【編集長コラム】大きいことはいいことだ!

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激動の2016年も残り1か月半となった。英国のEU離脱、トランプ氏の大統領戦勝利など、予想を覆す出来事も多かった。

 

プロレス界もさまざまな事件が起こったが、時代がどう動こうが、風が思わぬ方向に流れようが、変わらない普遍の原理もある。

 

「大きいことはいいことだ」である。

 

大きさはレスラーにとって最大の武器。どんな大技もデカい体の前には、かすんでしまうかも知れない。

 

ただし、ただ大型なだけでは仕方ない。スピードが伴わなければ、ただのデクの坊にすぎない。

 

今年、最大にして唯一の真理を再認識させてくれた男がいる。石川修司である。

 

195センチの巨体にして、身のこなしは驚くほどに素早い。

 

8月のDDT・両国大会。竹下幸之助を破り、KO-D無差別級王座を獲得した。

 

竹下は21歳。190センチに迫る長身、しかも身体能力は「レインメーカー」オカダ・カズチカに優るとも劣らない、日本マット界が世界に誇る逸材である。

 

若き大器・竹下を退けた石川の強さには、脱帽するしかない。

 

DDTマットでは6月の「KING OF DDTトーナメント」も制している。

 

加えて、大日本プロレスでも大暴れ。4月の「一騎当千 strong climb」に優勝。昨年に続いてV2を果たしている。岡林裕二、関本大介ら大日本プロレスが誇るストロングBJ勢との肉弾戦はド迫力だ。

 

しかも大日本プロレスでは第5代BJW世界ストロング王座だけでなく、かつて第27代BJWデスマッチ王座にも輝いている。

 

ストロングBJとデスマッチBJの両部門で頂点に立ったのだから素晴らしい。

 

さらには、佐藤耕平との「ツインタワーズ」として、BJWタッグ王座も腰に巻いている。ストロング、デスマッチ、タッグの「大日本3冠」を制覇したのは、石川だけだ。

 

だが、石川の「ぬり壁」のような特大の背中は傷だらけである。あちこちの神経やスジも痛めているはず。まさに満身創痍。決して弱音は吐かないが、偉業達成の代償は大きい。

 

それでも「大きな壁」として、威風堂々、対戦相手に立ちはだかる様はアッパレ。

 

今年に限らず、ここ数年の石川の奮闘ぶりは特筆される。

 

まさに「進撃の大巨人」だが、リングの上と下でのギャップも魅力だ。

 

素顔は「日曜日のお父さん」という表現がピッタリ。ゆったりと構え、頼りがい抜群。温和で優しい。

 

数十年ぶりにプロレスを観戦したというファンが、いっぺんで石川の大ファンになってしまった。

 

「大きいし、強い。でもリングを下りれば優しい。最高ですね!」と興奮気味だ。

 

さらには子どもにもモテる。

 

あれだけの巨体だと座っていても、子どもの視線からすれば「怖い」はずだが、小さな子どもがニコニコしながら石川に駆け寄る姿を何度も見かける。

 

「強くて優しい」が、子どもにもわかるのだろう。

 

石川修司。間違いなく、今年のプロレス界の「顔」の一人だ。

 

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