【“人間風車”鈴木秀樹インタビュー】<リアルジャパン12・5後楽園ホール大会>“ビル・ロビンソンの弟子”鈴木秀樹が“飛龍二世”LEONAと初の一騎打ち!同じルーツを持つ者同士の“異色対決”!

リアルジャパン12・5後楽園ホール大会

“ビル・ロビンソンの弟子”鈴木秀樹が“飛龍二世”LEONAと初の一騎打ち!同じルーツを持つ者同士の“異色対決”!

勝ち負けを越える試合で、なにが生まれる!?

――12月5日のリアルジャパン後楽園ホール大会「ストロングスタイルVol.4」で、鈴木秀樹選手はLEONA選手とシングルマッチで対戦することになりました。

「ハイ。せっかく出させてもらえるのであれば意味があるカードと言ったらヘンですけど、ボクを使ってよかったと思ってもらえるようなカード、見に来てくれたお客さんが鈴木の試合を見てよかったなと思ってもらえるようなカードになればと思っていたんですね。対戦したい選手ってもちろんたくさんいるんですけども、ボクが闘いたい相手とお客さんが見たいという選手って必ずしもイコールではなくて、もしかしたら自分がちょっとどうなのかな、と思うくらいの方がお客さんにとっては見たいカードだったりすることがあるんですよね。だから今回は、お客さんからみて、『うっ?なんだこれは!?』と一瞬思ってもらえるようなカードの方がいいのかなと思ったんですよ。そう考えていた矢先にLEONA選手と決まったので、これはちょうどいいかなと。LEONA選手とは、実は前からやりたいなとは思っていたんですよ」

――確かに、“鈴木秀樹vsLEONA”というカードを見たら、ファンは一瞬、「うっ?なんだこれは!?」となりますよね。

「たぶん、たぶん、そうですよね。お客さんからしたら、一瞬、なんだこれはとなったあと、試合はおそらく鈴木が勝つんだろうなと考えると思うんですよね。プロレスはもちろん勝負論があるんですけど、このカードから勝ち負けではないなにかを見せてくれよとお客さんは期待すると思うんですよね」

――勝ち負けではない試合でなにを見せようとするか、今回はそこを聞きたかったんですよ。

「(笑)。もちろん勝ち負けは大事で、そこを目指す上で闘うんですけど、LEONA戦よりもほかのカードに入った方が勝ち負けのプライオリティーは高くなると思うんですよね。ただし今回の場合は違う。LEONA選手が相手になることによって、もっと幅が広くなるというか、やる方にしたら難しいことは難しい試合になるんでしょうけど、せっかくやるのであれば、そういう試合もいいかなと」

――想像力が膨らみます。さて、過去に対戦は?

「4年前、ドラディション(15年10・1後楽園)で、藤波辰爾さんが試合の予定もケガをされてLEONA君が出てきたんですよ。6人タッグが当初の予定から変更されて、船木誠勝&鈴木秀樹&LEONA組vs高山善廣&NOSAWA論外&バッファロー組になったんです。LEONA選手はその日2試合目。そこで初めて同じコーナーに立ったんですよね。そのときは組みましたから、まだ当たったことがないんですよね」

――組んだときのLEONA選手の印象は?

「ないです、正直。となりに船木選手がいたというのもありましたし、対戦相手に高山さんがいらしたので、そっちに集中していたというか。LEONA選手の闘う姿を見たのは、むしろ映像の方なんですよ。生の試合って、見たのかな? 記憶にないんですよね」

――今回、初めて対角に立つ。しかもシングルマッチですよね。

「そうなんですよね」

――LEONA選手はドラディション10・26後楽園で1年3カ月ぶりに長期欠場から復帰したのですが。

「(10・27大阪で対戦した)ライガーさんも言われてたと思うんですけど、どうしたいの?というのが一番にあって。なにがしたいんだって? 長州さんじゃないですけどね(笑)。それが一番、ボクがいまのLEONA選手に思うところですかね」

