【スターダム】H.A.T.E.、ゴッデス王座V2!刀羅ナツコ「ウチらを超えるタッグチームはいない」とタッグリーグ制覇も予告!
女子プロレス団体スターダム10月27日の東京・後楽園ホール大会で、ゴッデス・オブ・スターダム選手権試合が行われた。
王者組の刀羅ナツコ&琉悪夏(H.A.T.E.)が、挑戦者組の山下りな&青木いつ希(ミ・ヴィダ・ロカ)を、H.A.T.E.総出の非情な介入の末に破り、2度目の防衛に成功した。
しかし、試合後には勝者と敗者が互いを「おもしれえ」「楽しかった」と認め合う異例の展開に。王座を巡る抗争は、新たな熱を帯びて継続することが決定的となった。

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この一戦は、スターダムの“極悪”H.A.T.E.と、“自由な魂”ミ・ヴィダ・ロカによる、ユニットの威信を懸けたタッグ頂上決戦であった。
挑戦者組の青木が「よろしくお願いしまーす!」とクリーンな握手を求めると、王者ナツコはこれに応じるフリをして奇襲攻撃。
ゴングと同時に、試合はH.A.T.E.の土俵である、荒れた場外戦へと突入した。

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H.A.T.E.は、セコンドも加わり挑戦者組を圧倒。
「キャッチボールしようぜ!」と、青木をヘアーホイップで投げ飛ばし、顔面を踏みつけるなど、非情な攻撃で序盤のペースを完全に掌握した。

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しかし、ミ・ヴィダ・ロカも黙ってはいない。山下がリングインすると、ナツコと琉悪夏をまとめてなぎ倒し、ナツコとの壮絶なラリアット合戦を展開。
青木も強烈なラリアットや大外刈りで王者を追い詰めるなど、一進一退の攻防が続いた。

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だが、この日のH.A.T.E.は、ベルトを守るためになりふり構わなかった。
15分過ぎ、山下&青木の合体ブレーンバスターがH.A.T.E.に炸裂し、青木がナツコにジャーマンスープレックスを叩きつけた、その時であった。

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H.A.T.E.のセコンドである渡辺桃が、レフェリーの死角を突き、バットで青木を殴打。
さらに、青木がフロッグスプラッシュで勝負を決めにいった瞬間、吏南がレフェリーの足を場外から引きずり下ろし、カウントを妨害する。

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リングが無法地帯と化す中、最後はナツコがボックスで青木の頭部を殴打。
琉悪夏のジャーマン・スープレックスから、とどめのスワントーンボムを完璧に決め、H.A.T.E.がその悪の連携で、挑戦者組をマットに沈めた。
非情なまでの介入劇で勝利を強奪したH.A.T.E.。しかし、試合後にナツコが口にしたのは、意外な言葉であった。 「おい後楽園!スターダムにはよ、いろんなタッグがいるよ。(中略)闘っててこんなにおもしれえと思ったのは、オマエらが初めてだよ!私、優しいから、一言、言わせてあげる」
その言葉を受け、敗れた青木も、大の字のまま、その闘志を剥き出しにした。 「おい、下から失礼するぜ。おい、すげえ、ムカつく。そのベルトよお、やっぱ闘ってみてわかったけど、ウチらやっぱ似合うと思からさあ、オマエらよお、今日すげえムカつくけど、楽しかったからよお、また挑戦してやってもいいぜ」
パートナーの山下も、「いつ希!今日はウチらの負けだ。でもな、楽しかったことは間違いねえ。そのベルト何度だって挑戦してやる。そして、ベルトなくたって、オマエらと何度だって闘ってやるよ」と、再戦を熱望した。
挑戦者組の不遜な態度に対し、ナツコは「正直もうスターダムには、このウチらBMI2000を超えるタッグチームはいないと思ってる」と、王者としての貫禄を見せつけ、11月から始まるタッグリーグ制覇を宣言した。

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■王者H.A.T.E.「ちっぽけな言葉じゃない信頼関係」
まず、防衛を果たした王者組。琉悪夏が「防衛したぞー!」と雄叫びを上げると、ナツコは、挑戦者組との“差”は、その絆の深さにあると断言した。 「正直、タッグやって思ったけど、ひとりじゃ勝てねえよ。琉悪夏がいたから今日の防衛戦だって勝った。べつに仲間とかどうかとかじゃなくて、ウチらには、そんなちっぽけな言葉じゃない信頼関係もある。ずっと一緒にやってきたっていうのもあるんだよ。最近できた形だけのうるせえヤツらは、もう少し、スターダムのリングの上で頑張ったら、もうちょっとは追いつめられるんじゃない?それでもウチらが勝つけどな」 その言葉は、H.A.T.E.というユニットが、単なる“悪”で繋がっているのではない、強固な信頼関係に基づいているという、王者としての自負であった。

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■敗者ミ・ヴィダ・ロカ「H.A.T.E.だけじゃねえ。全員がウチらのターゲットだ」
一方、H.A.T.E.の非道な介入の前に、ベルト獲りを阻まれたミ・ヴィダ・ロカ。しかし、その闘志は、この敗北によって消えるどころか、さらに激しく燃え上がっていた。
バックステージに現れると、この日セコンドについていた鈴季すずが、「こんな状況なのに、ありがとう、いつ希!熱い女すぎる!いつ希!」と、死闘を繰り広げた仲間を称える。 その言葉を受け、リーダー格の山下りなは、この敗北を、次なる“戦争”の始まりであると宣言した。 「次はすずも一緒にベルトをみんなで狙っていこうって、私といつ希だけじゃねえ、みんなでベルト狙っていこうぜって、言ってました」
そして、その矛先は、H.A.T.E.だけには留まらなかった。 「いいか、H.A.T.E.だけじゃねえ。おいベルト狙ってるほかのユニットだってそうだ。ウチらはまだ対戦したことない選手だってこのスターダムにいっぱいいるんだよ。オマエらスターダム、いや、スターダムに参戦してる他団体のヤツらだって全員がウチらのターゲットだ。よーくおぼえとけ。そしてこれだけはおぼえとけ、おとといきやがれ。ウチらはまだまだスターダム盛り上げていくから、ウチらがミ・ヴィダ・ロカだ、おぼえとけ」
ゴッデス王座という一つの獲物を巡る戦いは、王者H.T.E.の結束を再確認させると同時に、敗れたミ・ヴィダ・ロカという“獣”を、スターダムという広大な荒野に解き放つ結果となった。
タッグ戦線、いや、スターダムマット全体が、この日を境に、ミ・ヴィダ・ロカという、予測不能な“嵐”に巻き込まれていく。
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