【ファイプロ12年ぶりの復活】<スペシャルインタビュー②>新日本プロレスとのまさかのコラボ!実名選手登場!!
【新日本プロレスとのまさかのコラボ!実名選手登場!!】
~実名選手登場に至った背景~
山口:新日本プロレスさんとのまさかのコラボ!以前はエディットで選手名をコツコツ変更していましたが、まさか実名で登場するなんてびっくりしました!!
ともぞう:エディットで変更は、購入したあとに最初に発生する作業でしたよね(笑)。
山口:先ほど新日本プロレスさんとのコラボの経緯についてはお伺いしましたが、そのなかでも選手が実名で登録されているのはかなり画期的だなと感じました。
ともぞう:画期的なんですけど、必ずしも正解ではないなと。結構賭けだなと、昔からのファンは逆に嫌がるかなと思ったんですよね。ただ、昔からのファイプロのやり方っていうのは正直駄目だと思ったんですよね。各団体さんがお金と時間をかけて選手を育てていくわけじゃないですか。それをファイプロは少しもじって、悪い言い方をすればうまいところだけを吸うみたいな。でも今後それをよしとしたら駄目で、ファイプロも変わる時期なんじゃないかなと思ったんですよね。グレーゾーンというか、なんちゃってはやめましょうと。ワークショップがあれば、きっとユーザーさん達が自由に遊んでくれるから、好きに楽しんでくださいと。でも我々は提供しませんというスタンスで行こうと。でもなんちゃってレスラーがいないことで、すごいがっかりされることも多いんですよね。
山口:もう通り名の「ビクトリー武蔵」とか、共通言語になってましたもんね。
ともぞう:なんですけど、でもそれに変わるなにか売りというか、ファンを惹きつけるネタはないだろうかと考えたときに、選手の実名を入れるインパクトってでかいんじゃないかなって。嫌がる人ももちろんいると思うんですけど、グレーゾーンをとっぱらった以上ファイプロが向かうべき道は実名だろと。というのがあって、始めはイベントに協力いただいたDDTさんとか飯伏さんとか個人で・・っていうのも考えていたんですけど、PS4も出すし国内なら新日本プロレスだろうと。
でも前も言ったとおり(※前半インタビューに記載)、言い出しづらいなぁと(笑)。何ヶ月かかかって、新日本プロレスの阿部さんに食事に行きましょうと誘ったんですね。で、話の流れでそうなったら言おうと、ならなかったら言わなきゃいいなと思って。焼肉食べながら、お互いにそういうばファイプロあれですよね、みたいな。いい感じっすよね・・みたいな(笑)。モジモジしながら、じゃあコラボしたらどうですかね、ということになって。
山口:いいですね(笑)。
ともぞう:今はファイプロにとって正解かどうかは分かりませんが、ファイプロワールドとしては絶対にやってよかったと思ってるし、僕の判断は間違ってなかったと思いますね。
山口:僕は一番始めにリネームしていたほうなので嬉しかったですけどね。ただ、リネームはリネームで楽しかったですよね。分からないときはプロレス名鑑を見たりして。
ともぞう:あ、こんな名前になっているんだとかね。あの作業は作業で自分のプロレス知識を高めるという意味では必要でしたよね。
山口:さきほどデモ機でその新日本の選手を見せていただいましたが、めちゃくちゃ動きいいですよね。「棚橋張り手」とかすごいです。
ともぞう:「棚橋張り手」最高ですよね!
山口:最高です。一人一人の選手の技を作るのも大変ですよね、先ほど2日くらいとお聞きしましたが。
田村:平均的にですね。もっとかかるものもあれば、かからないものもあるにはあるんですけど。
ともぞう:アピールとかは3~4時間で1個いけたりしますけどね。それでも細かいやつはもっとかかるか・・。
山口:新日本プロレスの選手は個性が強い選手が多いので、結構苦労されたんじゃないですか?
田村:そうですね。1個の技を作るにしても、複数の映像を見て、その中からご本人的にはこの動きが最高なんじゃないかなというのを探して、それをもとに作成をしました。それでももう少し手がこっち側に入るのがベストなのかなと思ったら、補正したり。
山口:田村ディレクターとして、この技が一番苦労した!というのはどなたの技ですか?
