【新日本】ザック・セイバーJr.が海野翔太の右腕破壊の洗礼!『NJC』準々決勝で恩師超えを誓う「ザック先生、あなたと3勝3敗だ。決着つけようぜ」

新日本プロレスの春の最強戦士決定トーナメント『NEW JAPAN CUP 2026』第8戦が、3月15日に山梨・アイメッセ山梨で開催された。

第5試合に組まれたのは、海野翔太、本間朋晃組と、ザック・セイバーJr.、大岩陵平組(TMDK)によるタッグマッチ。

この一戦は、2日後の3月17日郡山大会で実現するNJC準々決勝(海野対ザック)に向けた、極めて重要な前哨戦であった。

試合は両軍の思惑が交錯する激しい攻防となった。

前日の同門対決で大岩陵平と28分間の死闘を繰り広げたばかりのザック・セイバーJr.であったが、疲労を感じさせない冷酷な関節技で海野翔太を苦しめる。

一方の海野翔太も、若き大岩陵平の猛攻を凌ぎつつ、得意のフィッシャーマンズスープレックスホールドなどを繰り出し、一歩も引かない姿勢を見せた。

終盤、本間朋晃と大岩陵平の激しい打ち合いとなり、最後は大岩陵平が強烈なTHE GRIPで本間朋晃から3カウントを奪取。

TMDKコンビが前哨戦を制する形となった。

しかし、本当の闘いは試合終了のゴングが鳴った直後に待っていた。

勝利の余韻に浸る間もなく、ザック・セイバーJr.は海野翔太の右腕をエプロンで腕ひしぎ十字固めに捕獲。さらに鉄柵へ右腕を絡めつけて容赦なく蹴り飛ばすという、狂気を帯びた公開処刑を敢行したのである。

怒りに満ちた表情で無言のまま退場するザック・セイバーJr.と、破壊された右腕を抱えて悶絶する海野翔太。2日後の決戦へ向けて、決定的な遺恨が生まれたかに見えた。

だが、バックステージでテーピング姿の海野翔太の口から語られたのは、憎悪ではなく、意外な事実と深い感謝の念であった。

海野「(※テーピングを巻いた右ヒジを押さえて床に座り込んで)ごめんよ、全く関係ない話をしよう。俺がヤングライオンのときだ。道場で、朝、昼、夜と練習していた時期だ。そんなとき、ふと、ザック・セイバーJr.が道場に来たんだ。『レスリングをやりたい』と。俺もやって、たくさん覚えて『お前も一緒に成長しよう』って、手を差し伸べてくれたんだ。俺のイギリスへの海外遠征のルーツは、ザック、あなたから始まったんだ。俺にとって、今の技術、経験値、あなたから始まったものだ。俺は“ザック先生”から学んだもの、そのルーツを活かして、イギリスでレスリングを学べたこと、技術を学べたこと、経験できたこと、俺は自信を持って、誇りに思う。ザック先生、(※右ヒジにチラッと目をやり)身体で、もっともっとわからせてくれよ。俺はまだまだグリーンボーイだ。青二才だ。ただの小僧だよ。でもな、先生からの教えは絶対に忘れない。そしてその教えは必ず経験へと、勝ちへとつながる。俺はそう思ってる。(※右ヒジを示し)今日のこの痛み、この痛みこそが、レスリングの、チェーンレスリングの、ザック・セイバーJr.の技術だ。(※右ヒジを見て)この痛みを力に変えて、俺は何としてでも勝たないといけないんだ。この『NEW JAPAN CUP』、勝ち進んでいかないと先はないんだ。(※ヒザ立ちになって)ザック先生、あなたと3勝3敗だ。決着つけようぜ」

現在のスタイルを確立するきっかけとなったイギリス遠征。その扉を開いてくれたのは、他ならぬ「ザック先生」であった。試合後の非情な腕破壊すらも、偉大な師匠からの身を持った「授業」として受け止める海野翔太の覚悟がそこにはあった。

一方、暴挙に出たザック・セイバーJr.は、不器用な照れ隠しのように謝罪の言葉を並べつつ、愛憎入り混じる複雑な胸中を明かした。

ザック「お前のポテンシャルとか俺の認識とかいろいろあるけど、俺はショータに対して本気で悪意があるわけじゃない。実際、ヤングライオンの頃はちょっと気に入ってたんだ。オーイワやフジタの前の話だ。でもアイツはそのポテンシャルを無駄にしてるだろう!?とはいえ、(※日本語で)ショータ、ごめん(※英語に戻り)昨日の試合を見てなかったらあれだけど、今年の新日本での最初のシングル戦を終えたばかりでちょっとハイになりすぎてたみたいだ。本当に悪かった。(※日本語で)本当にすいませんでした。(※英語に戻り)お前をガードレールの上で、休ませてやろうとしたんだ。そうしたら、ガードレールに思いっきりぶつかったおかげで、ヒザが整ったみたいなんだ。全てがあるべき位置に戻った気がする。だからな、クソ野郎。俺がお前を倒したあとに言い訳なんて聞きたくない。だから俺は祈ってるよ……2日後にお前の腕が100パーセントの状態であることを。だから風呂でも入ってしっかり治しておくんだ」

また、この日敗北を喫した本間朋晃は、連敗の悔しさを噛み殺しつつ、リングに立ち続ける純粋な喜びを弾けさせた。

本間「4連戦、4連敗。これが俺の今の実力だ。でもさあ、絶対俺、やり返してやるからな。強えヤツがいっぱいいて、新日本プロレス、楽しいよ。おお、何も心配いらねえよ。楽しい、楽しい! いつか見てろよ、この野郎!」

ヤングライオン時代に手を差し伸べてくれた恩師と、青二才から脱却しようともがく教え子。

通算成績3勝3敗で迎えるNJC準々決勝は、単なるトーナメントの勝ち上がりを懸けた戦いではなく、2人の歴史の総決算となる。

<写真提供:新日本プロレス>

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