なつぽい&安納サオリの10周年は、女子プロレスのトレンドが生まれた日から10年


「写真提供:スターダム」

 なつぽいは師とも言えるKAIRIを通じ、安納と組んだ。抱いていたわだかまりが完全に消えたわけではなかったものの、やはり同じ控室になるとデビュー当時の関係が蘇った。安納もコズミックエンジェルズ入りし、なつぽいと共闘することに。一時は負けたくない気持ちが上回ったか、ストラップマッチで闘うこともあったが、いまでは完全な共闘路線。2人の思いは、「5月にこれまでの道のりをたどるような10周年記念大会をやりたい」で一致していた。それにしても、生誕の地・新木場ではなく、大田区総合体育館とは!?

「もちろん新木場もありだし、大好きな後楽園もあったんですよ。でも、自分たちの10年ってものすごく濃いし、すごくたくさんの方に関わっていただいているんですね。だからこそ、サプライズを届けたいとの思いがあって、大きな会場でやりたかったんです。また、デビューの5月31日にしたいとのこだわりもあって。そしたら今年の5月31日が土曜日というのも奇跡的だし、会場がその日偶然空いていたのも奇跡的。それで、大田区でやることにしたんです」


「写真提供:スターダム」

 スターダムでありながら、大会は限りなく2人の自主興行に近いと言っていいのだろう。参戦選手からマッチメーク、グッズに至るまですべてなつぽい&安納のプロデュースによるものになるという。「私たちの10年をすべて詰め込もうと思ってます」と、なつぽい。ただし、なつぽい&安納が闘うのは1試合。この2人でセンダイガールズの橋本千紘&岩田美香組と対戦するのだから、この重量感からしても複数回リングに上がるのは無茶すぎるというもの。では、大会全体でどうやって2人の10年を表現するのだろうか?


「写真提供:スターダム」

 対戦カードを見てみると、その謎がなんとなく解けそうだ。2人がプロレスラーとして誕生したアクトレスガールズ。旗揚げ戦でデビューした初期メンバーの試合があり、彼女たちを育てた堀田と伊藤が期待の若手を従える。叶ミクと梨杏はかつてのなつぽいと安納のイメージか。スターダムの純血試合もあり、コズミックエンジェルズの3人には試練のシングルマッチを提供。そして、主役の2人は対他団体で、現在進行形でもある仙女との対戦だ。なつぽいは「最強」をテーマに橋本と一騎打ちをおこない、安納は両団体のベルトをめぐり岩田と激闘を繰り広げてきた。しかも、橋本と岩田も今年が10周年。この10年のトレンドとは真逆をいく王道・仙女との対戦だからこそ、お祭り的カードに収まらない、闘いを重視したカードなのではなかろうか。

 なつぽいは安納を「相方で最強のライバル」と表現する。そんな2人が歩んだこの10年は、これからの10年にもつながるはず。プロレスとは無縁のところからトップレスラーにのぼりつめたなつぽいと安納の物語は、この10年間のプロレス史にも直結する。だからこそ、ビッグマッチでやる意味があるのだ。

インタビュアー:新井宏

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