【新日本】『NJC』開幕戦、誰もが主役を譲らない! 鷹木、永井、OSKAR、モロニー、カラム、HENARE…バックステージは“独演会”の嵐

新日本プロレスの“春の最強戦士決定トーナメント”『NEW JAPAN CUP 2026』(以下、NJC)が3月4日、東京・後楽園ホールで開幕した。

通算22回目を迎えた本トーナメントの覇者は、4月4日の両国国技館大会にてIWGPヘビー級王者・辻陽太への挑戦権を手にする。

第3試合に組まれた8人タッグマッチOSKAR&鷹木信悟&ドリラ・モロニー&永井大貴 対 カラム・ニューマン&ジェイク・リー&HENARE&ゼイン・ジェイは、勝敗の枠を超え、出場選手たちが胸の内に秘めた野望と不満を爆発させる「自己主張の品評会」の様相を呈した。

試合前からリング上には不穏な空気が漂っていた。入場曲が鳴り響く中、ゼイン・ジェイが突如としてマイクを握り、音響スタッフへ怒号を浴びせたのだ。

ゼイン「違う、違う、違う!誰だよ、この音楽をかけてるのは?オマエがこの曲をかけてるのか?このクソみたいな曲は止めろ!止めるんだ!その曲はクソだ。俺はもうヤングライオンじゃねえんだ!」

若手からの脱却を激しくアピールするゼインの叫びを皮切りに、ゴングが鳴る。

3月6日の大田区大会でNJC1回戦を争うOSKARとカラム・ニューマンは、開始早々から視殺戦と強烈な打撃の応酬を展開。

若手の永井大貴も決死の攻めを見せたが、ジェイク・リーの口へ手を突っ込むラフファイトや、HENAREの重爆逆水平チョップの前に悶絶させられる。

終盤は両軍が入り乱れる大混戦となったが、最後はドリラ・モロニーがゼイン・ジェイをポップアップ式パワーボムで叩きつけ、必殺のドリラ・キラーへと繋いで完璧な3カウントを奪い取った。

しかし、この試合の真の熱狂はバックステージにあった。

戦いを終えた各選手が、NJCへの意気込み、己の立ち位置への不満、そして敵対者への憎悪を、堰を切ったように語り始めたのである。

まずはベテランの鷹木信悟が、余裕の表情で自らの初戦を見据えた。

鷹木「ひさびさの『NEW JAPAN CUP』今日は開幕戦か。俺の一発目は3.10岡山だ。今日のドン・ファレとウルフアロンの勝者だ。俺はどっちでも構わねえぜ、オイ!ウルフだろうが、アロンだろうがな」

続いて、若獅子の永井大貴は、海外遠征ではなく日本国内でののし上がる覚悟を示し、春のジュニアの祭典への出場を猛アピールした。

永井「(※Unbound Co.のタオルを顔の前にしばし掲げ)そんなことは置いといて。『NEW JAPAN CUP』、その後の両国、でもなくて、その後、『BEST OF THE SUPER Jr.』、日程発表されたね。村島とソーセージ君(嘉藤匠馬)が海外に行って、まあ俺のデビューはもうちょい後なんだけど、俺はあんまり海外遠征行きたいと思ってないんでね、まあこんな、先輩から一回も獲ってないような俺だけど、どうですか? 俺が『BEST OF THE SUPER Jr.』出てるとこ、見たい人、いますか?いますか?1人でもいたら、俺に出る資格、ちょっとだけはあるんじゃないすか?まだ選手決まってないだろうけど、永井大貴、よろしくお願いします」

そして、大田区での一騎打ちを控えるOSKARとカラム・ニューマンの舌戦は、辛辣を極めた。

OSKARが対戦相手を「コピー品」と切り捨てれば、カラムもまた相棒の存在を引き合いに出して冷笑する。

OSKAR「アリ王子のために道を空けろ!カラム王子のために道を空けろ!2026年にもなって王子?何の王子なんだ?昔はプリンス・オブ・ペースだったけど、あれはどうしたんだ?あれはもう使わないのか?よく聞け。何を名乗ってもいいのなら、俺はもうカイザーとでも名乗ろうか。皇帝だ!2026年に王政は終わる。帝国も同じ。何ヵ月も前から言ってきた。新しいメンバーが加わって、新旧メンバーが揃ったわけだ。でも中身は同じ。前より苛立ってるってことだけが唯一の変化だ。よく聞けよ、カラム。前にも言ったが、なんで俺はコピー品ばかりを相手にしないといけないんだ?低予算な……ショータ。そしてカリスマ性を抜いたオスプレイのコピー。何だこれは、冗談だろう?2026年の王政と同じだ。コピー品も時代遅れだ。コピーバンドがオリジナルより稼ぐなんて聞いた事ないだろう?だからな、カラム!今日も見ただろう?明日も見ることになる。そしてそれは身体に刻み込まれる。俺はお前の首を獲る。次のラウンドへ、その次、さらにその次へ行く。そして『NEW JAPAN CUP』を制覇する!」

