今春から大学生のスターダム妃南。末っ子が切り拓いた三姉妹プロレスラー

そして妃南は、プロレスラーになりたいとの思いを母に打ち明ける。
「小学2年生のときでしたね、ママとドライブしていたとき、やりたいってボソッと言ったんです。そのときママは本気には受け取っていないし否定もされなかったんですけど、自分の気持ちが強くなってくると、けっこう反対されました。私たち柔道とハンドボールやってるし、一度には無理でしょって感じで。もともとママはハンドボールの選手だった人で、私たちを国体とかにいけるような選手にしたかった思いもあったみたいなんです」

「写真提供:スターダム」
しかし妃南は、スターダム新木場大会で行動に出る。父と一緒にアリーナを抜け出し、風香GMのいる売店へ。切り出してくれたのは父だった。
「パパが『この子プロレスやりたいんです』と言ってくれて。そしたら風香さんがバックステージに呼んでくれたんですね。パパとはそこでお別れして、ひとりで待っていました。そこにはまなせゆうなさんとAZMさんがいて、話しかけてくれたのをおぼえています。その後、風香さんから『練習に来てみる?』と誘っていただいて、もちろん私は、『行きたいです!』と答えました」

「写真提供:スターダム」
練習には羽南、吏南も一緒に行くことにした。とはいえ、羽南と吏南には体操を習いに行く感覚だ。練習には栃木県下野市から東京まで両親に車で送迎してもらったから、そのたびに家族総出だった。
長い練習生期間を経て、まずは羽南がデビュー。その姿を見て、妃南も早くリングに上がりたいとの気持ちが大きくなった。その1年半後、吏南&妃南が11歳で揃ってデビューを果たす。
「デビューしていろんな感情がありました。リングに立てるうれしさもあり、見るのとやるのとでは全然違うなって。こんなにうまくいかないんだと思い知らされることが多かったです。自分だけ楽しんでるだけじゃダメで、お客さんを楽しませないといけない。あらためて厳しい世界だと思いましたね、小6で(苦笑)」

「写真提供:スターダム」
やがて3人はキッズ枠から卒業し、別々のユニットに所属。羽南がSTARSに留まり、吏南はヒールに。妃南はクイーンズクエストから現在はゴッズアイのメンバーだ。
それもあってか、3人は三者三様のスタイルを確立させている。羽南がスケールの大きいプロレスを展開すれば、吏南は悪態をつきながらも卓越したプロレスアタマの持ち主。そして妃南は、堅実でオーソドックスなプロレスを見せてくれる。バラバラな個性はいったいどこから来るのだろうか?
「似たくないという思いが全員あるんだと思います。とくにユニットが分かれてからはそうですね。髪型からして一緒にしたくないし、自分は自分で、すべてにおいて似たくない。姉妹、双子だからって似ているのもイヤだし、比べられるのもイヤ。対抗心というか、自分だけの個性を探さないと。ほかの2人もそうだと思いますけど、とくに私には迷ってる時間があったので、そう思いますね」














