スターダム退団からマリーゴールド。そしてマーベラスとの対抗戦へ!?あれから1年のMIRAI

【WEEKEND女子プロレス#56】

 いまからちょうど1年前、スターダムから5人の選手が退団した。契約満了となる所属最終戦(24年3・31山形)では、これまでの労をねぎらうという意味か、団体側がそれぞれの選手にエモーショナルなカードを提供。たとえばジュリアは鈴季すずとわだかまりのない一騎打ちをおこない、林下詩美にはクイーンズクエストvs大江戸隊の10人タッグマッチ、桜井まい(現・麻衣)は移籍当初のユニットリーダー・中野たむとシングルで対戦、弓月(現・ビクトリア弓月)はSTARSの6人掛け、そしてMIRAIにはゴッズアイメンバーとの4人掛けが用意された(ジュリアと詩美は翌4月12日の後楽園が最後の出場)。この時点では彼女たちの去就は不明ながら、同じグループとして活動するものと思われた。

すると、やはりというべきか4月15日にはスターダムのエグゼクティブプロデューサーだったロッシー小川が、噂通りに新団体の旗揚げを会見にて発表。マリーゴールドと名付けられた団体にはスターダム退団の5選手に加え、スターダムオリジナルメンバーでフリー参戦していた高橋奈七永と元アイスリボンの石川奈青が合流したのである。

 当初はこの7人を軸とし、外国人選手やフリーレスラーが参戦しての船出かと思われた。が、それに加え、プロレス団体としての活動を終了していたアクトレスガールズを退団した選手たちが登場、参戦をアピールしたから驚いた。それは、元スターダムの選手たちにも寝耳に水。とくに、アクトレスとの接点がほとんどないMIRAIにとっては困惑しかない出来事でもあったのだ。

「当日、(会見場の)ホテルに知らない女の人たちが何人かいたのが見えたんですよね。もちろん気にも留めていなかったんですけど、会見が終わろうかというときに、さっき見かけた人たちが入ってきたので驚きました。知らない人がいきなり『試合させてください』ってどういうこと? なにこれ? どうなってるの?って感じです。その人たちが『プロレスやりたい』と言ったら、小川さん、すぐに応えちゃうし。大丈夫なの?と思いましたよ」

 会見後、彼女たちが元プロレスラーやプロレスラー志望であることを初めて知った。もちろん、スターダム時代に桜井、向後桃、月山和香、壮麗亜美らを通じてアクトレスについては知っていた。が、アクトレスをやめてスターダムにやってきた選手を知っているのであり、その時点でアクトレスに誰がいるのかはまったくわかっていなかった。

「プロレスって独りじゃできないじゃないですか。信頼関係あってこその部分も大きいし、知らない人ばかりで大丈夫なのかなって。プロレスを本当に好きなのか、疑問に思いました。不安になったか? そうですね」

 そんなMIRAIに旗揚げ戦であてられたのが、元アクトレスのCHIAKIだった。CHIAKIはプロレス撤退前のアクトレスでデビューしているから正確には復帰となるのだが、ほんの数試合だけに事実上のデビュー戦と言っていいのだろう。それだけに、MIRAIには不安要素の大きい初戦だったのだが…。

「実際にやってみて、CHIAKIさんってプロレスやりたいんだな、好きなんだなという気持ちは伝わってきました。それ以外の元アクトレスの人の試合はそのときは見ていないんですけど、CHIAKIさんからはそう感じましたね」

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