カラム「オイ、なんなんだ!?は!?は!?お前、何様のつもりだ、このデカいドイツ野郎が!今、言っておくぞ。お前は、この『NEW JAPAN CUP』で俺より先には、絶対に行けない。お前はこのトーナメントに出られてるだけでも運がいいんだ。それにな、お前はYuto-Iceみたいなタッグパートナーがいて運がいい。存在感が際立ってる。それに比べてお前は個性ゼロだ。いいか、OSKAR、覚悟しろ。(3.6)大田区大会で、お前はプリンスのために道を空けるんだ。そして最後はこの王冠にキスをするんだ」

試合を決めたモロニーもまた、日本マットへの愛着と、シード枠から頂点を狙う野心を隠さなかった。

モロニー「俺は誰を叩き潰すんだ?誰だ?ユーヤか?それとも、あの太ったクソ野郎のオーカーンか?俺は新日本に残った。ここには、俺がやるべき事が、まだ山ほどあるからだ。だから感謝してる。こうして再び日本のリングに立った今、その舞台が『NEW JAPAN CUP』だってことに。去年が初めての『NEW JAPAN CUP』だった。イシイを倒し、TJPを倒し、そして、クソ……ダチのシンゴまで沈めたんだった。今年はシードがある。俺は見てるぞ。1回戦に勝ったら……最初の試合に勝ったら……その勝利を楽しむんだ。行けるのは、そこまでだからな。ガウガウ!」

極めつけは、長きにわたり新日本マットで闘い続けてきたHENAREの魂の独演会である。

怪我に泣き、王座から転落した鬱憤と、苦労を知らずにのし上がろうとする新世代への強烈なジェラシーを、長文の演説として吐き出した。

HENARE「(※マオリ語で話し、その後英語で)そして次だ。次に言わせてもらう。新人ども……新人ども全員にだ。何か一つでも独自のことを言えないのか?口を開けば同じクソみたいな決まり文句。リアルなこと一つでも言えないのか?俺は2019年の終わりの黄金時代から来た最後の数人の一人だ。今もここに残ってる、数少ない人間の一人だ。俺はまだいる。
そしてまだ若い。ここに来て10年目だ。OSKAR、Yuto……お前らのことはわかってる。お前らは自分で思ってるほど強くない。(※マオリ語で話し)お前らが出てきた時代は新日本のタッグ部門が史上最も弱ってた時代だ。タイミングに恵まれていただけだ!俺はIWGPタッグ王者だった。でも怪我をした。負けたのではない。お前らは凱旋帰国して何回負けた?誰に勝ってきた? それが重要だ。誰を倒してきたか。これは質問じゃない、警告だ。シンゴ・タカギ!ドリラ・モロニー!お前らはいったい、誰に勝ってきたんだ? 
俺が国に帰って、(※右ヒザのサポーターを外し、手術痕を示して)立なかった時も、歩けなかった時も……毎日お前ら4人を見てきた。そしてどうだ、何一つ成し遂げてないじゃないか!ベルトを巻いて……デカい面をして……WAR DRAGONSが世界最強のように振る舞ってやがる。何も成し遂げてない。何もだ……何も。
あるのは、朽ちたタッグ部門だけだ。無名の寄せ集め……喚いてるインディー団体にいそうなヤツら。ここはプロだ。お前らは誰も俺と一対一で勝ててない。そして次は誰だ?オレッグかELPか?歴代屈指のフリースタイルレスラー、ボルチン・オレッグか、カナダが誇る最高傑作、エル・ファンタズモか。お前ら二人とも、俺がお前ら二人をそれぞれシングルで倒してるのを忘れてるだろう。オレッグ、その顎を喉の奥まで叩き込んでやる。ELP、頭突きでお前の頭蓋骨を真逆に向けてやる。どっちが勝とうが、俺が粉々にしてやる。お前らは俺と闘う名誉をかけて競うんだ。俺がお前らの“マナ”を奪ってやる。だからさっさと来るんだ…どちらでもいいぞ!」

ゼインの入場マイクに始まり、HENAREの怨念の演説で終わった群像劇。

一つの試合の裏側に、これほどまでに濃厚な自己主張が詰まっているのも、またプロレスの醍醐味である。

NJCの覇権争いとともに、リング内外で巻き起こる様々なイデオロギー闘争からも目が離せない。

※ジェイク・リー、ゼイン・ジェイはノーコメント

<写真提供:新日本プロレス>

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