【青野未来×風香AP対談】アクトレスガールズ退団の経緯と古巣への思い、そしてマリーゴールドで描く新たな夢

今年4月、マリーゴールド旗揚げに電撃参戦を果たすと、新団体のリングで目覚ましい活躍を続ける青野未来ら元アクトレスガールズ勢。彼女たちの活動の幅は今後も広がり続けていきそうだが、その一方で突然の退団についての明確な説明がなく、モヤモヤを抱えたままのアクトレスガールズのメンバーやファンもいることだろう。

彼女たちはなぜ「引き抜き」「裏切り」の批判を浴びてしまう形でマリーゴールドに参戦することになったのか。MIRAIとの「名勝負数え歌」でマリーゴールドのど真ん中を突き進む青野未来と、風香アシスタントプロデューサー(AP)にアクトレスガールズ退団に至る経緯や古巣への思い、マリーゴールドで新たに描く夢について聞いた。(前編・後編で掲載)

聞き手・構成 茂田浩司

(プロフィール)

青野未来(あおの・みく) 1990年8月21日、埼玉県川越市出身。アイドル、女優、グラビアなどの活動を経て、2017年にアクトレスガールズでプロレスデビュー。2021年末のアクトレスガールズ「プロレス活動終了」後もエースとして活躍していたが、2024年にマリーゴールドに入団。現在は、初代UN王座決定トーナメントに参戦中。1回戦のMIRAIとは3戦連続で時間切れドローとなり、7・13両国国技館で実に「4度目」の対戦が決定。勝者は決勝戦でボジラと対戦する過酷な戴冠ロードを歩む。158㎝、54kg。

風香 1984年8月20日、奈良県奈良市出身。現役時代はアイドルレスラー、総合格闘技参戦、「さんま御殿」などバラエティ番組出演など多方面で活躍。2010年「風香祭ファイナル」で引退。その後、ロッシー小川氏とスターダムを旗揚げし、岩谷麻優や宝城カイリ(現カイリ・セイン)ら数々の選手を育てた。2018年、スターダムGMを引退。2022年からアクトレスガールズのアドバイザー。2024年、新団体マリーゴールドのAP(アシスタントプロデューサー)に就任。

マリーゴールド旗揚げからの激動の日々

――マリーゴールドの旗揚げから1か月経ちました(取材日は6月19日)。

青野 まだ1か月なんですね。

風香 私は結構想定通りに動いてるなって思ってます。青野さんはプロレスの実力で認められると思っていたし、(天麗)皇希はビジュアルで衝撃与えるだろうなと思ってて。後藤智香が思いのほか存在感を発揮してるのが嬉しいですね(笑)。

――風香さんが2022年8月にアクトレスガールズのアドバイザーになり、私はその年10月の後楽園、11月新木場、12月後楽園を観て、わずか3か月でしたけど一番変化を感じたのが青野選手で、エースの風格が増したことに驚きました。

青野 ありがとうございます。

――だからマリーゴールドでの活躍は想定通りです。旗揚げ戦から青野選手がシングルマッチに起用されたのは風香さんの推薦ですか?

風香 小川さんに「試合は青野がいいです」と伝えていて、もう一人、旗揚げ戦でシングルをやったCHIAKIは一度アクトレスに(林下)詩美ちゃんが見に来てくれて「CHIAKIのプロレスが良かった」と伝えてくれてたみたいなので、それで選ばれたのかもしれないです。

青野 そうなんですね。

――青野選手はこの1か月間どうでしたか?

青野 めちゃくちゃ濃い1か月でしたね。今も「1か月」って聞いて「まだ1か月!?」って思っちゃって。

風香 本当にそう(笑)。

青野 びっくりですね。本当にいろんなことが変わったので、準備期間も入れて2か月ぐらいが激動すぎて。でも、旗揚げを迎えて、そこで実感が湧いて、そこから試合を重ねて、ちゃんと今「プロレスに戻ってきた」感覚とか、マリーゴールドの所属っていうのが徐々にしっかりと自分に染み付いてきてるのが嬉しくて。とっても刺激的な1か月でしたね。

風香 アクトレスのときは取材の制限があったので何をしてもあまりニュースにならなくて「どうしたらいいんだろう?」っていうのがあったんですけど。今は一歩動けばマスコミの人も動いてくれて。

青野 そうですよね。

風香 「旗揚げバブル」みたいな感じかはわからないですけど。「こういうことを目指してた」「こうなりたかった」ってやりがいを感じてる選手たちを見て、私はやりがいを感じてますね。

――風香さん、相変わらず「旗揚げバブル」とかサラっと毒舌で(笑)。

風香 えー、毒舌!?