田村:苦労した・・・苦労したのは間違いなく「こけし」ですね。
山口:「こけし」ですか?すごいシンプルな技に見えるんですけど。
ともぞう:システム的な問題なんですよね。
田村:完全にゲームの仕組みの問題なんですけど、ポストから飛ぶときに自動で放物線を描いて飛ぶようになってるんですね。その高さとかを変えることはできるんですけど、ただどんなに少なくてもある程度放物線を描いて飛んじゃうんですよ。だからまっすぐ落ちてこないといけない「こけし」は・・・。
分かりやすく言ってしまうと、「サンダープロレスリング列伝」の・・・
ともぞう:絶対分からないです。サンダーを持ってこられてもみんな分からない(笑)。
田村:それの・・・ダイビングヘッドバッドのようなイメージになっちゃうんですよね。アニメーションの中を見ると変な感じになっちゃってるんですよね、わりと無理やりそう見えるように、放物線を消すための逆のアニメーションを置くので。専門的な話になるんですけど、普通は何枚かの絵をここは何フレーム表示させますと。でも今回の場合は数秒間とか表示させると、もうその間に放物線を描いちゃうので、それを消すために1フレームごとに全部アニメーションを組んで放物線を相殺して倒れるように見せてるんですよね。
ともぞう:今回最後に本間選手が出演OKになったんですけど、それまでは「こけし」は入れられない想定だったんですよね。でもOKになったことで僕が「こけし」だけはどうしても入れてほしいと。本間選手で「こけし」が入らないなんて絶対ないって口説き落として入れもらったので、そういう苦労を知っているので本当に申し訳ないと思ってますね。
田村:ちょっと実験から入ったというか、こういう風にしたらこう動くっていうのを、試しては入れ、試しては入れだったので。だいぶ試行錯誤を繰り返しましたね。
山口:じゃあ今までにない前人未到の領域というか。
ともぞう:かなりチャレンジした技でしたよね。
田村:プログラマーさんにその辺のプログラム的な部分をいじっていただくことも考えたのですが、1個のためにプログラマーさんがそこまで割く時間がなかったので、じゃあグラフィックのほうで何とかしようと。
山口:じゃあ好きというか、これはお気に入りだなという技はありますか?
田村:好きだでいうと・・・どれかなぁ。。
山口:ともぞう監督はあれですよね?棚橋選手のドラゴン張り手(笑)。
ともぞう:そうですね。中技ですもんね、中技でバックを取れる。でも、新日コラボだけで50個も技増えてますもんね。
田村:新日コラボの技で言うと、キングコングニーですかね。自分でもきれいに出来たなと思うので。
ともぞう:真壁さんの!あれいいですよね。
田村:あれ、腕の回し方とかが、録画した映像ごとに少し違ったりするんですよね。で、どの技でもいくつかの映像を見比べるのですが、これは10個くらいの映像を見比べて。それで、本間選手とG1だったかで戦った最後のキングコングニーがすごくきれいだったので、どうしてもこれを再現したいと思いましたね。その映像を見ながら調整したんですけど、自分でもとてもきれいに出来たなと。わりと忠実に再現できたなと思うので気に入ってますね。
今まではダイビングニードロップしかなったので、ユーザさんにはむかしから真壁のニーをくれと言われていたので、今回入れることができて本当によかったですね。
山口:ファイプロファンってこだわりが強いので、選手の技をより忠実に再現したいなって無茶な要求っていうのはありますよね。
ともぞう:そうですね。でも基本は汎用技ですからね、ファイプロって。個人の技を全て作っていったらエディットじゃなくなってしまうので。基本的には、だいたい誰が使ってもドラゴンスクリューはこれでいいでしょうというものを作ってますよね。
山口:今いろんなドラゴンスクリューがありますもんね。その点でも技のバリエーション増えたのは嬉しいですね。
ともぞう:この前なんて、棚橋選手がみのる選手に逆ドラゴンスクリューやってましたよ(笑)。外側からいくやつ、あれすごい痛がってましたね。
山口:特に必殺技をかえた選手が出てきたときやっかいですね。また作らないと!と。
ともぞう:そうですね、野球ソフトのようにファイプロ2018、ファイプロ2019、いや『秋』とか。本体でなくてもコラボ選手については毎年1回新コスチューム、新技を追加したものをDLとして出してあげるとかはいいと思うんですよね。永遠に遊べるファイプロになっていく1つの過程だと思うんですよね。
山口:ニーズは必ず需要ありますよね。
ともぞう:ファイプロって結局、技数とレスラーの数で売ってきたじゃないですか。そういう意味でいうと一番正当的なファイプロの売り方だと思うんですよね。(田村さん)やりますか?
