【大日本・FREEDOMS】菊田一美&杉浦透、BJWタッグ王者が語る流血の美学「誇り高き競技としてのデスマッチなんだということを知ってもらいたい」

――しかし、あの命懸けの「ザ・リアル」な戦いがあったからこそ、観客の心に深く刻まれ、今の強固なタッグへと繋がったのだと思います。団体のカラーは違えど、デスマッチファイターとして「ここは共通している」と感じる部分はどこでしょうか。

杉浦:やっぱり、大日本もFREEDOMSも「デスマッチを生業にしている」という誇りですね。食わず嫌いをしている人たちにも、「俺たちがやっているのは、ただの殺し合いや残酷ショーじゃない。誇り高き“競技”としてのデスマッチなんだ」ということを知ってもらいたい。世間が抱いている偏見を覆して、デスマッチを発展させていきたいという根底の想いは、両団体とも完全に一致していると思います。

菊田:そうですね。僕と杉浦さん個人の共通点で言えば、「団体内でのポジションが似ている」というのも大きいと思います。上にはカリスマ的な大先輩たちがいて、下には若い世代が育ってきている。僕らはちょうどその間に挟まれて、自分たちの戦いを見せつつ、団体全体を牽引していかなきゃいけない立場にいる。そこの悩みや責任感みたいなものは、すごく共有できている気がします。

――いわゆる中間管理職的なポジションですね。上にいる「カリスマ的な先輩たち」というのは、大日本で言えば伊東竜二選手やアブドーラ・小林選手、FREEDOMSで言えば佐々木貴選手や葛西純選手といった世代ですね。

菊田:はい。あの世代の人たちを一括りにすると怒られそうですけど、伊東さん自身が自分たちのことを「めんどくさい世代」って呼んでるんですよ(笑)。大日本もFREEDOMSも、上の世代がとにかく元気すぎるんです。本当にめんどくさいですよ!

杉浦:試合の凄みも当然ですが、あの世代の人たちは「言葉の力」が圧倒的なんです。ファンも、試合だけじゃなく彼らの言葉に惹きつけられている。これからの時代、試合が凄いだけじゃダメなんだということを、あの人たちを見ていると痛感します。追いつけ、追い越せで必死ですよ。

菊田:マイクアピールでも、絶対に勝てないですからね。「この野郎、ぶちのめしてやる!」みたいなテンプレートの言葉を吐いても、伊東さんには「そういう薄っぺらい言葉は言っちゃダメ。もっと頭を使って自分の言葉で喋れ」って説教されちゃいますから。長年蓄積された魂の言葉には、本当に立ち往生させられます。

――そんな巨大な壁である上の世代を突き上げつつ、現在はお二人がタッグとしてリングを引っ張っています。タッグパートナーとして、互いの「ここが頼もしい」「信頼している」という部分を教えてください。

菊田:杉浦さんは観客を惹きつける「明るさ」を持っています。僕とはキャラクターが全然違うので、そこは本当に頼もしいです。それに、基礎的な地力が凄まじいので、僕がボロボロにやられてタッチしても、何の問題もなく試合を立て直して託すことができる。絶対的な信頼がありますね。

杉浦:僕らはさっき言ったように「狭間の世代」として、上にも気を遣い、下も管理してきたので、自分で言うのもアレですが「視野が広い」んです。だから、試合中に今どんな展開が求められているか、相手が何をしようとしているか、言葉を交わさなくてもお互いに分かるんですよ。しんどい下積みを経て培った視野の広さが、今このタッグの連携にバッチリ活きている。苦労してきた人生は無駄じゃなかったなって、お互いに感じていると思います。あと、菊田は「デスマッチアイテム職人」として天才的なんですよ。「こんなアイテムが欲しいな」って何気なく言うと、次には完璧に作って持ってきてくれるんです。

菊田:アイテム作りは任せてください(笑)。他のデスマッチファイターからも、「ちょっとこういうアイテム作りたいんだけど……」ってLINEで発注が来るくらいですから。

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