青野 面白いです(笑)。

――旗揚げ戦の解説でも「聞かれると何でも答える風香スタイル」で「アクトレスの時は全部決まってて~」と話して、一部で物議を醸したり。

風香 それはアクトレスが広めたかった部分なので暴露じゃないですよ(笑)。他との差別化で「全部決まった上で演じる」のがアクトレスのウリでした。でもそれを言いたくない選手が(マリーゴールドに来た)6人の中にいたからあまり声を大にして言ってなかったけど、坂口さん(アクトレスガールズ代表)の方針だからそこはどんどん知ってほしいです。

「プロレス団体ではない」というけれど……。

――実は「アクトレスガールズはプロレス団体ではない」の部分で、坂口代表、風香さん、私で話したことがありました。「プロレスTODAY」の風香さんインタビューが好評で「次は選手を」と提案したら、編集部から「プロレス団体ではないですし……」とストップが掛かりました。何とか出来ないかと相談に行くと、坂口代表に「プロレスファンやプロレスマスコミという狭い世界ではなくもっと大きな世間を相手にする」と言われてしまって取材の話もそこで終わり。ただ実際はプロレス媒体や記者が来なくなり発信量が激減しましたね。

風香 坂口さんから「プロレス界よりエンタメ界のほうが大きいから、アクトレスはジャンルをエンタメに移行した」って聞いて。エンタメのマスコミが来てくれる準備をしてるなら分かるんですけど、実際はプロレスマスコミが来れなくなっただけでした。メンバーの生活だったり人生を預かってるからそんな行き当たりばったりでは良くない気がして悩みましたね。でも、坂口さんの方針や理想を否定したくなかったから、なんとかその中で結果を出したくて「何だったらいいですか?」と聞いたら「舞台は期間が長いからダメだけど、映画やテレビはスケジュール次第でいい」と言われたから、一生懸命動いて話をもってきたら「主要選手は出さない」みたいなことを言われて進められなくなって。

――そうだったんですね。

風香 ほかにもM-1でウエストランドさんが優勝した直後のすごい注目されてるイベントに声を掛けていただいて。

――風香さんの元マネージャーの小林さんがタイタンの偉い方になってますよね。

青野 そうなんですね。

風香 配信も凄い売れててチケットもソールドアウト。でも「(青野)未来と皇希(現・天麗皇希)と菜摘(現・翔月なつみ)はダメ」って言われて、その時は松井(珠紗)とCHIAKIが出てすごく盛り上げてくれたので結果的には良かったんですけど。「これもダメなんだ…」って気持ちにはなりました。そうしたら「アクトレスガールズの中を良くするならいい」と言ってくれたんで、知り合いからある芸能人の方に「試合をしてほしい」とお願いしていただいて、最初は話すこともできなかったけどだんだんコスチュームの話になったり前に進みそうだったのでそれを伝えたら坂口さんに「継続参戦じゃないとあかん。一発やったらいらん」って言われて……。坂口さん的にはすでに有名な芸能人より新人にスポットを当ててあげたいという親心だと思うので全てに否定ではないんですけど、私的にはこれが駄目なら私のできることはなくなったなって思って。

――風香さんは昨年のアクトレスガールズ奈良公演の開催で相当苦労もされてましたよね。

風香 ありがたいことですけど規模が大きくて大変なことが多すぎました(苦笑)。でも奈良公演は奈良市や教育委員会や奈良新聞や奈良テレビ、隣の大和郡山市が後援についてくださったり、地元のホテルがスポンサーになってくださったりがあったので、何としても乗りきらなきゃみたいな感じでした。

――青野さんは、風香さんの企画や仕事のオファーが通らなかったりしてたことは知ってました?

風香 そんな知らないよね?

青野 はい。私の耳には話が入ってこないところで断られてしまってるので。風香さんが来てくださったことで奈良公演もそうですし、注目されたっていうのが大きくて。ただ、風香さんが持ってきてくださった話が全部できていたら、もっと大きくなれたのに、っていうのはすごい思いました。

風香 チャンスは何度かあったと思うんです。でも制限が多くて出来ることが無くなって。でもぶつかってでももっと話せば何か変わったのかもしれないから、私も未熟でした。

「引き抜き」批判に答える

Pages 1 2 3

◆プロレスTODAY(LINEで友達追加)
友だち追加