――LEONA選手自身に戸惑いがあるように見受けられますか。

「なんかあるのかもしれないのかなあ…」

――方向性を模索しているような。

「うん、ちょっと厳しい言葉になるのかもしれないんですけど、たぶん彼は最初から方向性を決めたんじゃないかなと思うんですよ。お父さん(藤波)からのというか、ヨーロッパの古いスタイルのレスリングというのを自分で決めて、それでやっていたんだけど、いかんせん実戦経験が少ない。ボクは正直言って、LEONA選手の練習不足だと思ってます。アタマでっかちになってる状態なのかなって思うんですけどね」

――一緒に練習したとかいう関係ではないですが、ヨーロッパの古いスタイルというのは鈴木選手との共通点でもありますよね。

「ハイ、そうですね」

――LEONA選手はビリー・ライレー・ジムを継いだロイ・ウッドさんに教わったというし、鈴木選手はビル・ロビンソンさんの手ほどきを直に受けた最後の弟子に当たりますよね。ビリー・ライレーとビル・ロビンソン。どちらもイギリスのレスリングの強さと巧さを体現、同国のプロレス全盛時代を築いた大御所中の大御所です。

見られている方には共通しているように感じられるのかもしれないんですけど、これはLEONA選手に限らず、いまけっこう多いんですよ。ヨーロッパのレスラーでイギリスのランカシャースタイルのパーツだけを切り取ってるだけというのが。なぜそこに至るのかというのがない。ランカシャースタイルのいいとこ取りだけしてるというか。これさえやっておけばキャッチ・アズ・キャッチ・キャン、ランカシャースタイルなんですよと思わせられる。そういう選手は、そういうふうにしかボクには見えないです。じゃあボクがそうじゃないのかというと、これはずっと前から言っているんですけど、ボクはビル・ロビンソンのモノマネをしているだけなんですよ。ボクはそれをやりたいんですよね。それを言うと、いやそんなことないよって言ってもらえるんですけど、ボクはロビンソンがやってきたことを全部やってみて、それをそのままいまのプロレス界にもってきたらどうなるかという実験をしているだけなんです、延々と。ロビンソンのレスリングって1980年代くらいまでですよね。その時代にやってたロビンソンという人の技、やり方をそのまま現代に持ってくると。ランカシャースタイルをアイデンティティにしたいからそこのパーツを持ってきてるだけという選手と一緒にしてほしくないとかではなく、共通ではないよと。そういうことなんです」

――ただ、ロビンソンさんのモノマネといってもパーツ、パーツを連結させ流れるようなレスリングにしているのが鈴木選手のスタイルになりますよね。

「そうです。あとはまだやりきれてないというか。まあ、すべてやりきれればいいんですけど、どこかでちょっと今風になっているというか。これは彼(LEONA)に限らずなんですけど、最近はやりきれていない選手が多いかなと感じますね」

――では、LEONA選手に対し鈴木選手はどういった姿勢で向かいますか。

「う~ん、勝ち負けの試合にはならないんですけども、勝つという姿勢は見せつつやらないといけない。相手のLEONA選手は勝っても負けてもプロレスがしたいという気持ちで来るのかなと思うんですね。じゃなくて、やっぱりプロレスは勝ち負けを競うものなので、絶対に相手に対して勝ちを奪いにいくという姿勢を見せたい、見たいですね、まずはそれが大事だと思います」

――第1試合に組まれたというのは、なにか意味があるのでしょうか。

「ボクがファンの頃に見ていた大会って、第1試合がシングルマッチの方が好きでしたね。タッグ(の第1試合)でもおもしろい試合はありますけど、やっぱり最初はシングルマッチから始まるという方がいいかなと。それはもう感覚でしかないんですけど(笑)。まあ、本来であれば若手同士のシングルというのが第1試合かなと。2試合目、3試合目くらいから先輩レスラーが出てくると。それが興行のいい流れって感じがするんですよね」

