【編集長コラム】「レスラーの香り」

「日本の夏」到来で、だいぶ暑くなって来た。日中、汗ばむことも多い。湿気を苦手とする人も多いだろうが、レスラーは大方、暑がりが多く、冬でも上着の下は半袖だったりする。相撲出身者が特に激しい。

元・北勝嵐の浜亮太はいつ何時でも、汗をかいている。全日本プロレスの合宿所を、冬に訪ねたことがある。とても寒い日だったのに浜は「暑いっす」、と言って暖房を切ってしまった。さらにTシャツを脱ぎ捨て上半身裸になった。「これで丁度、いいっす」。

汗っかきのマナーなのか、制汗剤を何度も塗る浜。スプレーが一般的だが、周囲に飛び散る危険性があるからか、浜は直に肌に塗る「ロールオン」タイプを愛用している。

ロールオンは制汗、防臭効果も高いという。浜は腕をあげてぬりぬり、ぬりぬり。今度は反対側の腕をあげてぬりぬり、ぬりぬり。しばらくすると、また汗をかくのかぬりぬり、ぬりぬり。リズミカルにエンドレスぬりぬり。

お気に入りは、8×4のロールオンタイプ、フレッシュフローラルの香り。だから浜は、いつでもフローラルのいい香りがする。

浜はフローラルの甘い香りだが、藤波辰爾はアラミスを愛用し、長州力はタクテクスの香りがした。海外で香りのマナーを身に着けたのか、西村修はシャネルやディオールなどをTPOによって使い分けているが、大まかに分類するとレスラーの中では藤波を筆頭にしたアラミス派と、ジャパンプロレス関係者が多いタクテクス派に分かれる。

タクテクスはつけ過ぎると、かなり強烈な匂いがする。「虎ハンター」小林邦昭につけ過ぎをやんわり注意しようと、女性関係者が「あら、ずいぶんいい匂いがするわね。離れていてもわかるぐらいよ」と言ったところ「俺のフェロモンの匂いじゃない?」と返され絶句したという。

年を重ねれば、加齢臭は誰でも出て来てしまう。加齢臭は主に耳の後ろから発生するという。それを聞いた某レスラーは「人気商売なんだから、気を付けないと」と、耳の後ろを力任せにゴシゴシ熱心に洗い、洗いすぎて出血。それでもさらに洗ったところ化膿し、余計臭くなってしまったという。

「♪私バカよね~おバカさんよね~♪」と、唄っていたが、いやはや何とも。過ぎたれば及ばざるがごとし。

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