”キング・オブ・ダークネス”EVILが改心!? 辻陽太戦(4・5両国大会)で新日本プロレスの勢力図が一変か
新日本プロレスの大きな地殻変動が近いのかも知れない。棚橋弘至社長による新日本本隊再編の努力が実を結び、CHAOSに続いてJust 4 Guysが本隊に合流。本隊は勢力を拡大している。
棚橋は「バレットクラブの反則攻撃に反発がスゴイ。離れてしまったファンの心を取り戻すのが最優先」とキッパリ。社長としてのリング上の課題を、目に余る反則プレーの一掃と捉えている。
内藤哲也が率いるロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(ロスインゴ)は技巧派選手が揃い、ファンの支持率も高い。グレート-O-カーンらのUNITED EMPIRE(U・E)も反体制派とはいえストロングスタイルのプライドを大切にしている。TMDKもしかりである。
問題は棚橋も指摘するバレットクラブ。HOUSE OF TORTURE(H.O.T)とWAR DOGSなどに分派しているが、始末に終えないのがH.O.Tである。
“キング・オブ・ダークネス” EVILを中心に悪の限りを尽くすH.O.T。乱入はもちろん凶器を駆使し金的攻撃などやりたい放題。文字通りの悪の軍団ぶりで、いささか度を過ぎた感もある。
何よりファンの嫌悪がスゴイ。「またか、もういいよ」「見たくない」「なぜ、許している」…など非難が渦巻いている。
多少の反則攻撃ならば、流れを変えたり試合のスパイスになることもあるが、過ぎたるは及ばざるが如し。
棚橋が社長レスラーに就任したことで、H.O.T の行状改善に期待の声が上がっていたが、現状は変わらないまま。緊迫感あふれるタイトルマッチが、H.O.Tの乱入によって試合展開が乱れ、興ざめしてしまうこともある。
4月5日の東京・両国国技館大会でH.O.Tの今後、新日本プロレスの勢力図を大きく左右しそうな大一番のゴングが鳴る。IWGP GLOBALヘビー級王者・辻陽太にEVIL が挑戦する一戦だ。
辻はロスインゴどころか新日本プロレスの新時代を担う男としての評価を固めつつある。パワー、スピードを兼ね備え、アメリカンフットボールの大学強豪チームで司令塔QBを務めた運動能力、頭脳は本物。一味も二味も加わったコメント力も大きな魅力である。
折しもノアでは暴露系・OZAWAの発信力に注目が集まっているが、辻のひと言もなかなかのものだ。無法ファイトで悪名を高めるEVILにも「エブリシングを俺にぶつけて来いよ」とアゴを突き出した。かつてのEVILの決め台詞を持ち出して挑発している。
NJCで連覇を狙っていた辻だったが、1回戦でEVILに敗れてしまった。しかも4分53秒、EVILの十八番EVILで仕留められたのだから、悔しさはひとしおだ。
「俺は彼を認めている。ただ彼のやり方が新日本プロレスにふさわしいか。俺もエブリシングを繰り出す。お前もエブリシングで来い」と、辻はいつもの微笑みを浮かべ余裕たっぷりの表情だ。
3・29富山・高岡、3・30静岡・浜松の前哨戦2連戦で、EVILは意外にも辻と握手を交わし「辻の言葉が響いた。新日本も変わる時が来たんだ。真っ向勝負で勝ってこそ本物だ。両国では正々堂々と勝負しよう」と、らしくもないセリフをはいている。
EVILは改心したのだろうか。闇堕ちしているEVILの話を額面通り、受け取ることはできないが…。
辻vsEVILは4・5両国大会のセミファイナル。メインイベントの王者・後藤洋央紀にデビッド・フィンレーが挑むIWGP世界ヘビー級王座戦は、本隊とWAR DOGSの対抗戦でもある。
第5試合ではNEVER無差別級王者・KONOSUKE TAKESHITAにTMDKの大岩陸平が挑戦。第2試合のNJPW WORLD認定TV選手権では本隊の王者エル・ファンタズモにU・Eのカーンが襲い掛かる。シングルタイトル戦線の勢力図が一気に変わりかねない。
セミ、メインは元より各ユニットの地盤を左右するタイトルマッチが並んだ4・5両国大会。結果次第で、今後の新日本マットを左右することだけは間違いない。
<写真提供:新日本プロレス>
Pages 1 2