるファンのみなさん、そしてスターダムのみんな、選手、スタッフ、関係者のみなさん、そして家族が支えてくれるおかげです。本当にありがとうございます。そしてね、今日のためにたくさんたくさん準備してくださった岡田社長をはじめ、スタッフのみなさんホントにありがとうございます!わがまま沢山汲んでもらいました。そのおかげでこんなにたくさんのお客さんに集まっていただいて、大成功と言っていいんじゃないかなって…負けちゃったけど。幸せですよ、こんなに最後フルコースいただけるなんて。負けてうれしいって思うことって回数少ないですけど、今日はそのうちのひとつに入る負けです。はあ。まあ私は、まだまだここのリング上で闘っていきますけど、デビュー10周年をこうして大会として残せたことが、本当に幸せです。ここの空間にいるみんな、そしてYouTubeを見てくれてるみんな、みんなの記憶に残る大会になってくれていたらうれしいなって、心から思ってます。11年目も、スターライト・キッドの応援をよろしくお願いします。ということで、今日は最高の空間をありがとうございました。グッバーイ!」

敗北すらも“幸せ”と語ったキッド。

その言葉は、憧れの存在に全力でぶつかり、そして、最高の仲間たちに囲まれて10周年という節目を迎えられたことへの、偽らざる本心であった。

ワンダー・オブ・スターダム王者として、そしてスターダムの中心選手として、スターライト・キッドの物語は、ここからさらに輝きを増していく。

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