なつぽいが中野たむ引退でかわした言葉&盟友・安納サオリとの10周年へ!

試合は、不透明決着を避けるべく第三者の介入を防ぐノーセコンドルールが適用されていた。よって、コズエン、上谷のH.A.T.E.ともリングサイドに足を踏み入れることはできない。間近で見守ることができないなつぽいは、いったいどんな思いで中野をリングに送り出したのだろう?

「たむちゃんって、試合前はいつも瞑想モードなんですよね。特にあの日はその時間が長くて、試合前にはまったく話しかけませんでした。入場前にガウンを羽織って、『さあいくぞ!』というところでポンと背中を叩いただけでしたね」

 モニターを通して祈りながら戦況を見つめるしかなかったコズエンのメンバー。中野が勝てば、いつものコズエンでまた闘える。しかも、赤いベルトも中野の腰に戻ってくるのだ。が、負けてしまえば、中野のプロレスラー人生はそこで終わる。そして結果はご存じの通り、後者だった。

「もうダメかというところで立ち上がってくるのが中野たむなので、最後の最後まで(勝ってくれると)信じていました。負けたら、なんて考えたくはなかったです。ただ、覚悟はしていましたね。覚悟だけはしていて、そしたら最後、本当に3カウントが入ってしまって…。その瞬間、玖麗とか泣いていたし、悔しい、寂しいという気持ちもあるんですけど、それを通り越して、これからのコズエン、これからのスターダムへの不安が一気に込み上げてきてしまいました」

 なつぽいらメンバー全員が困惑するなか、中野がバックステージへ。中野は泣き顔のメンバーを抱き寄せ、円陣のような形になった。試合前の儀式とはまた違う、それは中野率いるコズエンの解散式にもなっていたのだろう。一人ひとりに声をかけるなかには、新生コズエンへの具体的なアドバイスも含まれていたようだ。

「どんな結果になろうと、私はたむちゃんを笑顔で迎え入れようと思っていました。だけどやっぱり感情が一気に込み上げてきてしまって、笑顔にはなれなかったですね。たむちゃんがみんなに話しかけていくなかで、私は大泣きしてしまったんですよ。いつもだったら『(黒スプレーを噴射されたあとのように)たむちゃん、変な顔~」って言いたかったんですけど、言えなかった。私の方が『たむちゃん、ウソ泣きしてるぅ~』と言わなきゃいけないところなのに、言えなかった。私の方が泣いていましたね。そんな私をたむちゃんは全部聞き入れてくれて、頷きながら肩をポンポン叩いて『なつぽいは大丈夫。何を心配してるの?』って。たむちゃんは、いつも『大丈夫』って言うんです(笑)」

 時間にして数分間の出来事。最初は全員が涙を流していたものの、最終的には笑顔に変わった。中野は、なつぽい、安納、水森、さくら、玖麗にコズエンの未来を託し、メンバーも中野の引退を現実として受け止めた。そして、中野たむのいないコズエンがゴールデンウイークツアーでスタートしたのだが…。

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