田村:う、うん。。。
山口:ぜひ期待しています!
~大プロレス祭り、スーパージュニア協賛~
山口:新日本プロレスとのコラボでいうと協賛してみてファンからの声とかはいかがですか?
ともぞう:感動してくれてましたね。公式をすることでタイトルにメジャー感が出るというか。ファイプロってやっぱりマニアックなタイトルなんですよね、スーファミ時代はまだしも、それ以降はマイナーでマニアックなタイトルだったものが、名前が認知されてくれることに喜んでくれてましたね。あと、快挙だと思うとまで言ってくださって。
山口:たしかにファイプロをやっていた人間からすると、国内最大のメジャー団体とコラボして実名選手が出るというのはテンション上がりましたね!
特に待たされた期間が長かったわけじゃないですか。
ともぞう:12年はなかなかですよね。普通だったら終わってますよね、12年も経ってたら普通出ませんよね。
山口:ファンは完全に諦めてましたよね。
ともぞう:ですよね(笑)。
山口:選手の中にもファンは多いですよね、今回の実名選手の飯伏選手もそうですよね?
ともぞう:飯伏さん相当うまいですね、相当うまい。見た感じ、飯伏さんとKUSHIDAさんが群を抜いてますね。
山口:今、新日本プロレスブームですが、ゲーム的にはファイプロブームが来るんじゃないですか?それに今この3D主流の時代で、2Dを出すハートの強さ!!
ともぞう:そこですよね(笑)!結構今回喜んでくれた人達ってそこに感銘を受けてくれたというか、たぶんハートの強さを感じてくれたんじゃないかなって(笑)。
山口:みんなが進化している中で・・・
ともぞう:進化止めましたからね、僕ら。それはでもビジュアル的な進化を止めただけですからね。ファイプロでビジュアルを進化したところで限度は見えているので。だってファイプロの大事なところって空想をする余白を残しているところなので、そこをリアルにしてビジュアルをどんどんよくしても、ファイプロの良さが消えちゃうんですよね。やっぱりドラゴンスクリューでも同じ技でも棚橋選手がやると棚橋選手の技に見えるっていうのは、脳で補完してるんですよね。本当は同じなんだけど。でもそれがファイプロなんだと思うんですよね。
山口:ビジュアルなど以前の味をそのまま残しながら進化しているというのがグッときますよね。
~棚橋選手がヤングライオンに!?~
山口:そして棚橋選手がヤングライオンになっているとのことですが。
ともぞう:あぁ、あれはもう(新日本プロレスの)阿部さんのネタなんですよね。ブレストしてて、いっそのこと棚橋をヤングライオンにしちゃいます?って。みんな、それは面白い!って食いついて、そのままのノリで。
山口:あれは予想外でした!
ともぞう:阿部さんいいセンスしてるなぁって思いましたよ。
山口:たしかにファイプロのストーリーモードでもそういうことがありえるわけじゃないですか。でも、あの棚橋選手をヤングライオンに戻すという発想がまずすごいですね。
ともぞう:そもそもやってくれると思いませんでしたもんね、言ったところで。でも阿部さんがやるっていうから、じゃあ大丈夫かと(笑)。
田村:こちらからやってくれって言える内容じゃないじゃないですか。阿部さん、ナイスプレーですね。
山口:やっぱり向こうの中の人だからこそ言えるというか出せる企画ではありますよね。今回新日本プロレスからの協力が相当あったみたいですね。
ともぞう:もともと阿部さんがヒューマンにいた方で、ファイプロ好きなんですよ。ファイプロが好きでヒューマンにいらっしゃったんですけど、その後新日さんに入社されて。もともとベースがあったので、ファイプロの新日バージョンを作りたいというのも来てくださって。そのときは駄目でしたけど、ファイプロ愛に溢れてらっしゃるんですよね。必要以上に協力的でしたね、必要以上にすごいやってくれようとするんです(笑)。
山口:なるほど(笑)。じゃあ新日側にも同志がいてくれたってことですね。でもほかにも、12年間陰に隠れていた同志達から、コラボしましょうとか声がかかりそうですよね。
ともぞう:や、なにしろ、もう来るものこばまないですからね。
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