【岡林裕二インタビュー】衝撃の「無期限休業宣言」、本人が明かす引退視野と向き合う決断

◆これまでのレスラー人生について

■印象的な試合:両国国技館での関本大介とのストロング王座戦(2015年)

――まだ休業前に試合は残ってますが、これまでのレスラー人生においてこれは印象的だったみたいなことはありますか?

もういろいろありますね。これが一番というのはないですけど、頭に浮かぶのは1回目(2015年)の両国国技館大会ですかね。初めて関本さんに勝って、初めてストロングのベルトを巻いたという試合。自分すごい緊張しいなんですけど、あの試合はなぜか緊張しなかったんですよね。あれ、今日なんかすごい調子いいなみたいな。いざメインってなっても全然緊張しないんですよ。でもメインで入場した瞬間、いきなり緊張してきちゃって。初めての感覚と光景だったんですよね、初めての会場ですり鉢状にお客さんがいたので圧倒されてしまって、緊張がやばかったですね。

――他の会場とちょっと違いますもんね。

リングで関本さんと対峙したときもまだ緊張していて…。でもものすごい緊張しましたけど、逆にそれがよかったのかなと思いますね。

――普段と違う舞台で、また締めを任せれたという部分でもいつもとは違う緊張があったのかもしれませんね。

でもゴングがカーンと鳴って、ロックアップを組んだ瞬間に鼻血が出て(笑)。で、呼吸が苦しくなって…。入場前は全然緊張がなかったのに、入場とその鼻血でもうぐちゃぐちゃになったんですけど、それが逆によかったと思いますね。

――まさに出鼻をくじかれる…

でもそれで気合が入ったというか、いい緊張感とアクシデントが逆によかったですね。ベルトも取れましたし。

■後輩達とのバチバチの闘い

――岡林選手は上の世代、下の世代問わずバチバチした闘いを繰り広げますけど、アストロノーツ(野村・阿部組)とやり合っているのも見ていて面白かったです。

アストロノーツ…、本当に落ち着けって言われましたからね。別に先輩後輩関係ないですけど、後輩なんだからどっしり構えて受けて立つくらいにって言われるんですけど、俺は別に…。

――でも同じ目線に立ってくれるからこそ、後輩達ともやりがいがあったんじゃないですかね。

やっぱり自分が先輩とやるときって、意識してないんですけどやっぱり構えちゃうんですよ。先輩後輩関係なくいきますけど、やっぱりちょっと構えちゃうというか。そういうのがあるからですかね、関係なしにかかってこいっていうのはありますね。自分の後輩にあたる人みんなそうなんですけど、野村とか青木もそうですけど、全然物おじしないんですよね。関係あるか、ぼけみたいな(笑)

――それは岡林選手が関本選手とやるときを見たりして、そういう風に行かないとって思ったのかもしれないですね。

そうですね。とにかく委縮するような人間いないですね、後輩で。

――岡林選手がうまく後輩選手を育てていったんじゃないかなと思います。

でも闘いなんで思いっきり来てほしいし、萎縮してほしくないっていうのは思ってましたね。でももうガンガンくる後輩ばっかなんて、自分がそんなんしなくてもね(笑)

――ベルトは取られましたけど、青木選手は岡林選手に憧れてプロレスラーになりました。

青木は、初めて会ったときに目が違ったんですよね。真っすぐ目を見てきて、ちゃんと目を見て話すんですよね、絶対そらさないのでこいつはすごいなと。どうしても目線をそらすじゃないですか、でも青木は絶対そらさない。

――すごいですね。

リング上でもそうなんですよ。この前のタイトルマッチでもそうですけど、絶対に目線をずらさない。先輩とやるときって、少しずらしたりしちゃうんですけど、絶対ずらさないので本当にすごいですね。

――岡林選手に影響を受けた選手も今やたくさんいますし、そういう後輩の底上げをしたという部分でも満足されたことは多いんじゃないですか?

ありますね。でもこれからは自分でどうしていくか…、とは言ってもその部分も全然大丈夫だと思っているので。それができる後輩たちばかりなので、青木もそうだし、野村もそうだし、神谷、中之上選手もそうだし、そこについて不安は一切ないですね。

――後を託しても大丈夫だと。

絶対、大丈夫です!

◆メジャー団体のベルトも巻きたかった

――そしてこれはやっておきたかったなということはありますか?

いっぱいありますけどね(笑)。言っていいか分からないですけど、メジャー団体のベルトも巻きたかったですね。こういう言い方がいいか分からないですけど、どうせやるなら日本一にという気持ちがあったので。プロレスをやるならとことんやろう、日本一、世界一を目指すという気持ちで入ってきたので、そういう夢はたくさんありますよね。全団体のベルトを獲ってやるとか、団体のエースどころを倒してベルトを獲ってやるぞとか。

――そういう部分は、いくらでも夢は広がりますよね。でもまだ引退と決めた訳ではないですし、まだまだピーク期間は長いので期待したい部分はあります。そして、休業までの日があと少しではありますが、それまで全力で応援したいと思います。今日はありがとうございました。

今回のインタビューにて、試合では迫力の表情、リングを降りれば笑顔で皆から愛される岡林が神妙な面持ちで、じっくり言葉を選びながら語っていたのが印象的だった。

6月30日の休業前最後の試合までのカウントダウンが迫っている。限られた試合ではあるが、岡林の勇姿を是非とも見届けてほしい。

インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)

▼大日本プロレス公式サイト
https://bjw.co.jp/schedule/

◆プロレスTODAY(LINEで友達追加)
友だち追加

Pages 1 2