【プロレスのある風景 Vol.43|榎本タイキ】

【プロレスの旅に出ることを決めた男の強さ】

大会がすべて終わって楽しさと同時に少し虚脱感に包まれました。まだまだこの選手について知らないことがたくさんあったんだなあと。

黒潮“イケメン”二郎選手の自主興行『みんながもっとイケメンを好きになる』を観戦。僕はWNC(Wrestling New Classic)が大好きで新宿FACEに足繁く通っていました。

自分が撮影し保管しているプロレス写真の一番古いWNC大会の月日を調べてみたら2014年。そのときに所属していたイケメン選手を知りました。

やがてWNCは解散しW-1へ移籍するとあっという間にスター選手へと駆け上がりました。とにかく明るくて人を惹きつける才能を持っている人。

TAJIRI選手、船木誠勝選手という名だたるレスラーに師事しその実力も折り紙つき。ジャケット姿というインパクトのあるスタイルでくり広げるプロレスは本当に面白い。

そしてWWE挑戦のためW-1を退団しフリーランスとして活動を開始。明るいだけではない本来もっているプロレスラーとしての芯の強さが色濃く出てきた感じがしていました。

この自主興行メインでは師匠のTAJIRI選手とのシングルマッチ。現れたイケメン選手にいつものジャケットはありませんでした。

白いパンツとレガース、リングに向かう前に長い髪を1つに束ねプロレスラー『樋口壮士朗』としてリングに立ちました。楽しさや笑いの要素を一切削いだ真剣勝負を展開。

いちプロレスラーとしてこれから世界と闘っていくための試運転、そして覚悟を感じました。5年ほどイケメン選手の試合を観てきて、初めてジャケットの下にあったプロレスラー・黒潮“イケメン”二郎=樋口壮士朗を知った気持ちです。

退路を断ちプロレスの旅に出ることを決めた男は強い!そんなふうに感じた一戦でした。

でも売店でご挨拶したときはいつもの気さくなイケメン選手で嬉しかった。年内の日本での活動、そして2020年から拠点をアメリカに移すこと。

これからの黒潮“イケメン”二郎こと樋口壮士朗選手を心より応援しております!

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