――なるほど、古くから見ているファンには特にそうですよね。さて、鈴木選手はリアルジャパンに何度か参戦していますが、シングルマッチは意外と少ないですよね。

「リアルジャパンだと、ほとんどないです。タッグ、6人タッグが中心ですね。シングルになると2回目くらいかもしれないです」

――今後、リアルジャパンではシングル路線となっていくのでしょうか。

「基本的にはリアルジャパンさんが見たいと組んでくれたカードに入るだけです。シングルマッチをやりたいかどうかというのはボクが決めるというより、使う側、あとはお客さんが決めるというか待望論しだいです。それによって、マッチメークをする人たちが決めるのでしょうし

――ただ鈴木選手の実力、実績からしてもタイトルマッチ戦線に絡んできてもおかしくないと思います。レジェンド選手権は現在、藤田和之選手が保持していますが、タイトル戦線に加わりたいという気持ちはありませんか。

「どうなんですかね? やるからにはそこの団体のベルトを取りにいく姿勢は必要。それは最低限のことなんですけども、ただ名乗りを挙げればいいのかというのもボクの中ではちょっとあるんですよね」

――名乗りを挙げて即挑戦実現というのもどうかと。

「自信がないとかそういうのではなく、ただそう思ってます」

――ファンの期待値が高まっているかどうか。

「それもありますね。やっぱり見てもらう人がいないとボクらには商売にならないので(笑)。自分たちがタイトルをやりたいからというのではなくて、見たいと思ってもらえるようなことをボクらはやらなくてはいけない。ただ、お客さんに流されすぎないことも大事。要はバランス、ですね」

――いろいろな団体に参戦、活躍している鈴木選手ですが、リアルジャパンというリングをどのように見ていますか。

「いろんなところで活躍しているフリーランスの選手が集まってくるような感じですかね。あちこちで人気のあるフリー選手が一カ所に集まってくるような感じがボクにはあります」

――リアルジャパンが旗揚げ当初から提唱しているストロングスタイルの復興というテーマに関しては、どう考えていますか。

「これって永遠のテーマのような感じがします。たぶんですけど、ストロングスタイルってアントニオ猪木さんがいて、佐山先生(初代タイガーマスク)もそうですけど、そういった人たちがやっていたものだと思うんですよ。じゃあいまのボクたちがやってることがストロングスタイルかと問われれば、ボクの答えは違う、となるんですよ。もちろん時代背景とか全部含めてだと思いますけど、やっぱり背負うものが違いすぎる。猪木さんにしてもモハメド・アリとやるのに何十億も借金を背負った。佐山先生も、タイガーマスクであれだけ人気があったのに全部放り出して消えた。いまだったらYou Tubeも含めてネットに逃げ場があるじゃないですか。でもあの当時、テレビから消えるって抹殺されるようなもの。そういう決断をいまのボクたちができるのかといったらできないと思います。それだけの覚悟がないから。そういう覚悟を持った人たちがやってるプロレスが、ストロングスタイル、ストロングプロレスになったと思います。なので、ボクには藤田和之さんとか、あのあたりが最後だと思うんです」

――ただやっぱり鈴木選手はビル・ロビンソンが師匠だったし、そのロビンソンさんはアントニオ猪木さんと名勝負をかつて展開しました。どうしても鈴木選手にはストロングスタイルの継承を期待し、そういうものを見たいと思うんですよね。

「そう評価してもらったりするのは、すごく光栄です。ただし自分の口からボクはストロングですとは言えないですよね。ボクはビル・ロビンソンさんのやってきたことをそのまま踏襲というか継承して、続けていくという」

――先程の話しのように、それを現代に…。

「あてはめてみたらどうなんだろうという実験。嫌がられるのか、人気が出るのか、出ないのか。仕事がなくなるのか増えるのかわからないですけど(笑)。とにかくそれを自分で実験してみると」

