「3歳」「武藤敬司」「父の団体入団直訴」そして、「hotシュシュ初進出」。しのせ愛梨紗の後楽園ホール物語

とはいえ、デビュー戦から第2戦まで1年を要した。それでも、欠場期間中にもうひとつ大きなモチベーションになる出来事があった。武藤との“再会”である。「武藤にゆかりある人物」として、テレビ番組で共演したのだ。
「私がなぜ武藤さんとゆかりあるかを当てる企画で、あのとき優勝した子がいまプロレスラーになったと紹介されました。武藤さんが『デビューしてんの!?』と驚かれたんですけど、そのとき私から『シャイニングウイザード使いたいです』と言ってみたら『使いなよ』って。それで、復帰したら使おう!と決めました」
欠場中にはアイドルユニット「H!Fly」の活動も経験。23年7・17横浜で復帰し、10日後にはアイスリボン提供試合で父の飛鳥プロに初参戦。試合には敗れたが、9・16アイスリボン道場でのメインイベントで初勝利をあげると、12・31後楽園で南ゆうき(現・勇気みなみ)からシングル初勝利。このときのフィニッシュが、初公開のシャイニングウイザードだった。
試合数を増やしていった愛梨紗だが、24年末にアイスリボンを退団することになる。それに先立つ11・27「飛鳥プロレス10周年記念大会」後楽園では、メインで朱里に挑んだ。敗れた愛梨紗は試合後、飛鳥プロへの入団を父に直訴。25年より飛鳥プロ所属となった。

「メインの重圧ってただでさえヤバいのに、後楽園の入りを見たときに正直、ガラガラだったんですよ。その光景を見て私がここでがんばらないといけないと思いました。自分ががんばらないと。そう思っての直訴でした」
また、6月にはhotシュシュ所属選手となり、2団体かけもちとなった。
「hotシュシュにはアイスリボン時代から出させていただいていました。退団とか欠場とかあって、hotシュシュの所属が3人しかいない時期があったんですよ。それを見て責任感が強いのか、ここでまた私ががんばらないといけないと思ったんですよね」
現在は2団体所属でありながら、アイスリボン、PURE―Jなどいくつもの団体に参戦している。そんななかでホームのhotシュシュが旗揚げから2年10カ月での後楽園ホール初進出を決めた。もちろん、愛梨紗にとっても思い入れの大きな会場であり、重要な試合となるだろう。
「欠場中、hotシュシュの旗揚げにスタッフとしていたんですよ。その頃から『いつかは後楽園でやりたい』との声を聞いてはいたので、がんばってほしいなと思ってはいました。それが実際に(3・28で)やると決まって、自分よりもほかのみんなに対しておめでとう!という気持ちになりましたね。自分ですか? うれしい気持ちももちろんですけど、プレッシャーが大きいです。ここでまた、がんばらなきゃって責任感が出てくる(笑)。後楽園のリングに立つことってやっぱり夢なので、そこでシャイニングウイザードを決めたいですね!」

では、愛梨紗にとってhotシュシュとはどんな団体なのだろうか。そして、彼女がめざすレスラー像とは?
「いまは、仲間を知った気がします。飛鳥は自分とお父さんの2人しか所属がいなくて、仲間ではなく家族って感じなんですけど、hotシュシュは男子もいるし、年齢も国籍も全部バラバラ。違う人たちが仲間になってる感じがしますね。仲間っていいなって感じがします。今後ですか? 自分のキャッチコピーが、“ちあふるヒロイン”なんですよ。cheerfulが、明るい、陽気な、という意味で、ヒロインは主役。なので、そのコピーを体現できるレスラーに私はなりたいです!」
3歳でリングに上がり、17歳でデビュー。シングル初勝利も、父の団体に入ることを直訴したのも後楽園ホールだった。そしてこんどはhotシュシュ所属として、団体の聖地初進出とあわせて後楽園のリングに上がる。3月28日、“しのせ愛梨紗・後楽園ホール物語”の新章が開かれる。

インタビュアー:新井宏
写真提供:hotシュシュ&飛鳥プロレス