――そういったスタイルのレスラーが少ないという考えからやっているのでしょうか。

「IGFでデビューした頃、実はいろいろやってはいたんですよ。でも、それが結局はすべておもしろくないんです。人気もなければ、なんにもない。それでいざフリーになったとき、どうしていいのかわからなかったんです。どうやって自分を表現すればいいのかわからなくて。じゃあボクになにがあったかといえば、ロビンソンに教わってきたという事実。だったらそれをそのままやってみようと。でもその頃って実際にはそういうのをあまりやってなかったですから、原点に戻って試してみたんですね」

――そこを前面に押し出したと。

「ハイ。それでダメだったら需要がないんだから廃業だなと思って。プロ専業でやれないんだったら廃業しようと思ってました。兼業している人が悪いというのではなくて、どこかで自分で線を引かないといつまでもズルズルやってしまうなと思ったので、線を引いてやりました。そこからなんとか生き延びたという感じですね」

――なるほど。先程名前の出た藤田選手ですが、はぐれIGFで行動を共にしてきましたが。

「まだあるんですかね(苦笑)」

――ご本人がわからないのならどうなのかこちらもわかりませんが、はぐれIGFの選手たちがリアルジャパンのリングに集まってきつつありますよね。

「そうですね」

――その藤田選手がレジェンド王者で、次回後楽園(12・5)では船木選手が挑戦します。鈴木選手の目から見て、メインのこのタイトルマッチをどのように予測しますか。

「猪木さんに触れたことのある人たちの対決というか、そんな感じがしますよね。藤田さんって猪木さんの最後の付き人ですよね。船木さんも猪木さんのストロングスタイルの時代からやってきた方なので、それこそストロングスタイル(の試合)なんじゃないのかなと思いますね。ただストロングスタイルはこういうものだというよりは、ハート。そういう志を持った人たちが闘うのがストロングスタイルなのかなと、ハッキリとは思わないですけど、そういうことなのかなと感じます。なので、そういうハートの試合になるんじゃないのかなとは思います」

――第1試合が鈴木選手で、メインが藤田選手。すごい大会になりそうですね。

「でも第1試合は、メイン以上に大切だと自分では思ってます。どの大会もそうなんですけど、第1試合がキチッと締まらないとなんとなく雰囲気がよくないまま進んでいって、たとえ最後が盛り上がっても、う~んという感じなんですよね。それが第1試合でドカーンといくと大会全体が成功すると思うので、そういった意味でも今回の大会はボクにも(成否の)責任があると思ってます。そういった気持ちで、LEONA選手との試合に挑もうと思っています」

(取材・文:新井宏)

 

■初代タイガーマスク 佐山サトル ストロングスタイルプロレスVol.4
■開催日時:12月05日(木)開場/17時30分 試合開始/18時30分
■会 場 :後楽園ホール
■主 催   :ストロングスタイルプロレス実行委員会

 

【対戦決定カード】
《メインイベント レジェンド選手権試合 60分1本勝負》
[王者]藤田和之(第14代レジェンド王者/はぐれIGFインターナショナル)
vs
[挑戦者]船木誠勝(フリー)

《セミファイナル タッグマッチ 30分1本勝負》
スーパー・タイガー(リアルジャパンプロレス)
vs
関根“シュレック”秀樹(ボンサイブルテリア)

《第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負》
関本大介(大日本プロレス)
間下隼人(リアルジャパンプロレス)
岩崎孝樹(ガンバレ★プロレス)
vs
アレクサンダー大塚(AO/DC)
崔領二(ランズエンドプロレスリング)
将軍岡本(UWAアジアパシフィック王者/ブードゥー・マーダーズ)

《第3試合 シングルマッチ 30分1本勝負》
タカ・クノウ(フリー)
vs
澤田敦士(フリー)

《第2試合タッグマッチ 30分1本勝負》
日高郁人(ZERO1)
大門寺崇(ランズエンドプロレスリング)
vs
梶トマト(2AW)
伊香保京介(ランズエンドプロレスリング)

《第1試合 シングルマッチ 30分1本勝負》
鈴木秀樹(はぐれIGFインターナショナル、小林軍団、杉浦軍)
vs
LEONA(ドラディション)

※対戦カード、出場選手は変更の場合があります。

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